過去問

「社労士試験 健康保険法 被保険者資格の得喪確認や届出について整理できていますか?」過去問・健保-57

被保険者資格の取得や喪失についての届出などの要件は、「立場」によっていろいろと変わってきます。

立場というのは、一般被保険者や事業主、任意継続被保険者などのことで、それぞれに要件が規定されているので、

分けて整理しておくことが大切になってきます。

特に、一般被保険者と任意継続被保険者の違いを見ておくといいですね。

それでは問題に入っていくことにしましょう。

1問目は、「通知」に関する論点です。

たとえば、被保険者の資格確認について決定があったときにどのような流れで「通知」されていくのか見ていきましょう。

 

通知に関する規定

(平成23年問5C)

保険者等は、被保険者資格の確認又は標準報酬の決定若しくは改定を行ったときは、その旨を当該事業主に通知しなければならない。また、通知を受けた事業主は、速やかに、被保険者又は被保険者であった者に通知しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者に関する資格の確認標準報酬の決定や改定をしたときは、

  1. 保険者はその旨を事業主に通知
  2. 事業主は「速やかに」被保険者や被保険者だった者に通知

することになっています。

保険者から事業主へ通知するのは当然として、

ポイントは事業主も被保険者へ「速やかに」通知しなければならないことですね。

次に、被保険者資格の取得や喪失とまではいかないまでも、たとえば被保険者の住所が変わったときはどのような手続きになるのでしょうか。

下の問題で確認してみましょう。

 

被保険者が住所を変更した時の手続き方法とは

(平成28年問2E)

一般の被保険者は、その住所を変更したときは、速やかに、変更後の住所を事業主に申し出るとともに、被保険者証を事業主に提出しなければならない。事業主は、その申出を受けたときは、遅滞なく、変更後の住所を被保険者証を添えて厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない。

 

解説

解答:誤り

被保険者の住所変更の手続きは、被保険者証を事業主に提出する必要はありません

住所変更があったときは、①事業主へ報告、②事業主から厚生労働大臣または健康保険組合に届書を提出することになります。

ただ、厚生労働大臣への届書の提出については、厚生労働大臣がその被保険者についての機構保存本人確認情報の提供を受けることができるときは提出の必要はありません。

さて、今度は「介護保険」にまつわる過去問を見てみましょう。

被保険者や被扶養者が40歳なると介護保険料を払うことになるのですが、その際の手続きはどうなっているのでしょう。

下の過去問を読んでいきますね。

 

介護保険の第2号被保険者になったときはどうする?

(平成29年問2A)

被保険者は、被保険者又はその被扶養者が40歳に達したことにより介護保険第2号被保険者に該当するに至ったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を事業主を経由して日本年金機構又は健康保険組合に届け出なければならない。

 

解説

解答:誤り

40歳になったことで介護保険の第2号被保険者になっても、届出は必要ありません。

原則としては、介護保険の第2号被保険者になったときは厚生労働大臣または健康保険組合に届け出る必要があるのですが、

40歳になったという理由で届け出る必要はありません。

年齢に関する情報は保険者の方でちゃんと管理しているからですね。

で、次は「任意適用事業所」と「被保険者資格」について見てみましょう。

下の問題では、任意適用事業所の適用を取り消したのですが、被保険者資格に対する影響はどうなのでしょう。

 

任意適用事業所と被保険者資格の確認

(平成26年問7B)

任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、被保険者資格の喪失についての確認は行われず、

任意適用事業所の取消しの認可があった翌日に、被保険者の資格喪失が行われます。

原則として、被保険者資格の取得や喪失は、厚生労働大臣や健康保険組合といった保険者の確認によって効力が生じます

ただ、任意適用事業所の取消しの認可があったことで、事業所がなくなってしまうということは、被保険者もいなくなってしまうことになるので、

わざわざ「確認」という手続きをする必要はないということですね。

ちなみに、任意継続被保険者や特例退職被保険者についても、被保険者資格の取得や喪失について確認が行われません。

では最後に、任意継続被保険者について取り扱った過去問を見ておきましょう。

下の問題では、任意継続被保険者の妻が被扶養者になった時の手続きが論点になっています。

 

任意継続被保険者が被扶養者の届出をするときのルール

(平成30年問4C)

全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者の妻が被扶養者となった場合は、5日以内に、被保険者は所定の事項を記入した被扶養者届を、事業主を経由して全国健康保険協会に提出しなければならない。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、事業主を経由するのではなく、自分で直接、全国健康保険協会に手続きします。

任意継続被保険者は、会社を辞めた後も引き続き被保険者になっている人ですので、辞めた会社を経由して手続きをしてもらうのも変ですね。

なので、任意継続被保険者の場合は、被保険者資格の取得の申出はもちろん、保険料の納付も自分ですることになります。

 

今回のポイント

  • 被保険者に関する資格の確認標準報酬の決定や改定をしたときは、
    1. 保険者はその旨を事業主に通知
    2. 事業主は「速やかに」被保険者や被保険者だった者に通知

    することになっています。

  • 被保険者の住所変更の手続きは、被保険者証を事業主に提出する必要はありません
  • 40歳になったことで介護保険の第2号被保険者になっても、届出は必要ありません。
  • 任意適用事業所の取消しの認可があった翌日に、被保険者の資格喪失が行われますので、そのことによる被保険者の資格喪失についての確認はありません
  • 任意継続被保険者の被扶養者に関する届出は、自分で保険者に対して行います。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

勉強が煮詰まってきたら、勉強の種類を変えてみましょう

暗記ものからテキスト読みに切り替えたり、科目を変えるのもアリです。

私たちの脳はとにかく飽きっぽいので、脳を退屈させない工夫が必要です😉

 

各科目の勉強法の記事をまとめました

労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください

リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」

 

科目ごとにまとめて記事を見ることができます!

スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。

もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。

ぜひご活用ください!

関連記事

  1. 「社労士試験 労基法 休憩・休日」労基-167

  2. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労働に関する一般常識 労働契約…

  3. 「社労士試験 健康保険法 時効」健保-141

  4. 「社労士試験 雇用保険法 賃金日額・基本手当の日額」雇-138

  5. 「雇用保険法 再就職手当(就職促進給付)の理解に役立つ過去問5選」過去…

  6. 「社労士試験 厚生年金法 目的条文・管掌・権限の委任について再確認!」…

  7. 「社労士試験 雇用保険法 適用事業」雇-146

  8. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 国民年金法 老齢基礎年金の支給…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。