遺族厚生年金を勉強するときは、遺族基礎年金も見ながら比較してみることをお勧めします。
これは老齢厚生年金や障害厚生年金にも言えることですが、単発で学習を進めるよりも、比較しながら見ていくと混乱せずに理解できますよ。
遺族基礎年金の支給要件については、下記の記事が参考になれば幸いです。
では、遺族厚生年金の支給要件についての過去問をチェックしましょう。
遺族厚生年金の支給要件は?
(平成28年問3エ)
保険料納付要件を満たした厚生年金保険の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により、当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡した場合(に死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される)。(問題文を一部追加しています)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
遺族厚生年金の支給要件は下記のとおりです。
- 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき→要:保険料納付要件
- 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき→要:保険料納付要件
- 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき→不要:保険料納付要件
- 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)または保険料納付済期間と保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき→不要:保険料納付要件
では、次は保険料納付要件について見ていきましょう。
障害厚生年金の受給権者(1級または2級)に保険料納付要件は必要?
(令和元年問3D)
障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、遺族厚生年金の支給要件について、死亡した当該受給権者の保険料納付要件が問われることはない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
前述した、3の「障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき→不要:保険料納付要件」の要件ですね。
ですので、障害厚生年金3級の受給権者の場合は、保険料納付要件が必要となります。
最後に、胎児と遺族の関係についての過去問もチェックしておきましょう。
胎児が出生したときは、、?
(平成27年問7A)
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、厚生年金保険法第59条第1項に規定する遺族厚生年金を受けることができる遺族の範囲の適用については、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなす。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
ポイントは、「将来に向かって」というところで、受給権は出生した時に発生します。
今回のポイント
遺族厚生年金の支給要件
- 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき→要:保険料納付要件
- 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき→要:保険料納付要件
- 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき→不要:保険料納付要件
- 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)または保険料納付済期間と保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき→不要:保険料納付要件
- 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したとき、遺族の範囲の適用については、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなします。
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