過去問

「健康保険法 入院したときの健康保険の制度はこうやって押さえる!」過去問・健保-41

入院したときに関連している健康保険の制度といえば、入院時食事療養費入院時生活療養費保険外併用療養費などが思い浮かびますが、

保険外併用療養費については別に機会を設けることにして、今回は入院時食事療養費と入院時生活療養費についての過去問を確認していくことにしますね。

ややこしいのは、ズバリ「金額」ですね。

いっぺんに覚えるのは、なかなか頭に負担がかかるので、まずは原則の金額から押さえるなどして、少しずつ固めていくのが良いでしょう。

では最初の問題です。

入院時食事療養費の仕組みについて確認しておきましょう。

 

入院時食事療養費の仕組みは?

(平成23年問6D)

入院時食事療養費の額は、その食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して、中央社会保険医療協議会が定める基準により算定した費用の額(その額が現にその食事療養に要した費用の額を超えるときは、その現に食事療養に要した費用の額)から、食事療養標準負担額を控除した額とする。

 

解説

解答:誤

入院時食事療養費の額は、「中央社会保険医療協議会」ではなく、「厚生労働大臣」が定める基準で算定した額から被保険者負担分(食事療養標準負担額)を差し引いたものになります。

入院時食事療養費については厚生労働大臣が関わっている、ということを押さえておきましょう。

ちなみに、厚生労働大臣は、食費の金額を決めようとするときに、「中央社会保険医療協議会」に諮問することになっています。

で、入院時食事療養費の額を算定するにあたっては、

  • 平均的な家計における食費の状況
  • 特定介護保険施設等における食事の提供に要する平均的な費用の額

を勘案(いろいろと考えあわせて)して決まっています。

では具体的に被保険者が負担する食費(食事療養標準負担額)はいくら払う必要があるのでしょうか。

こちらについては条件によって金額がいろいろ設定されていますので、まずは原則一番安い金額を押さえることにましょう。

 

被保険者が負担する入院時の食費はいくら?

(平成27年問2B)

入院時食事療養費に係る食事療養標準負担額は、原則として、1食につき460円とされているが、被保険者及び全ての被扶養者が市区町村民税非課税であり、かつ、所得が一定基準に満たないことについて保険者の認定を受けた高齢受給者については、1食につき100円とされている。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

入院時食事療養費にかかる食事療養標準負担額について、原則は460円で、一番安く設定されているのは100円で低所得者の高齢受給者(70歳以上)の人が該当します。

ちなみに、これらの金額はすべて「1食あたり」の金額になっています。

1食460円というと1日3食で1380円、1ヶ月でおよそ41000円になりますから、結構いい値段になりますね。

こういった「高いな、安いな」という感覚も一緒に覚えるようにすると、金額をど忘れしたときに、

その感覚を頼りに思い出すことができることもありますので、

「金額と感覚」をセットで押さえることをオススメしています。

さて、次は保険者の方へ目を向けてみることにして、保険者が支給する「入院時食事療養費」はどのようにお金が流れるのかチェックしましょう。

 

入院時食事療養費の支給の流れ

(平成29年問7A)

被保険者(特定長期入院被保険者を除く。以下本肢において同じ。)が保険医療機関である病院又は診療所から食事療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり当該病院又は診療所に支払うことができ、この支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなされる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、保険者入院時食事療養費を病院や診療所に直接支払うことができます

なので、被保険者を通さずに病院などへ直接払いができるので、申請やお金の流れがシンプルになりますね。

さて、いよいよ退院することになり、費用を精算する段になって保険医療機関側から発行される領収書についての過去問を見ておきましょう。

領収書には、食事療養標準負担額がどのように記載されているのか、という論点になっています。

 

保険医療機関の領収書の交付方法について

(平成27年問6C)

保険医療機関は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、入院時食事療養費に係る療養について被保険者から支払を受けた費用の額のうち食事療養標準負担額とその他の費用の額とを区分して記載した領収証を交付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

保険医療機関領収書を交付するときは、「食事療養標準負担額と「その他の費用の額」を区分して記載する必要があります。

平たくいうと、治療費と食費の明細を分けて記載しておいてね、ということですね。

では最後に、「入院時生活療養費」についての過去問を見ておきましょう。

そもそも、入院時生活療養費は誰が対象になっているのかを確認しますね。

 

入院時生活療養費は誰に対して支給される?

(平成25年問5B)

60歳の被保険者が、保険医療機関の療養病床に入院した場合、入院に係る療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時生活療養費が支給される。

 

解説

解答:誤

問題文の場合は、入院時生活療養費は支給されません。

入院時生活療養費」は、特定長期入院被保険者に対して支給されるということを押さえておきましょう。

特定長期入院被保険者というのは、

  • 65歳以上の被保険者
  • 療養病床へ入院している

が要件になっています。

その特定長期入院被保険者に対して、入院時生活療養費を支給するので、入院中の食費や居住費を負担してね、という制度なのです。

なぜ65歳以上の被保険者がターゲットになっているのかというと、私が受験時代に教えてもらったのは、

「老齢年金をもらえるんだから生活費の負担よろしくね。」

ということですね。

ホントかどうかは定かではありませんが、記憶のきっかけにはなると思います。笑

 

今回のポイント

  • 入院時食事療養費の額は、「厚生労働大臣」が定める基準で算定した額から被保険者負担分(食事療養標準負担額)を差し引いたものになります。
  • 入院時食事療養費にかかる食事療養標準負担額について、1食あたりの負担額の原則は460円で、一番安く設定されているのは100円で低所得者の高齢受給者(70歳以上)の人が該当します。
  • 保険者入院時食事療養費を病院や診療所に直接支払うことができます
  • 保険医療機関領収書を交付するときは、「食事療養標準負担額と「その他の費用の額」を区分して記載する必要があります。
  • 入院時生活療養費」は、特定長期入院被保険者に対して支給されます。

 

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