労働時間の基本は、1日8時間、1週間40時間です。
なので、時間外労働が発生した場合は、割増賃金は使用者へのペナルティと解釈することができます。
そうしたペナルティを使用者に課すことで、時間外労働を減らそうね、ということですね。
さて、その割増賃金ですが、その根拠となる労働時間や計算の仕方などが社労士試験で出題されます。
では、割増賃金についてどのように出題されているのか、過去問をチェックしましょう。
帳尻が合っちゃった??
(令和元年問2C)
1か月単位の変形労働時間制により所定労働時間が、1日6時間とされていた日の労働時間を当日の業務の都合により8時間まで延長したが、その同一週内の1日10時間とされていた日の労働を8時間に短縮した。この場合、1日6時間とされていた日に延長した2時間の労働は時間外労働にはならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
割増賃金は、1日の労働時間が8時間を超えると割増賃金が発生します。
なので、問題文の場合は、6→8時間になっただけなので大丈夫です。
次に、
週40時間を超えると割増賃金が発生します
が、問題文では10→8時間に短縮しているので、結果的に帳尻が合った形になりますので時間外労働にはなりません。
次の過去問は休日労働についての問題です。
休日労働の場合は時間外労働分もカウントされる?
(平成29年問1E)
休日労働が、8時間を超え、深夜業に該当しない場合の割増賃金は、休日労働と時間外労働の割増率を合算しなければならない。
解説
解答:誤
休日の場合、深夜業にならない場合は、時間外労働分の割増は不要です。
なので、休日の労働が8時間を超えても、休日分の3割5分増しだけのカウントになります。
最後の問題は、割増賃金を計算するときの賃金の根拠についてです。
通勤手当も割増賃金の計算に入る??
(平成26年問3エ)
通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は、割増賃金の計算には算入されません。
イメージですが、福利厚生的に支払われている賃金については割増賃金の計算には入らない、ということですね。
使用者にとっては割増賃金の額を抑えることができるのでいいですね。
今回のポイント
- 割増賃金は、1日の労働時間が8時間を超えたとき、週40時間を超えたときに発生します。
- 休日の場合、深夜業にならない場合は、時間外労働分の割増は不要です。
- 家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は、割増賃金の計算には算入されません。
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