過去問

「社労士試験 労働に関する一般常識 労働契約法 「労働者・使用者・労働契約」の定義を再確認!」過去問・労一-34

労働契約法は、令和2年度の社労士試験では出題されませんでしたが、ほとんど毎年出題されていますので、一通り押さえておきたい法律ですね。

今回は、そんな労働契約法の根幹的な部分にあたる労働者使用者労働契約について扱った過去問を集めてみましたので、見ていきましょう。

最初の過去問は、労働者の定義がテーマになっています。

労働基準法との違いを意識しながら見てみましょう。

 

労働契約法でいうところの「労働者」

(平成24年問1A)

労働契約法における「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいうとされており、これに該当すれば家事使用人についても同法は適用される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働契約法で定義されている「労働者」とは、「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」となっています。

労働基準法では家事使用人は適用除外になっていますが、労働契約法では適用されます。

ただ、同居の親族については労基法と同じく適用除外となっています。

では「使用者」についてはどうでしょう。

次の問題で使用者の定義について確認したいと思います。

 

「使用者」の定義について労働契約法と労基法で違いはある?

(平成29年問1A)

労働契約法第2条第2項の「使用者」とは、「労働者」と相対する労働契約の締結当事者であり、「その使用する労働者に対して賃金を支払う者」をいうが、これは、労働基準法第10条の「使用者」と同義である。

 

解説

解答:誤り

労働契約法で「使用者」はその使用する労働者に対して賃金を支払う者となっていますが、

労働基準法では「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」と規定されており、

使用者についての定義は、労働契約法と労働基準法では違いがありますので誤りです。

労働契約法でいうところの「使用者」は、個人企業の場合は企業主個人を指し、法人であれば法人そのもののことを言います。

労働基準法で使用者というと、法人そのものばかりでなく、社長や取締役なども使用者に入ってきますから、労働契約法とは違うことが分かりますね。

それでは、いよいよ労働者と使用者で交わされる労働契約について見ていきましょう。

下の問題では、まず労働契約がどのように締結されるものなのかが問われていますので確認しますね。

 

労働契約はどのように締結されるべきか

(平成26年問1D)

労働契約法第3条第1項において、「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」と規定されている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ポイントは「対等の立場」ですね。

現実的には、使用者の方が立場的に強いことが多いですから、あえて労働契約法で労使は対等の立場であることを謳っているわけですね。

労働基準法第2条でも「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」と規定されているのと同じですね。

ちなみに、労働契約は、労使が「合意」することで成立し、変更ができるとも規定されています(6条・8条)。

で、労働契約と聞くと、雇用契約書が頭に浮かびますが、労働契約は書面である必要はあるのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

労働契約は書面である必要はあるか

(平成26年問1E)

労働契約法第4条第2項は、労働者及び使用者は、期間の定めのある労働契約に関する事項を含む労働契約の内容について、できる限り書面によって確認するものとする旨、定めている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働契約の内容は、書面である必要はないのですが、労働者にとって大切な労働条件を含みますから、

後で言った言わないのトラブルを避けるために、労働契約の内容については「できるだけ書面により確認」するとなっているのですね。

で、労働条件は使用者が一方的に決めることが多いので、「使用者は労働条件や労働契約の内容については、労働者の理解を深めるようにするものとする」とも規定されています(4条1項)。

ということで、労使で交わした労働契約について、使用者が配慮しなければならないことがあるのですが、最後にこちらの問題で確認しましょう。

 

労働契約に伴って必要とされる配慮

(平成24年問1B)

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これは、いわゆる「安全配慮義務」というもので、労働契約に伴って使用者に課せられている義務です。

ちなみに、安全配慮をするの範囲は、「生命、身体の安全」となっているので、ケガなどの外見だけでなく、精神的なものも含まれます。

 

今回のポイント

  • 労働契約法で定義されている「労働者」とは、「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」となっています。
  • 使用者」については、その使用する労働者に対して賃金を支払う者となっています。
  • 労働契約は、労働者および使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとする、としています。
  • 労働者と使用者は、労働契約の内容については、できる限り書面によって確認するものとする、と規定されています。
  • 使用者には安全配慮義務として、労働契約に伴い労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をするものとされています。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

勉強範囲が広い社労士試験で一番避けたいのは、いわゆる「知識のドーナツ化現象」です。

色々な問題にあたることも大切ですが、基本事項の記憶が薄れてしまわないよう、

繰り返しによる定着が必要ですので意識しておくといいですよ♫

 

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