雇用保険法で基本的な知識の一つとして知っておかなければならないのが、適用事業です。
原則として、労働者を一人でも雇用すると強制適用事業になります。
ただ、ある要件に該当すると、暫定任意適用事業となり、雇用保険への加入が任意となります。
それでは早速見ていきましょう。
暫定任意適用事業の要件とは?
「平成22年問1B」
常時7人の労働者を雇用する農林の事業は、法人である事業主の事業を除き、暫定任意適用事業となる。
解説
解答:誤
問題文の場合は、強制適用事業となります。
根拠となる条文は以下のとおりです。
法附則2条
1 次の各号に掲げる事業(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業及び法人である事業主の事業(事務所に限る。)を除く。)であつて、政令で定めるものは、当分の間、第5条第1項の規定にかかわらず、任意適用事業とする。
一 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
二 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業(船員が雇用される事業を除く。)
つまり、個人経営で、常時5人未満の労働者を雇用する農林・畜産・養蚕・水産業(船員が雇用される事業を除く)です。
問題文は、農林なのですが、常時7人の労働者を雇用しているので、法人でなくても強制適用事業となります。
それでは、もう一問見てみましょう。
水産の事業で暫定任意適用事業になるには?
(平成22年問1C)
船員法第1条に規定する船員を雇用する水産の事業は、常時雇用される労働者の数が15名未満であれば、暫定任意適用事業となる。
解説
解答:誤
先ほどの法附則2条にあてはめると、「常時5人未満」で、「船員が雇用される事業でなければ」暫定任意適用事業となりますが、問題文の場合は、強制適用事業となります。
今回のポイント
雇用保険で暫定任意適用事業となるには、
「個人経営で、常時5人未満の労働者を雇用する農林・畜産・養蚕・水産業(船員が雇用される事業を除く)の場合」です。
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