「労基法 5分で理解できる妊産婦や生理休暇についての考え方」過去問・労基-35

労働基準法では、年少者と妊産婦について第六章に規定されています。

独立した章になっているということはそれだけ重要視されているんですね。

社労士試験では、妊婦と産婦の違いであったり、一般の労働者との違いなどが論点になっています。

最初の過去問では、危険な業務について妊婦と産婦の違いを見てみることにしましょう。

 

危険業務における妊婦と産婦の違い

(平成23年問7D)

妊娠中の女性を労働安全衛生法施行令第1条第3号のボイラーの取扱いの業務に就かせてはならないが、産後1年を経過しない女性がその業務に従事しない旨を使用者に申し出ていないときには同号のボイラーの取扱いの業務に就かせることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ボイラーの取り扱い、重量物を取り扱う業務などについては、

  • 妊婦は禁止
  • 産婦については、従事しないことを申し出た場合は禁止

となっています。

ちなみに産婦の定義は、「産後1年を経過しない女性」ということになっています。

次は産後休業についての規定を確認しましょう。

産後休業の規定を理解するには、「出産」についての定義を知る必要がありますね。

たとえば流産の場合も出産に入るのでしょうか。。。

 

流産だと産後休業が取れない?

(平成25年問4イ)

使用者は、妊娠100日目の女性が流産した場合については、労働基準法第65条に規定する産後休業を与える必要はない。

 

解説

解説:誤

問題文の場合は、産後休業を与える必要があります。

使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはいけませんが、出産は妊娠4ヶ月以上の分娩を指します。

この場合の1か月は28日として計算するので、85日以上ということになります。

また、これは通常の出産だけではなく、流産や死産も含まれます。

問題文は妊娠100日目となっているので、産後休業を与える必要がある、というわけです。

では次は、妊産婦と時間外労働についての規定について見ておきましょう。

キーワードは「請求」です。

 

妊産婦に時間外労働はNG?

(平成25年問4オ)

使用者は、労働基準法第66条第2項の規定に基づき、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、妊産婦が「請求した場合」、時間外労働や休日労働、深夜業をさせることができません。

これは、事業場が36協定を結んでいたとしても同様です。

また、変形労働時間制についても、1日について8時間、1週間について法定労働時間を超えることはできません。

さて、次は生理休暇についての過去問に入っていくことにしましょう。

最初の問題は、生理休暇は有給であることが必須なのかどうかという論点になっています。

 

生理休暇は有給でないとダメ?

(平成23年問7E)

労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない旨規定しているが、その趣旨は、当該労働者が当該休暇の請求をすることによりその間の就労義務を免れ、その労務の不提供につき労働契約上債務不履行の責めを負うことのないことを定めたにとどまり、同条は当該休暇が有給であることまでをも保障したものではないとするのが最高裁判所の判例である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

生理休暇は有給である必要はありません。

これは判例からの出題なのですが、「エヌ・ビー・シー工業事件」というものがあります。

会社で、精皆勤手当の制度を導入することになったのですが、従業員が生理休暇を取ったので、会社は精皆勤手当を減額したのです。

その是非について裁判になったのですが、生理休暇を有給にするかは自由である、ということになりました。

つまり、労基法67条では女性の労働者が生理休暇を請求したときは使用者は就業させてはならないことを規定しているのですが、これは単に労働契約上、債務不履行ではない、ということをうたっているだけで、有給にしなさいと言っているわけではないとのことです。

もちろん、会社によって「うちの会社は有給にするよ」と規定することは大丈夫です。

で、生理休暇について規定をする場合、「生理休暇は◯日与える」ということを決めることができるのでしょうか。

下の問題で確認しましょう。

 

生理休暇の日数を定めることができる?

(平成26年問6E)

労働基準法第68条に定めるいわゆる生理日の休暇の日数については、生理期間、その間の苦痛の程度あるいは就労の難易は各人によって異なるものであり、客観的な一般的基準は定められない。したがって、就業規則その他によりその日数を限定することは許されない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、生理日の休暇の日数について、就業規則などでその日数を限定することはできません

これは通達にあるのですが、それによると、

「生理期間、その間の苦痛の程度あるいは就労の難易は各人によって異なるものであり客観的な一般基準は定められない。したがって就業規則その他によりその日数を限定することは許されない」とされている。

ただ、「生理休暇を有給にする」という規定を定めるときに、有給にする日数を定めることは可能ですが、それ以上に休暇が必要な場合は無給だけど認めるよ、と付け加えておく必要があります。

この通達について下にリンクを貼っておきますのでご自由にご参考になさってくださいね。

454ページに記載があります。

 

参考記事:労働基準法関係解釈例規について

 

では最後に、生理休暇を取得するのに医師の診断書が必要なのか、についてチェックすることにしましょう。

 

生理休暇の申請に診断書??

(平成29年問7E)

使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならないが、請求にあたっては医師の診断書が必要とされている。

 

解説

解答:誤

生理休暇の取得に、医師の診断書は必要ではありません。

これも上記の通達にあるのですが、生理休暇を取るのに診断書の提出を義務付けてしまうと、手続きがややこしくなって休暇そのものを取りづらくなって形骸化する可能性があるので、女性の労働者から請求があったら原則認めてあげてね、と言うことが書かれています。

 

今回のポイント

  • ボイラーの取り扱い、重量物を取り扱う業務などについては、
    • 妊婦は禁止
    • 産婦については、従事しないことを申し出た場合は禁止

    となっています。

  • 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはいけませんが、出産は妊娠4ヶ月以上の分娩を指し、流産や死産も含みます。
  • 妊産婦が「請求した場合」、時間外労働や休日労働、深夜業をさせることができません。
  • 生理休暇は有給である必要はありません。
  • 生理日の休暇の日数について、就業規則などでその日数を限定することはできません
  • 生理休暇の取得に、医師の診断書は必要ではありません。

 

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