雇用保険の教育訓練給付には、教育訓練給付金と、時限的な給付である教育訓練支援給付金があります。
また、教育訓練給付金には、① 一般教育訓練にかかるもの、② 特定一般教育訓練にかかるもの、③ 専門実戦教育訓練にかかるものに分かれます。
ちなみに、教育訓練支援給付金は、専門実戦教育訓練の受講者に支給されます。
それぞれの支給要件が細かいので、テキストも読みにくいかもしれませんが、少しずつ、繰り返し確認することで定着しますので大丈夫です。
では、過去問を確認しましょう。
教育訓練はどこで申込すればいい?
(令和元年問4C)
教育訓練給付金に関する事務は、教育訓練給付対象者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所長が行う。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
教育訓練の対象は、失業中の人も含まれますので、会社の管轄にすると、ややこしいことになりそうですね。
それでは、費用はどこまで面倒を見てもらえるのでしょうか。
次の過去問です。
一般教育訓練の費用の範囲は?
(平成25年問4ア)
(一般教育訓練の)教育訓練給付金の算定の基礎となる、教育訓練の受講のために支払った費用として認められるのは、入学料及び受講料(当該教育訓練の期間が1年を超えるときは、当該1年を超える部分に係る受講料を除く。)のみである。
解説
解答:誤
「入学料及び受講料のみ」ではありません。
一般教育訓練の教育訓練給付金の費用の範囲は、
1.入学料及び最大1年分の受講料(短期訓練受講費の支給を受けているものを除きます。)
2. 一般教育訓練の受講開始日前1年以内にキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用(2万円まで)
となっています。
で、それらの費用の20%(上限は10万円)を一般教育訓練の給付金として支給されます。
では最後に、専門実戦教育訓練についての過去問を確認しましょう。
専門実践教育訓練の給付金の額は?
(平成28年問6D)
雇用保険法第60条の2第1項に規定する支給要件期間が3年以上である者であって、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ当該専門実践教育を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者として雇用された者に支給される教育訓練給付金の額は、当該教育訓練の受講のために支払った費用の額の100分の70を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額。)である。(法改正のため一部問題文を変えています)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
原則は、
「専門実践教育訓練を受けて、修了する」と100の50(上限120万円)が支給されます。
(支給限度期間についてはテキストを確認してくださいね。以下同じ)
でも、
「修了してから1年以内に一般被保険者として雇用される」と、100分の70(上限168万円)が支給されます。
ちなみに、長期専門実践教育訓練の場合は、前述の「修了」で上限160万円、「雇用」で上限224万円まで増額されます。
今回のポイント
- 雇用保険の教育訓練給付には、教育訓練給付金と、時限的な給付である教育訓練支援給付金があります。
- また、教育訓練給付金には、① 一般教育訓練にかかるもの、② 特定一般教育訓練にかかるもの、③ 専門実戦教育訓練にかかるものに分かれます。
- 教育訓練給付金に関する事務は、教育訓練給付対象者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所長が行います。
- 一般教育訓練の教育訓練給付金の費用の範囲は、
1.入学料及び最大1年分の受講料(短期訓練受講費の支給を受けているものを除きます。)
2. 一般教育訓練の受講開始日前1年以内にキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用(2万円まで) - 「専門実践教育訓練を受けて、修了する」と100の50(上限120万円)が支給されます。
- 「修了してから1年以内に一般被保険者として雇用される」と、100分の70(上限168万円)が支給されます。
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