このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労働に関する一般常識から「労働組合法」について、不当労働行為について取り扱った過去問を見てみたいと思います。
不当労働行為というのは、労働組合活動に対する使用者の妨害行為のことを言います。
たとえば、労働組合が使用者に対して団体交渉を申し入れたときに、使用者が正当な理由なく拒否したり、
労働組合の運営に対して不当に支配介入をしたりする行為を指します。
では、下の過去問を読んでみて使用者の不当労働行為にあたるかどうかを確認してみましょう。
使用者の言論が不当労働行為になるかどうかの判断
(平成24年問2E)
労働組合に対する使用者の言論が不当労働行為に該当するかどうかは、言論の内容、発表の手段、方法、発表の時期、発表者の地位、身分、言論発表の与える影響などを総合して判断し、当該言論が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組織、運営に影響を及ぼすような場合は支配介入となるとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働組合に対する使用者の言論が「不当労働行為」にあたるかどうかは、使用者の言論の内容などを総合的に判断して、
使用者の言論が組合員に対して「威嚇的効果」を与えて、組合の運営などに影響を及ぼすような場合は、
「支配介入」となり、不当労働行為にあたるという最高裁判例があります。
これは、労働組合がストライキを予定していたところに、会社側が声明文を出したのですが、
その影響で組合員から脱落者が出たため、ストライキを断念する結果になったことで、
労働組合側が支配介入にあたるとして、最終的に裁判になり、最高裁の判決としては、会社の声明文は支配介入と判断されたのでした。
それでは次に、使用者が経費の援助をすることで不当労働行為にあたるということについて見てみたいと思います。
使用者が労働組合に対して、お金の援助をすることで、しがらみが出来ると労働組合が使用者に対して自由に要求できなくなるため、経費の援助をすることは禁じられています。
ですが、下の過去問の場合はどうでしょう。
不当労働行為にあたるでしょうか。
事務所の供与は使用者の支配介入(経費援助)にあたる?
(令和2年問4A)
労働組合が、使用者から最小限の広さの事務所の供与を受けていても、労働組合法上の労働組合の要件に該当するとともに、使用者の支配介入として禁止される行為には該当しない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働組合が使用者から、最小限の広さの事務所の供与を受けたとしても、使用者の支配介入にとして禁止されている経費の援助にはあたりません。
ポイントは、「最小限の広さ」というところでしょうね。
今回のポイント
- 労働組合に対する使用者の言論が「不当労働行為」にあたるかどうかは、使用者の言論の内容などを総合的に判断して、使用者の言論が組合員に対して「威嚇的効果」を与えて、組合の運営などに影響を及ぼすような場合は、「支配介入」となり、不当労働行為にあたるという最高裁判例があります。
- 労働組合が使用者から、最小限の広さの事務所の供与を受けたとしても、使用者の支配介入にとして禁止されている経費の援助にはあたりません。
社労士プチ勉強法
「勉強に対する日々の振り返りをすることで軌道修正ができます」
日々忙しい中で時間をやりくりしていると、予定通りに学習が進まなかったり、学習の成果が出ていないと思ったりすることはないですか?
私が社労士試験の受験勉強をしているときは、テキストを開くことが目的になってしまったり、解く問題数だけにこだわったりしていて、どのように勉強をすれば実力がつくのか、という視点が足りていなかったことがありました。
何のために勉強をしているのか、という大きな目的を忘れていたんですね。
そのような事態を打開すべく取り入れたのは、「振り返り」です。
1日の終わりに、今日やったことと感想を書くようにし、もし改善点が見つかった場合は、それも書くようにして次の日から試すようにしていました。
たとえば、テキスト読みについて、「ただ字を追っているだけだったので、過去問に出てきた論点を探すつもりで精度を上げて読むようにしよう」といった具合です。
今から思うと、勉強の成果について改善を行い、軌道修正を行うことは、社労士試験合格に大事な要素だったように思います。
もし、少しでも参考になったよという場合は、お試しいただけましたら幸いです。
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