「社労士試験 安衛法 特定事業に関する必要な措置とは」過去問・安衛-26

今回の安全衛生法の過去問は、事例問題の大問を見ていきたいと思います。

テーマは建設業(特定事業)に関する措置となっています。

安衛法では、事例問題が多く出題されていますが、問題文を読んで自分の持っている知識の引き出しからどうやって引き出すのかが難しいのですが、

これを克服するにはテキストの通読が欠かせません。

問題演習に偏った勉強の仕方だと、自分が取り組んだ問題と別の視点で出題されると対応できないリスクがあります

なので、テキストを読んで体系的に知識を整理することで、応用問題にも反応できるようになりますので、ぜひお試しください。

それでは早速見ていきましょう。

 

問題文「令和元年問8」

次に示す建設工事現場における安全衛生管理に関する記述のうち、誤っているものはどれか
・甲社:本件建設工事の発注者
・乙社:本件建設工事を甲社から請け負って当該建設工事現場で仕事をしている事業者。常時10人の労働者が現場作業に従事している。
・丙社:乙社から工事の一部を請け負って当該建設工事現場で仕事をしているいわゆる一次下請事業者。常時30人の労働者が現場作業に従事している。
・丁社:丙社から工事の一部を請け負って当該建設工事現場で仕事をしているいわゆる二次下請事業者。常時20人の労働者が現場作業に従事している。

 

(A)協議組織の設置と参加義務

乙社は、自社の労働者、丙社及び丁社の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、協議組織を設置しなければならないが、この協議組織には、乙社が直接契約を交わした丙社のみならず、丙社が契約を交わしている丁社も参加させなければならず、丙社及び丁社はこれに参加しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

問題文では、建設業であることが前提になっています。

建設業の元方事業者は「特定元方事業者」と呼ばれますが、特定元方事業者がしなければならない措置が「協議組織の設置と運営」です。

建設業は事故が起こりやすい業種である上に、下請業者や孫請業者などの関係請負人も事業に参加しています。

なので協議組織を設置することで、事故防止のための情報共有や教育を行うわけです。

そんな協議組織ですから、関係請負人もその組織に参加する義務があります。

もし自由参加だったら安全のための教育とかできないですよね。

ちなみに、特定元方事業者の仕事としては、

  • 協議組織の設置及び運営を行うこと
  • 作業間の連絡及び調整を行うこと
  • 作業場所を巡視すること
  • 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと
  • 仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと

などとなっています。

では次は統括安全衛生責任者の役割についての問題になっていますので見てみましょう。

 

(B)統括安全衛生責任者の役割とは

乙社は、特定元方事業者として統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

まず、統括安全衛生責任者は、先ほど出てきた特定元方事業者から選任されるのですが、人数要件があります。

ずい道(トンネル)や橋梁などの建設工事の場合は従事する労働者が常時30人以上それ以外の建設業や造船業の仕事では常時50人以上の場合に選任する必要があります。

問題文の場合、全部で60人いますから統括安全衛生責任者を選任しなければなりませんね。

で、選任された統括安全衛生責任者は、元方安全衛生管理者の指揮をするのが仕事というのも正解です。

その統括安全衛生責任者に指揮される元方安全衛生管理者は、安全または衛生に関する技術的事項を管理する人なのです。

さて、次は安全衛生責任者についての問題です。

安全衛生責任者の選任要件がどうなっているのか、ということが問われています。

 

(C)安全衛生責任者の選任要件とは

丙社及び丁社は、それぞれ安全衛生責任者を選任しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、丙社と丁社は安全衛生責任者を選任する必要があります。

安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者を選任する事業者「以外」の請負人で、自ら仕事をする場合に選任する必要があります。

で、安全衛生責任者を選任した場合は、請負人は統括安全衛生責任者のいる事業者に対して「通報」する必要があります

また、安全衛生責任者の仕事は、統括安全衛生責任者との連絡などを行うことになっています。

なかなか「誤」の問題が出てきませんね。笑

次の問題は、関係請負人が「イケナイ」ことをした場合に、誰が必要な指示をするのか、が論点になっていますので見てみましょう。

 

(D)関係請負人が安衛法に違反しているときに指導するのは誰?

丁社の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法に違反していると認めるときに、その是正のために元方事業者として必要な指示を行う義務は、丙社に課せられている。

 

解説

解答:誤

問題文の場合、元方事業者として必要な指示を出すのは、乙社です。

乙社は特定「元方事業者」なので、関係請負人や関係請負人の労働者が安衛法などの規定に違反しないように必要な指導を行わなければならないほか、違反していると認めるときは、是正のための必要な指示を行う必要があります。

指示を受けた関係請負人や関係請負人の労働者は、もちろんその指示に従わなければなりません。

もう、問8としての正解は出てしまいましたが、せっかくなので最後まで見ていきましょう。笑

最後は「注文者としての責務」についての問題になっています。

丙社や丁社から見れば乙社は「注文者」になるわけですが、注文者としてどのような責任があるのか見ておきましょう。

 

(E)注文者としての責任

乙社が足場を設置し、自社の労働者のほか丙社及び丁社の労働者にも使用させている場合において、例えば、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所に労働安全衛生規則で定める足場用墜落防止設備が設けられていなかった。この場合、乙社、丙社及び丁社は、それぞれ事業者として自社の労働者の労働災害を防止するための措置義務を負うほか、乙社は、丙社及び丁社の労働者の労働災害を防止するため、注文者としての措置義務も負う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

建設業や造船業を指す特定事業の仕事を行う注文者は、設備や原材料を請負人の労働者に使用させるときは、労働災害を防止するために必要な措置を講じる必要がありますので、問題文にある足場用墜落防止設備は乙社に設置義務があります。

 

今回のポイント

  • 建設業の元方事業者は「特定元方事業者」になるのですが、その特定元方事業者がしなければならない措置が「協議組織の設置と運営」です。
  • 統括安全衛生責任者の人数要件は、ずい道(トンネル)や橋梁などの建設工事の場合は従事する労働者が常時30人以上それ以外の建設業や造船業の仕事では常時50人以上となっています。
  • 安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者を選任する事業者「以外」の請負人で、自ら仕事をする場合に選任する必要があります。
  • 元方事業者は、関係請負人や関係請負人の労働者が安衛法などの規定に違反しないように必要な指導を行わなければならないほか、違反していると認めるときは、是正のための必要な指示を行う必要があります。
  • 建設業や造船業を指す特定事業の仕事を行う注文者は、設備や原材料を請負人の労働者に使用させるときは、労働災害を防止するために必要な措置を講じる必要があります。

 

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