「社労士試験 労災保険法 5分で身につく療養(補償)給付のイロハ」過去問・労災-49

療養(補償)給付は読んで字のごとく、ケガや病気をした労働者の方が元通りの身体になるよう「療養」してもらうための給付です。

つまり治療が中心の給付になるのですね。

その治療を進めるために付随して色々な給付があるんだと思うとイメージしやすいかもしれませんね。

ではまず最初に、療養(補償)給付にはどんな種類があるのか下の過去問で見てみましょう。

 

療養補償給付の範囲とは

(平成30年問2D)

療養補償給付としての療養の給付の範囲には、病院又は診療所における療養に伴う世話その他の看護のうち、政府が必要と認めるものは含まれるが、居宅における療養に伴う世話その他の看護が含まれることはない。

 

解説

解答:誤

「居宅における療養に伴う世話その他の看護」も療養の給付の範囲に含まれています。

療養の給付の範囲として、

  • 診察
  • 薬剤又は治療材料の支給
  • 処置、手術その他の治療
  • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 移送

があります。

で、問題文にありますが、「政府が必要と認めるもの」は押さえておくようにしましょう。

また、療養の給付は原則として現物給付になりますが、もし給付をすることが困難な場合は、費用を支給することができると規定しています。

さて、次の問題は療養の給付にある「移送」についての過去問です。

移送にかかった費用が療養の給付として認められるために必要なことはなんでしょうか?

 

「移送」の費用が療養の給付として認められるためには

(平成28年問4C)

業務災害の発生直後、救急患者を災害現場から労災病院に移送する場合、社会通念上妥当と認められる場合であれば移送に要した費用全額が支給される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

療養補償給付の移送については、

  • 救急患者を災害現場から労災病院に移送する場合
  • 社会通念上妥当と認められる場合

であれば全額を支払って差し支えないとしています。

では、たとえば災害現場が遠方地で不幸にも亡くなった場合、現地で火葬したときに、火葬費用は療養補償給付に含まれるのでしょうか。

次の過去問で確認して見ましょう。

 

火葬の費用は療養補償給付に入る?

(平成28年問4B)

労働者が遠隔地において死亡した場合の火葬料及び遺骨の移送に必要な費用は、療養補償費の範囲には属さない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、火葬料や遺骨の移送にかかった費用は療養補償給付の対象外となります。

療養補償給付は、その名のとおり「療養」に関する給付なので、「火葬」などには適用されないのでしょうね。

ちなみに、通達では業務災害で亡くなった方の遺骨を付添人の方が運ぶことになったのですが、付添人の方の汽車賃、宿泊料などの費用が療養補償給付の範囲になるか、という問い合わせだったようです。

ちなみに、問題文の「療養補償費」というのは療養補償給付の昔の名前です。

では、療養補償給付の具体的な請求方法について見てみましょう。

請求書の流れについての論点が次の過去問で問われています。

 

療養補償給付の請求方法

(平成27年問2C)

療養補償給付たる療養の給付を受けようとする者は、厚生労働省令に規定された事項を記載した請求書を、直接、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

解説

解答:誤

療養補償給付を受けるときは、療養の給付を受けようとする労働者が請求するのですが、「直接」ではなく、「指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に請求書を提出することになります。

ちなみに、療養の費用を請求するときは「直接」所轄労働基準監督署長に請求書を提出します。

さて、仕事中にケガをした場合、とにかく病院に行って治療することが先決ですので職場の近くの指定病院などに駆け込むケースが多いでしょう。

しかし、治療が進むにつれ、たとえば自宅の近所の病院に変えたい、と思うかもしれません。

そんなとき、病院を変更するときの手続きについてどうすればいいのかを見てみましょう。

 

指定病院を変更するときの手続き方法

(令和元年問5B)

療養の給付を受ける労働者は、当該療養の給付を受けている指定病院等を変更しようとするときは、所定の事項を記載した届書を、新たに療養の給付を受けようとする指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出するものとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

療養の給付を受けている指定病院等を変更したいときは、「変更先の指定病院等を経由」して届書を所轄労働基準監督署長に提出することになります。

変更前の指定病院等ではない、ということですね。

 

今回のポイント

  • 療養の給付の範囲として、

    • 診察
    • 薬剤又は治療材料の支給
    • 処置、手術その他の治療
    • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
    • 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
    • 移送

    があります。

  • 移送については、
    • 救急患者を災害現場から労災病院に移送する場合
    • 社会通念上妥当と認められる場合

    であれば全額を支払って差し支えないとしています。

  • 火葬料や遺骨の移送にかかった費用は療養補償給付の対象外となります。
  • 療養補償給付を受けるときは、療養の給付を受けようとする労働者が請求するのですが、「指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に請求書を提出することになります。
  • 療養の費用を請求するときは「直接」所轄労働基準監督署長に請求書を提出します。
  • 療養の給付を受けている指定病院等を変更したいときは、「変更先の指定病院を経由」して届書を所轄労働基準監督署長に提出することになります。

 

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