「雇用保険法 ここを押さえておきたい!基本手当の受給資格要件のカギ」過去問・雇-39

基本手当を受給するためには、2年間の算定対象期間被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが必要ですが、この「12ヶ月」をめぐって社労士試験ではあらゆる角度から出題されています。

12ヶ月を構成している1ヶ月はどのようにカウントされるのか、もし海外に勤務していて賃金の支払いを受けていなかったらどうなるのかなど様々です。

ここで受給資格要件に関係した過去問をいくつかご紹介しますので見ていくことにしましょう。

 

被保険者期間の計算の仕方とは

(平成26年問1E)

被保険者が平成26年4月1日に就職し、同年9月25日に離職したとき、同年4月1日から4月25日までの間に賃金の支払の基礎になった日数が11日以上あれば、被保険者期間は6か月となる。

 

解説

解答:誤

問題文の場合、「6か月」ではなく、「5.5か月」となります。

問題文のように、「4月1日〜25日」といった被保険者であった期間に1ヶ月未満の期間があるときは、その日数が「15日以上」で、しかも賃金の支払の基礎になった日数が「11日以上」あれば、被保険者期間は「0.5ヶ月」としてカウントされます。

なので、問題文の被保険者期間は「5.5ヶ月」になるというわけです。

では先ほど「賃金の支払の基礎」という言葉が出てきましたが、そもそも「賃金の支払いの基礎」として認められるにはどんな要件があるのでしょう。

次の過去問で確認しましょう。

 

賃金の支払の基礎となる日としてカウントされるためには

(令和元年問1B)

労働した日により算定された本給が11日分未満しか支給されないときでも、家族手当、住宅手当の支給が1月分あれば、その月は被保険者期間に算入する。

 

解説

解答:誤

問題文のケースでは被保険者期間として参入されません。

賃金の支払の基礎としてカウントされるためには、「業務取扱要領50103(3)被保険者期間 ハ 被保険者期間の計算に関するその他の留意事項」によると、

「(ロ) 家族手当、住宅手当等の支給が 1 月分ある場合でも、本給が 11日分未満しか支給されないときは、その月は被保険者期間に算入しない。」

とあります。

こちらの業務取扱要領のリンクを貼っておきますのでご自由にご参考になさってくださいね。

 

参考記事業務取扱要領 P16 50103(3)ハ 被保険者期間の計算に関するその他の留意事項

 

ちなみに、問題文では被保険者期間が1ヶ月としてカウントされるために、賃金の支払の基礎となる日数が「11日以上」必要という話でしたが、

令和2年度の法改正により、「賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月も1ヶ月」として計算してもらえることになりました。

こちらについても下にリンクを貼っておきますのでよろしければご覧になってくださいね。

 

参考記事:失業等給付の受給資格を得るために必要な 「被保険者期間」の算定方法が変わります

 

さて、被保険者期間の計算をするうえで、すでに受給資格を得ていたことがある場合、その受給資格のもとになっている被保険者期間も一緒に参入してくれるのでしょうか。

気持的には合算してほしいところですが次の問題でチェックしてみましょう。

 

受給資格を取得していた期間は被保険者期間に入れてもらえる?

(令和元年問1A)

最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が特例受給資格を取得したことがある場合においては、当該特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、被保険者期間に含まれる。

 

解説

解答:誤

最後に被保険者となった日前に、被保険者が受給資格や特例受給資格、高年齢受給資格を取得したことがある場合

それらの資格取得に関係している離職日以前の被保険者期間は参入されません

たとえば、失業して離職票をもらうまではいいのですが、その後にハローワークに行って、失業の申込をして受給資格をもらった時点で、たとえ基本手当をもらっていなくても、

次に新しい受給資格を取得した時に、前に受給資格を得た分の被保険者期間は通算できなくなるわけですね。

失業した時にハローワークに行って受給資格者になるのかどうかは、後のことを考えておかないといけないということですね。

さて、冒頭に算定対象期間は「2年間」と述べましたが、出産や病気、海外勤務などで「引き続き30日以上賃金をもらえなかった場合、

算定対象期間を延長できることになっていますが、どこまで延長できるのかを確認しておきましょう。

 

算定対象期間はどこまで延長できる?

(平成23年問2C)

被保険者であった者が、離職の日の6か月前まで4年間、海外の子会社に勤務していたため日本で賃金の支払を受けていなかった場合、受給資格を判断する際に用いる、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその4年間を加算した期間となる。

 

解説

解答:誤

算定対象期間の延長は、「2年間にその4年間」ではなく、「2年間にその2年間を加算」した最大4年間まで延長できます。

MAX4年」と覚えておくと良いですね。

最後に、あまりあって欲しくないことですが、お給料から毎月雇用保険料が引かれていたのに、フタを開けてみると雇用保険の加入手続きがされていなかった場合に、

被保険者であった期間は2年よりもさかのぼってくれるのか、ということについて確認しておきましょう。

というのも、被保険者の資格取得の確認があった2年前までは、被保険者であった期間に算入してくれるのですが、それより前はカウントしてくれません

そうなると、2年以上雇用保険料を払っているのに、算定対象期間に入れてもらえず、下手すると受給資格に必要な12ヶ月の被保険者期間に届かない可能性もあるのです。

かなり気になるところですので、下の過去問で確認しましょう。

 

もし2年以上前に雇用保険料が給与から天引きされていたら?

(令和元年問1E)

雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日前における被保険者であった期間は被保険者期間の計算には含めないが、当該2年前の日より前に、被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期がある場合は、その時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日以後の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算に含める。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者になった確認があった日の2年前の日より前の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算には含められないのですが、

その2年前の日より前に、被保険者が雇用保険料を負担していたことが給与明細などで明らかになった場合、その時期の一番古い日以後の期間は被保険者であった期間として算入してくれます。

なので、その分、12ヶ月の算定対象期間も確保しやすくなるだけでなく、算定基礎期間も稼げるので所定給付日数が増える可能性だってあるわけですね。

 

今回のポイント

  • 被保険者であった期間で1ヶ月未満の期間があるときは、その日数が「15日以上」で、しかも賃金の支払の基礎になった日数が「11日以上」あれば、被保険者期間は「0.5ヶ月」としてカウントされます。
  • 賃金の支払の基礎として算入されるためには、本給が 11 日分未満しか支給されないときは、その月は被保険者期間に算入されません
  • 最後に被保険者となった日前に、被保険者が受給資格や特例受給資格、高年齢受給資格を取得したことがある場合、それらの資格取得に関係している離職日以前の被保険者期間は参入されません。
  • 算定対象期間の延長は、「2年間にその4年間」ではなく、「2年間にその2年間を加算」した最大4年間まで延長できます。
  • 被保険者になった確認があった日の2年前の日より前の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算には含められないのですが、その2年前の日より前に、被保険者が雇用保険料を負担していたことが給与明細などで明らかになった場合、その時期の一番古い日以後の期間は被保険者であった期間として算入してくれます。

 

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