このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働基準法より「労働契約の終了」について見てみようと思います。
今回は、使用者からの労働契約の終了ということで、解雇制限や解雇の予告についておさらいをしましょう。
「天災事変その他やむを得ない事由」とはどんな時か
(令和2年問5エ)
使用者は、労働者を解雇しようとする場合において、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」には解雇の予告を除外されるが、「天災事変その他やむを得ない事由」には、使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合も含まれる。
解説
解答:誤り
問題文の場合は、「天災事変その他やむを得ない事由」には含まれません。
天災事変というのは、一般的に地震や台風などの災害を指しますが、事業場が火事によって消失した場合もやむを得ない事由に含まれます。
ただし、使用者の「重過失」や「故意」による火災の場合は、「やむを得ない事由」とはなりません。
さて、次は解雇の予告について見てみましょう。
使用者は、労働者を解雇しようとする場合は、少くとも30日前にその予告をしなければならず、
30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないことになっています。
ということで、下の過去問は事例問題になっていますので、解雇の予告が成立するか見てみましょう。
解雇の予告に必要な日数のカウント方法
(平成26年問2E)
平成26年9月30日の終了をもって、何ら手当を支払うことなく労働者を解雇しようとする使用者が同年9月1日に当該労働者にその予告をする場合は、労働基準法第20条第1項に抵触しない。
解説
解答:誤り
問題文の場合、解雇の予告は成立しません。
解雇の予告を行う30日のカウントは、翌日起算となりますので、9月1日に解雇の予告を行なった場合、9月2日を起算日として30日がカウントされます。
となると、解雇の予告に必要な30日に満たないので、解雇の予告は成立しません。
したがって、9月30日の終了をもって解雇する場合は、8月31日に解雇の予告をしなければなりません。
もしくは、どうしても9月1日に解雇の予告をするときは、1日分の解雇予告手当を支払えば大丈夫です。
では、その解雇予告手当がテーマになった過去問がありますので、読んでみましょう。
解雇予告手当と時効
(平成30年問2オ)
労働基準法第20条に定める解雇予告手当は、解雇の意思表示に際して支払わなければ解雇の効力を生じないものと解されており、一般には解雇予告手当については時効の問題は生じないとされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
解雇予告手当というのは、解雇を成立させるために使用者が支払うものとなりますので、
解雇予告手当を支払わなければ、そもそも解雇とならず、労働者との労働契約は継続することになりますから、時効の問題は生じないということです。
別の見方をすると、解雇予告手当は賃金と違って、労働者が使用者に請求して支払ってもらう種類のお金ではないので、労働者の目線から見ても時効は関係ありません。
今回のポイント
- 事業場が火事によって消失した場合も天災事変その他やむを得ない事由に含まれますが、使用者の「重過失」や「故意」による火災の場合は、「やむを得ない事由」とはなりません。
- 解雇の予告を行う際の30日のカウントは、翌日起算となります。
- 解雇予告手当を支払わなければ、解雇は成立せず、労働者との労働契約は継続することになるので、時効の問題は生じません。
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