「社労士試験 厚生年金法 混同しやすい任意単独被保険者と高齢任意加入被保険者の要件を押さえるには?」過去問・厚-50

厚生年金法に出てくる任意単独被保険者高齢任意加入被保険者は、社労士試験においては論点をすり替えて出題されることがちょこちょこあります。

それぞれの論点が似通っているので、知識があやふやになっていると「あれ?どうだったっけ??」となってしまいやすいですね。

そんなときは、手間をかける必要はないので、簡単に表を作って確認すると整理しやすいですね。

たとえば、「年齢(70歳)」だったり、「事業主の同意」、「保険料負担」などの項目別に分けて確認するといいと思います。

では、最初の問題に入っていきましょう。

1問目は、任意単独被保険者についての問題なのですが、資格を取得するための要件について問われています。

 

任意単独被保険者になるための条件

(令和2年問9C)

適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者であって、任意単独被保険者になることを希望する者は、当該事業所の事業主の同意を得たうえで資格取得に係る認可の申請をしなければならないが、事業主の同意を得られなかった場合でも保険料をその者が全額自己負担するのであれば、申請することができる。

 

解説

解答:誤

任意単独被保険者になりたい場合は、事業主の同意を得られなければなることができません。

70歳未満の場合、適用事業所に使用されているのであれば当然被保険者になるわけですが、

適用事業所以外の事業所に使用されている人が厚生年金の被保険者になるには、任意単独被保険者という選択肢があるわけです。

(適用除外の規定に該当しなければですが。)

しかし、任意単独被保険者になるためには、事業主の同意を得て、厚生労働大臣の認可が必要なわけです。

問題文のように、保険料を全額負担すればいいというわけではありません。

では同じ論点で、違う年に出題されているものがあります。

そちらの問題もこの際、見ておくことにしましょう。

 

任意単独被保険者になるための条件 その2

(平成24年問2A)

適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者が被保険者になるためには、保険料を全額負担し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

解説

解答:誤

任意単独被保険者になるための要件として、厚生労働大臣の認可は必要ですが、保険料の全額負担は要件になっていません

ちなみに、保険料は被保険者と事業主が半分ずつ負担することになっています。

で、保険料の納付は事業主が行うルールになっています。

これは当然被保険者も同じですね。

先ほどから被保険者の保険料全額負担の話が出てきていますが、

これは後述する高年齢任意加入被保険者で出てくる論点になっていますので、

そちらとの知識があやふやになっていると引っかかってしまいそうな問題ですね。

では今度は任意単独被保険者の資格喪失についての要件を確認しておきましょう。

 

任意単独被保険者が資格喪失するときのルール

(平成27年問2A)

任意単独被保険者が厚生労働大臣の認可を受けてその資格を喪失するには、事業主の同意を得た上で、所定の事項を記載した申請書を提出しなければならない。

 

解説

解答:誤

任意単独被保険者資格喪失をするときは、資格取得の時と同じく、厚生労働大臣の認可は必要ですが、事業主の同意は必要ありません

手順としては、事業主に資格喪失を申し出た上で、申請書を自分で日本年金機構に提出することになります。

で、資格喪失の認可があった日に任意単独被保険者の資格を喪失することになります。

さて、次は高齢任意加入被保険者について見ていきましょう。

まずは高齢任意加入被保険者の資格取得日がいつなのかを確認することにします。

 

高齢任意加入被保険者の資格取得日はいつ?

(令和元年問5オ)

適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しないもの(厚生年金保険法第12条各号に該当する者を除く。)が高齢任意加入の申出をした場合は、厚生労働大臣の認可があった日に被保険者の資格を取得する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、「適用事業所以外」の事業所に使用される70歳以上の人が高齢任意加入被保険者資格を取得する日は、厚生労働大臣の「認可があった日」になります。

「適用事業所以外」をカッコにしたのは、適用事業所以外の事業所に使用されている場合は「認可」、

適用事業所に使用されている70歳以上の人が高齢任意加入被保険者になりたい場合は、「申出」が受理された日に資格取得することになり、

表現が違いますので、細かいことですが、意識しておきたいところです。

で、どちらも適用除外の規定に引っかかっていないことが高齢任意加入被保険者になるための条件です。

ちなみに、高齢任意加入被保険者は、70歳以上の人がなる被保険者ですが、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権がないため、70歳以上でも、国民年金の第2号被保険者となることも押さえておきましょう。

では最後に高齢任意加入被保険者の保険料負担がどうなっているのかを次の問題で見ておくことにしましょう。

任意単独被保険者のところで出た、「全額負担」の論点が出てきますよ。

 

高齢任意加入被保険者の保険料の負担はどうなってる?

(平成24年問10A)

適用事業所に使用される70歳以上の高齢任意加入被保険者は、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとする。ただし、その者の事業主が当該保険料の半額を負担し、かつその被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときはこの限りではない。

解説

解答:正

問題文のとおりです。

適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の場合、保険料は基本的に被保険者が全額負担します。

ただ、事業主が「半分出すよ」と言ってくれて保険料の納付までしてくれることに同意してくれたときは、保険料は被保険者と事業主で折半することができます。

ちなみに、折半の規定は第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主については適用されないことになっています。

で、適用事業所以外の事業所に使用されている人の場合は、そもそも高齢任意加入被保険者になるためには事業主の同意が必要で、

同意が得られて高齢任意加入被保険者になれた場合は、はじめから保険料負担は折半という形になり、事業主が保険料を納付します。

 

今回のポイント

  • 任意単独被保険者になるためには、事業主の同意を得て、厚生労働大臣の認可が必要です。
  • 任意単独日保険者の保険料は被保険者と事業主が半分ずつ負担することになっています。
  • 任意単独被保険者資格喪失をするときは、資格取得の時と同じく、厚生労働大臣の認可は必要ですが、事業主の同意は必要ありません
  • 適用事業所以外」の事業所に使用される70歳以上の人が高齢任意加入被保険者資格を取得する日は、厚生労働大臣の「認可があった日」になります。
  • 適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の場合、保険料は基本的に被保険者が全額負担します。

 

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