このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労災保険法から「支給制限」について見てみようと思います。
絶対的支給制限や一時差し止めなどについて確認をしていきますので、過去問を読んでみましょう。
「故意」とくれば、、、
（平成29年問7E）
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
解説
解答：正
問題文のとおりです。
労働者が、「故意」に負傷、疾病、障害もしくは死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、「保険給付を行わない」とされています。
もう「保険給付を行わない」と言い切っているので、「故意」の場合は「ゼロ」ということで絶対的支給制限と呼ばれています。
では次に、もう少しソフトな給付制限について見てみましょう。
これは相対的給付制限というのですが、どのような要件になっているのか、下の過去問で確認しましょう。
相対的支給制限の条件とは
（令和2年問1C）
業務遂行中の負傷であれば、労働者が過失により自らの負傷を生じさせた場合、それが重大な過失でない限り、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
解説
解答：正
問題文のとおりです。
相対的支給制限の場合、「重大な過失」・「故意の犯罪行為」の場合に適用され、保険給付の全部または一部を行わないことができる、となっています。
絶対的支給制限の場合は保険給付を「行わない」でしたが、
相対的支給制限の場合は、全部または一部を行わないことが「できる」という表現になっています。
それでは最後に、行政の出頭命令に従わなかったり、書類の提出などを行わない場合にどうなるのかについて確認しておきましょう。
出頭命令に従わなかったら、、、
（平成24年問4D）
政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、行政の出頭命令に従わないときは、保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。
解説
解答：誤り
出頭命令に従わなかったり、書類の提出をしない場合は、保険給付の返還命令ではなく、保険給付の支払を「一時差し止める」ことができる、ということになっています。
一時差し止めの場合は、差し止めの元となった原因がなくなれば、差し止められた分の保険給付はきちんと支給されます。
今回のポイント
- 労働者が、「故意」に負傷、疾病、障害もしくは死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、「保険給付を行わない」とされています。
- 相対的支給制限の場合、「重大な過失」・「故意の犯罪行為」の場合に適用され、保険給付の全部または一部を行わないことができる、となっています。
- 出頭命令に従わなかったり、書類の提出をしない場合は、保険給付の返還命令ではなく、保険給付の支払を「一時差し止める」ことができる、ということになっています。
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