「労基法 ここだけは押さえておきたい!労働契約締結時の要点」過去問・労基-41

労働契約は、使用者と労働者にとって一番大切なことと言っても過言ではありませんね。

契約の期間や仕事の内容、お仕事の時間やお給料の額など重要なことがてんこ盛りです。

社労士試験でも労働契約締結の際の要件については、一つの論点に対して形を変えて何度も出題しているところを見ると、重要項目であることには間違いありません。

なので、この部分はきっちりと押さえていくようにしましょうね。

最初の問題は、労働条件が労基法の基準以下だった場合の取り扱いです。

早速見ていきましょう。

 

労基法の基準に達していない労働条件はどうなる

(平成25年問6A)

労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労基法の基準に達していない労働条件を定める労働契約については、その部分は「無効」になり、労基法で定めている基準に置き換えられます。

たとえば、1日の労働時間は10時間と労働契約に定めていても、別途、変形労働時間制などを取り入れていないのであれば、「10時間」の部分は無効になり、「8時間」となります。

ちなみに、「アルバイトには有給休暇は与えない」なんて労働契約はもっての外です。笑

さて、次は労働契約が「無期」の場合、労働条件の明示をどうするかが論点になっていますので見てみましょう。

 

期間の定めがない場合、期間の明示はいらない?

(令和元年問4A)

労働契約の期間に関する事項は、書面等により明示しなければならないが、期間の定めをしない場合においては期間の明示のしようがないので、この場合においては何ら明示しなくてもよい。

 

解説

解答:誤

労働契約に「期間の定めをしない(無期)場合」は、「期間の定め:なし」というようにその旨を明示する必要があります。

労働契約が、有期なのか無期なのかをはっきりさせておく必要はありますし、有期の場合はその期間、無期の場合でも「期間の定めがない」ことを明示してね、ということですね。

では、有期の労働契約を結ぶ場合に、その上限はあるのでしょうか。

たとえば10年といった労働契約を結ぶことができるのでしょうか?

 

60歳以上の労働者と有期契約を結ぶときの上限

(平成30年問5D)

労働基準法第14条第1項第2号に基づく、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(期間の定めがあり、かつ、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものではない労働契約)について、同条に定める契約期間に違反した場合、同法第13条の規定を適用し、当該労働契約の期間は3年となる。

 

解説

解答:誤

満60歳以上の労働者と労働契約を結ぶ場合の上限は「5年」となっています。

ちなみに、「高度の専門的知識」を有する労働者がその業務に就く場合も「5年」です。

有期の労働契約の上限は、原則「3年」です。

でも、ダムの建設工事や土木工事など、事業の完了に必要な期間の労働契約を結ぶ必要がある場合は、3年を超えて、その事業の完了の期間分の労働契約にすることができます。

とは言っても、働いている途中に「どうも仕事が合わない」などの理由で「退職」したくなる時もあるかもしれません。

無期」の労働契約の場合、労働者はいつでも契約を解約(退職)する自由があるので大丈夫なのですが、「有期」の労働契約の場合でも同じなのでしょうか。

下の過去問を見てみましょう。

 

有期契約の場合、退職のルールはどうなっている?

(平成24年問2C)

満60歳以上で薬剤師の資格を有する者が、ある事業場で3年の期間を定めた労働契約を締結して薬剤師以外の業務に就いていた場合、その者は、民法第628条の規定にかかわらず、労働基準法第137条の規定に基づき、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

 

解説

解答:誤

満60歳以上」の労働者の場合と「高度の専門的知識」を有する労働者の場合は、「いつでも」退職することはできません。

原則として、有期の労働契約の場合は、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除いて、

1年を経過した後であればいつでも退職することができるのですが、上記の「60歳以上」と「高度の専門的知識」の場合はアウトなのです。

それでも「辞める」という場合は使用者から損害賠償を請求される、、、かもしれません。

でも、その労働契約の条件が、最初に聞いていた条件と実際の条件が食い違っていたのなら話は別です。

その場合は労働契約を解除できることになっているのですが、どういうルールになっているのか確認しましょう。

 

明示された労働条件が事実と違っていたとき、契約の行方は

(平成28年問2B)

労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と相違しているため、労働者が労働契約を解除した場合、当該解除により労働契約の効力は遡及的に消滅し、契約が締結されなかったのと同一の法律効果が生じる。

 

解説

解答:誤

労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と違っていて労働契約を解除した場合は、契約の効力は「遡及的に消滅」するのではなく、「将来に向かって消滅」することになります。

つまり、「最初から働いていなかった」とされるのではなく、解除した時点より未来の契約がなくなる、ということですね。

だって、働いた分のお給料はちゃんともらわないといけませんからね。笑

 

今回のポイント

  • 労基法の基準に達していない労働条件を定める労働契約については、その部分は「無効」になり、労基法で定めている基準に置き換えられます。
  • 労働契約に「期間の定めをしない(無期)場合」は、「期間の定め:なし」というようにその旨を明示する必要があります。
  • 満60歳以上の労働者や、「高度の専門的知識」を有する労働者(その業務に就く場合)と、労働契約を結ぶ場合の上限は「5年」となっています。
  • 満60歳以上」の労働者の場合と「高度の専門的知識」を有する労働者の場合は、「いつでも」退職することはできません。
  • 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と違っていて労働契約を解除した場合は、契約の効力は「将来に向かって消滅」することになります。

 

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