「厚生年金法 なじみのない脱退一時金の要件が5分で分かります!」過去問・厚-41

脱退一時金は日本人が使う機会はなさそうですが、社労士試験では何度も出題されています。

出題される論点もいろいろあって、不支給の要件だったり、一時金の計算方法、請求期限などがありますね。

他の論点と勘違いするようなまぎらわしいものではないですので、丁寧に押さえていけば大丈夫です。

それでは早速見ていきましょう。

 

脱退一時金がもらえないパターンとは

(平成26年問4C)

障害手当金の受給権を有したことがある場合であっても、脱退一時金を請求することができる。

 

解説

解答:誤

問題文のように、障害手当金受給権を有したことがある場合は脱退一時金の請求はできません

規定では、障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがある場合、脱退一時金は支給されないこととなっていて、この障害厚生年金「その他政令で定める保険給付」に障害手当金が入っているのです。

障害一時金は、日本国籍のない人が被保険者資格を喪失して、国外に出国した場合に支給されるものなので、

保険料の掛け捨て防止の意味合いがあります。

なので障害厚生年金などの受給権のある人は対象外になってしまうのですね。

脱退一時金は、厚生年金や共済年金などの加入期間が6ヶ月以上あることが必要ですが、

もし厚生年金と共済年金の両方に加入していたとしたら、脱退一時金の「6ヶ月」の要件はどのように判断するのでしょうか。

次の過去問で確認しましょう。

 

2以上の種類の被保険者期間があったときの支給要件はどうなる?

(平成29年問8A)

2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の脱退一時金は、それぞれの種別の被保険者であった期間ごとに6か月以上の期間がなければ受給資格を得ることはできない。

 

解説

解答:誤

2以上の種別の被保険者だった期間がある場合は、「それぞれの期間」ではなく、「合算して1つの期間として」規定を適用することになります。

なので、2以上の期間を合算して「6ヶ月」以上あって所定の要件を満たせば脱退一時金の支給を受けることができます。

ただ、脱退一時金の金額については、それぞれの種類の被保険者期間ごとに計算する形になります。

では、脱退一時金の金額はどのように計算されるのでしょうか。

下の過去問を見てみましょう。

 

脱退一時金の額の計算方法

(平成26年問4E)

脱退一時金の額は、最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の標準報酬月額に、被保険者であった期間に応じた支給率を乗じて得た額とする。

 

解説

解答:誤

脱退一時金は、「前月の標準報酬月額」ではなく、「その期間の平均標準報酬額」に支給率を乗じて得た額となります。

平均標準報酬額というのは、「各月の標準報酬月額標準賞与額の総額を、被保険者期間の月数で除して得た額」になるのですが、お給料だけでなく、賞与も脱退一時金の計算に入るということですね。

まあ、賞与にも保険料がかかっているわけですから当然といえば当然ですけどね。笑

先ほどの脱退一時金の計算方法で「支給率」という言葉が出てきましたが、支給率の中身はどうなっているのでしょう。

次の問題でチェックしてみましょう。

 

脱退一時金を計算するときの支給率とは

(平成27年問9E)

脱退一時金の額の計算に用いる支給率は、最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の属する年の前年9月の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じた数を乗じて得た率とする。

 

解説

解答:誤

「前年9月」ではなく、「前年10月」の保険料率に2分の1を乗じて得た率が正解です。

つまり、脱退一時金の額は、

「平均標準報酬額×(前年10月の保険料率×1/2×被保険者であった期間に応じた数)」

ということになります。

なんで保険料率に「1/2」を掛けているのかというと、保険料は被保険者と事業主が半分ずつ負担しているので、被保険者の負担分を出しているのですね。

では最後に、脱退一時金の請求期限について確認しておきましょう。

脱退一時金を請求するときは、日本にはいないですから忘れないようにしていただきたいですね。

 

脱退一時金の請求期限は?

(平成26年問4D)

最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年を経過しているときは、脱退一時金を請求することができない。

 

解説

解答:誤

「1年」ではなく、「2年」が正解です。

最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日や、

同日において日本国内に住所を有していた者については、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から

「2年」

を経過しているときは脱退一時金の請求をすることができません。

 

今回のポイント

  • 障害厚生年金その他政令で定める保険給付(たとえば障害手当金)受給権を有したことがある場合は脱退一時金の請求はできません
  • 2以上の種別の被保険者だった期間がある場合は、「合算して1つの期間として」規定を適用することになります。
  • 脱退一時金は、「その期間の平均標準報酬額」に支給率を乗じて得た額となります。
  • 支給率は、前年10月の保険料率×1/2×被保険者であった期間に応じた数となります。
  • 脱退一時金の請求期限は2年です。

 

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