過去問

「社労士試験 社会保険に関する一般常識 介護保険法でまず押さえるべき論点とは」過去問・社一-37

今回は介護保険法について出題された過去問を見ていこうと思います。

ご存知のように、介護保険法は社会保険の一般常識では出題頻度の高い法律です。

目的条文も含めたカバーが必要ですが、勉強項目が多いので、時間をかけすぎないように注意する必要がありますね。

なので、まずは過去問で出題されている論点を優先的に押さえて、他の項目についてはテキスト読みで対応するのが効率的かと思いますので試してみてくださいね。

それでは、過去問を見ていきましょう。

1問目は、第1号被保険者の定義が論点になっています。

介護保険法における第1号被保険者とはどのような人を指すのでしょうか?

 

第1号被保険者の定義とは

(平成24年問7A)

市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域内に住所を有する65歳以上の者を第1号被保険者という。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

介護保険の被保険者には2種類あり、

  • 第1号被保険者 → 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
  • 第2号被保険者 → 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満医療保険加入者

となっています。

なので、海外に居住をしているため、市町村の区域内に住所がない人は、介護保険の被保険者になることができません。

ちなみに、介護保険の保険者は、市町村および特別区となっています。

では、次に第2号被保険者について見てみましょう。

健康保険法では、会社を退職したら任意継続被保険者になることができますが、介護保険法でも同じような制度があるのでしょうか?

 

第2号被保険者は資格喪失後も継続できる?

(平成29年問7E)

第2号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日以後も、医療保険者に申し出ることにより第2号被保険者の資格を継続することができる。

 

解説

解答:誤り

介護保険法には任意継続の制度がありませんので問題文は誤りです。

通常、失業者でも国民健康保険には加入していますので、失業したからといって第2号被保険者から外れるというわけではありません。

ただ、生活保護を受ける場合などは、介護保険の適用除外となりますが任意継続はできないということですね。

では、いよいよ介護保険の給付を受ける際の手続きに移りましょう。

介護給付を受ける場合は、要介護認定や要支援認定を受ける必要があり、その区分によって受けるサービスも変わってきます。

では、その区分の認定は誰が行うのか、次の問題で確認しましょう。

 

要介護区分について認定を受けるのは

(平成24年問7B)

介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、厚生労働大臣の認定を受けなければならない。

 

解説

解答:誤り

要介護認定・要支援認定市町村に申請を行い、認定を受けますので問題文は誤りです。

要介護認定の申請を受けた市町村は、職員による面接が行われ、心身の状況や環境などを調査することになるのですが、

審査や判定については介護認定審査会が行うことになっています。

では、次の問題で介護認定審査会の共同設置について問われていますので見てみましょう。

 

介護認定審査会の共同設置は可能?

(平成27年問7B)

市町村または特別区は、介護保険法第38条第2項に規定する審査判定業務を行わせるため介護認定審査会を設置するが、市町村または特別区がこれを共同で設置することはできない。

 

解説

解答:誤り

介護認定審査会の共同設置は可能です。

介護認定審査会を共同設置しようとする場合は、都道府県に求めることとなり、要望を受けた都道府県は市町村間の必要な調整を行うことができます。

また、介護認定審査会を共同設置した市町村に対して円滑な運営ができるように援助を都道府県はすることができます。

では最後に、介護施設を開設する場合の許可について確認しましょう。

下の問題では、「介護老人保健施設」を開設する時に、誰の許可を得る必要があるのかが問われていますので見てみましょう。

 

介護老人保健施設を開設する場合、誰の許可が必要?

(平成26年問8C)

介護老人保健施設を開設しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

介護老人保健施設を開設しようとする場合は、都道府県知事の許可を受ける必要がありますが、

ちなみに、地域密着型サービス事業者市町村長の指定が必要です。

 

今回のポイント

  • 介護保険の被保険者には2種類あり、
    • 第1号被保険者 → 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
    • 第2号被保険者 → 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満医療保険加入者

    となっています。

  • 介護保険法には任意継続の制度がありません。
  • 要介護認定・要支援認定市町村に申請を行い、認定を受けます。
  • 介護認定審査会の共同設置は可能で、介護認定審査会を共同設置しようとする場合は、都道府県に求めることとなり、要望を受けた都道府県は市町村間の必要な調整を行うことができます。
  • 介護老人保健施設を開設しようとする場合は、都道府県知事の許可を受ける必要がありますが、地域密着型サービス事業者市町村長の指定が必要です。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

腹八分目は勉強にも有効です。

空腹時の方が、満腹時に比べて脳に使える血液量が多いからです。

食後に勉強をするなら控え目にしておきましょう。

ただ、食事がストレス発散になっている場合は別の対策を見つけることが必要かもですね(^^)

 

各科目の勉強法の記事をまとめました

労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください

リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」

 

科目ごとにまとめて記事を見ることができます!

スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。

もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。

ぜひご活用ください!

関連記事

  1. 「社労士試験 徴収法 滞納にかかる措置」徴収-141

  2. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労災保険法 二次健康診断等給付…

  3. 「労基法 今さら聞けない賃金の基本」過去問・労基-43

  4. 「雇用保険法 通則の中身をまるっと説明します!」過去問・雇-36

  5. 「社労士試験 雇用保険法 つかみどころのない雇用保険二事業の勉強法とは…

  6. 「社労士試験 労働に関する一般常識 労働契約法 労働契約の変更における…

  7. 「健康保険法 標準賞与額の要件のツボはこれ!」過去問・健保-35

  8. 「社労士試験 徴収法 増加概算保険料と追加徴収の押さえ方とは」徴-56…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。