「雇用保険法 受給期間の取扱マニュアル」過去問・雇-28

〜「雇用保険法 受給期間の取扱マニュアル」雇-28〜

基本手当の受給期間は、一般被保険者の場合、原則として離職の日の翌日から1年間」です。

まず、「受給期間」は「所定給付日数」と混同しやすいので違いを確認しておきましょう。

「所定給付日数」は基本手当を何日分もらえるか、ということで、これは雇用保険の被保険者の期間がどれだけあったか、などの要件で変わってきます。

たとえば、基本手当の日額が5000円で所定給付日数が90日だったとしたら、最大45万円の基本手当が支給される可能性があるということですね。

対して、「受給期間」は基本手当をもらえる期限を指しています。

受給期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても基本手当を受給することはできません。

なので、離職をしたらできるだけ早くハローワークに求職の申込をした方が安心ということになりますね。

ですが、病気やけが、妊娠、出産、育児などの事情によっては就職活動をすることがままならない時がありますので、そのときには、受給期間を延長することができます。

また、定年や、受給期間内にめでたく就職ができたものの再び離職した時の取扱など、受給期間の論点については色々あり、社労士試験でもよく出題されています。

では、早速過去問を見ていくことにしましょう。

 

就職困難者の受給期間は「1年➕◯日」?

(平成28年問4C)

雇用保険法第22条第2項第1号に定める45歳以上65歳未満である就職が困難な者(算定基礎期間が1年未満の者は除く。)の受給期間は、同法第20条第1項第1号に定める基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ここの論点で混乱しやすいのが、問題文にある「就職困難者」と、「特定受給資格者」です。

箇条書きにしてみたので確認しておくようにしましょう。

就職困難者の場合、

  • 45歳以上65歳未満」で
  • 「算定基礎期間が1年以上」の
  • 所定給付日数が「360日以上」ある場合、
  • 受給期間は、基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間

となります。

一方、特定受給資格者は、

  • 45歳以上60歳未満
  • 算定基礎期間が20年以上
  • 所定給付日数が330日
  • 受給期間は、基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となります。

一番混同しやすいのは年齢の部分ですね。

就職困難者の方が、「65歳未満まで」と、救済する範囲が広いとイメージしておくと良いですね。

次は、受給期間中に再就職して再離職してしまった場合の取扱です。

下の過去問の場合は、再離職したときに新たに受給資格を得ています。

そのようなとき、前の受給資格はどうなるのでしょう。

 

「受給期間中→再就職→再離職→受給資格ゲット」の場合の扱いは?

(平成28年問4A)

受給資格者が、受給期間内に再就職して再び離職した場合に、当該再離職によって新たな受給資格を取得したときは、前の受給資格に係る受給期間内であれば、前の受給資格に基づく基本手当の残日数分を受給することができる。

 

解説

解答:正

再離職によって新たな受給資格を取得したときは、前の受給資格の基本手当を受給することができません。

これは、基本手当の受給資格に限らず、高年齢受給資格や特例受給資格を取得した時も同様です。

ひょっとしたら新しい受給資格よりも、前の受給資格の方が所定給付日数が長かったなんてケースもあるかもしれませんので、再離職の場合は注意が要りますね。笑

さて、次のテーマは「定年」です。

通常、定年になって退職した場合、受給期間は、既定の1年に加えてさらに1年間延長することができます。

これは、骨休みの意味で、「慌てて再就職せず、少しゆっくりしてもらってもいいですよ」と言った意味合いがあります。

ただ、下の過去問は少し事情が違うようですので、見ていくことにしましょう。

 

定年後の再雇用で気をつけたいこと

(平成28年問4E)

60歳以上の定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職したときでも、理由の如何を問わず受給期間の延長が認められる。

 

解説

解答:誤

再雇用の期限の到来の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、受給期間の延長は認められません。

この定年退職者についての受給期間の延長は、「定年」という期限が来た場合に適用されるものです。

これは、再雇用の契約期限まで働いて退職になった場合は、受給期間の延長ができますが、途中で退職したということは、自分の意思で退職したことになるので、その場合は受給期間を延長することはできないんですね。

ちなみに、これは「雇用保険に関する業務取扱要領」からの出題ですので、リンクを貼っておきますね。

興味のある方はご覧ください。

 

参考記事:取扱要領50281 P53

 

最後の過去問の論点は「出産と受給期間の延長」です。

冒頭にも述べたとおり、出産や育児などの理由で受給期間を延長することができるのですが、下にある過去問は、自分が出産したわけではないのです。

さて、そのような時も受給期間の延長は認められるのでしょうか。

 

配偶者の出産でも受給期間の延長は大丈夫?

(平成28年問4B)

配偶者の出産のため引き続き30日以上職業に就くことができない者が公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算した期間、受給期間が延長される。

 

解説

解答:誤

「配偶者の出産」の場合に、受給期間は延長されるとの規定はありません。

原則は、あくまでも、自分自身が「妊娠、出産、育児」をする場合に引き続き30日以上職業に就くことができない人が、受給期間の延長をすることができます。

ただ、個人的な感想を言わせてもらえば、この少子高齢化のご時世、夫の育児休業の取得率アップに力が入っていますので、失業者にもあたたかい支援があったら嬉しいですね。

 

今回のポイント

  • 基本手当の受給期間は、一般被保険者の場合、原則として離職の日の翌日から「1年間」です。
  • 就職困難者の受給期間の延長は、
    • 45歳以上65歳未満」で
    • 「算定基礎期間が1年以上」の
    • 所定給付日数が「360日以上」ある場合、
    • 基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間

     

  • 特定受給資格者の受給期間の延長は、
    • 45歳以上60歳未満
    • 算定基礎期間が20年以上
    • 所定給付日数が330日
    • 基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間

 

  • 再離職によって新たな受給資格を取得したときは、前の受給資格の基本手当を受給することができません。
  • 再雇用の期限の到来の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、定年退職者にかかる受給期間の延長は認められません。
  • 「配偶者の出産」の場合は、受給期間は延長されません。

 

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