保険給付について、本来なら停止しなければならなかったり、減額して支給すべきところを、そのままの金額で支給してしまった場合、本来なら、多く支払った分を回収して仕切り直しをするのが筋なんです。
が、そんなことをしてると事務手続きがややこしくなったりするので、次回支給するものがあるならその分として調整しましょう、という規定があります。
これを内払や充当と言いますが、社労士試験では「みなす」とか「みなすことができる」みたいな言葉の言い回しにも気をつけた方が良さそうです。
それでは、どのように問われているのか見てみましょう。
内払とみなす?みなすことができる?
(平成24年問4A)
年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
イメージとしては、
減額や停止の場合→内払→みなすことができる。
という流れですね。
では、次のケースです。
消滅の場合は、内払とみなす?みなすことができる?
(平成25年問3A)
同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
年金給付の権利が消滅して、別の年金になるわけですが、その場合は、きっぱりと「内払とみなす!」と言い切るのですね。
イメージとしては、
消滅の場合→内払→みなす
という流れになります。
最後に年金給付を受ける方が不幸にして亡くなった場合です。
保険給付を受け取る人が変わると、、、?
(平成25年問1E)
年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときであっても、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金に係る債権の金額に充当することはできない。
解説
解答:誤
保険給付を受け取る人が変わると、内払ではなく、「充当できる」が正解です。
なので、
死亡の場合→過誤払→債務の弁済→充当
となるわけです。
今回のポイント
- 減額や停止の場合→内払→みなすことができる。
- 消滅の場合→内払→みなす
- 死亡の場合→過誤払→債務の弁済→充当
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