過去問

「安衛法 押さえておきたいストレスチェックの要件とは?」過去問・安衛-19

今回は、「心理的な負担の程度を把握するための検査」、いわゆるストレスチェックについての過去問を集めてみました。

「心理的な負担の程度を把握するための検査」、と聞くと、思わず身構えてしまいそうな感じですが、どういう要件になっているのか、一つ一つ押さえていくようにしましょう。

ただでさえ、安衛法は苦手意識を持ってしまいがちですし。苦笑

最初の問題は、ストレスチェックをすることが義務になる要件についての論点になっています。

 

ストレスチェックが義務になる要件とは?

(平成30年問10A)

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。

 

解説

解答:正

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「1年以内ごとに1回、定期に」ストレスチェックをしなければなりません。

ちなみに、常時50人未満の事業場については、当分の間は、努力義務となっています。

次は、ストレスチェックの項目についての過去問を3問見てみましょう。

ストレスチェックの内容として、どのような項目が入っていなければならないのか、という視点になります。

 

ストレスチェックの項目とは?その1(心理的な負担の原因)

(平成30年問10B)

ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の職場における心理的な負担の原因に関する項目を含めなければならない。

 

解説

解答:正

ストレスチェックの項目には、「心理的な負担の原因」に関する項目を含めなければなりません。

ストレスチェックの質問票には、

  • 非常にたくさんの仕事をしなければならない?
  • 時間内に仕事が処理しきれない?

などの項目があります。

もし自分の仕事に「しんどい」と感じているとしたら、どの辺りが辛いと感じるのかを振り返ってみることが必要なんでしょうね。

2つ目の項目は、職場における他の労働者による支援についての論点です。

 

ストレスチェックの項目とは?その2(他の労働者による支援)

(平成30年問10C)

ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者への職場における他の労働者による支援に関する項目を含めなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、ストレスチェックの項目には、「職場における他の労働者による支援」に関する項目を含めなければなりません。

たとえば、質問項目の一つに、「あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?」という質問があり、その頼りになる人の候補に、上司や同僚、家族などの候補が挙げられています。

仕事について悩んでいるときに、相談できる人が近くにいるかどうかのチェックですね。

最後の項目は、心身の自覚症状についての項目となります。

 

ストレスチェックの項目とは?その3(心身の自覚症状)

(平成30年問10D)

ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目を含めなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ストレスチェックの項目には、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」を含める必要があります。

ストレスチェックの質問項目に、「最近 1か月間のあなたの状態についてうかがいます。」というものがあり、

  • 元気がいっぱいだ
  • ひどく疲れた
  • 気がはりつめている

などの項目が並んでいます。

今の自分の心や身体の状態について、あらためて振り返ることで自分を客観視することが大事なのかもしれませんね。

上記3問の質問票は、「厚生労働省の推奨している調査票」ということで厚生労働省のホームページに出ています。

その中の、「厚生労働省の推奨している調査票」にある、「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」から抜粋しています。

リンクを貼っておきますのでご自由にご参考になさってくださいね。

 

参考記事:厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム

 

さて次は、監督的地位にある人がストレスチェックの実施についてどれだけ関われるのか、という内容を論点にした過去問を確認しましょう。

 

監督的地位にある人はストレスチェックの実施業務には携われない?

(平成30年問10E)

ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならないので、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない。

 

解説

解答:誤

「当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない」というところが誤りです。

規定では、

「検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない

というように定められています。

やっぱり自分の昇進などの権限を持っている人が関わっていては、正確なストレスチェックができない可能性がありますし。

たとえば、病院内でストレスチェックをするときに、病院長がスタッフに対してストレスチェックをする、なんてことはできないケースがあるわけですね。

ただ、上記以外の、

  • ストレスチェックを受けていない労働者に対する受検の勧奨
  • 事業場におけるストレスチェックの実施計画の策定  など

労働者の健康情報を取り扱わないものについては、監督的地位にある人が関わっても大丈夫ということになっています。

これは通達に出ていますので、下にリンクを貼っておきますね。

6ページに本問についての記載がありますので、ご興味のある方はご覧になってください。

 

参考記事:基発0501第3号 平成27年5月1日

 

今回のポイント

  • 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「1年以内ごとに1回、定期に」ストレスチェックをしなければなりません。
  • ストレスチェックの項目には、「心理的な負担の原因」に関する項目を含めなければなりません。
  • ストレスチェックの項目には、「職場における他の労働者による支援」に関する項目を含めなければなりません。
  • ストレスチェックの項目には、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」を含める必要があります。
  • 検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはなりませんが、労働者の健康情報を取り扱わないものについては大丈夫です。

 

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