このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労災保険法から「特別加入」について見てみたいと思います。
特別加入というのは、一般の労働者だけでなく、中小事業主や個人事業主なども所定の要件に該当すれば労災保険に加入できる仕組みのことです。
では、どのような場合に特別加入が認められるのか、過去問を通して見ていきましょう。
中小事業主の特別加入の趣旨とは
(平成29年問7C)
最高裁判所の判例においては、労災保険法第34条第1項が定める中小事業主の特別加入の制度は、
労働者に関し成立している労災保険の保険関係を前提として、
当該保険関係上、中小事業主又はその代表者を労働者とみなすことにより、
当該中小事業主又はその代表者に対する法の適用を可能とする制度である旨解説している。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
問題文は、中小事業主の特別加入制度の趣旨について書かれていますが、
中小事業主も、一般の労働者と同じ仕事をしていてケガなどをすることがありますので、その場合は中小事業主を労働者とみなすことによって労災保険を適用するということになっています。
ただ、中小事業主の特別加入を行うには、
労災保険の保険関係が成立していて、
労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託しており、
中小事業主と労働者が包括して労災保険に加入することが条件になっています。
では次に一人親方の特別加入について見てみたいと思います。
一口に一人親方と言っても大工さんや個人タクシーの運転手などいろいろな職業がありますが、
下の過去問では農業の特定従事者についての特別加入がテーマになっていますので読んでみましょう。
農業にかかる特定作業従事者の特別加入
(平成24年問5A)
年間農業生産物総販売額300万円であって経営耕地面積1ヘクタールの農業の事業場における土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽培若しくは採取の作業で、
動力により駆動される機械を使用するものに従事する者は、労災保険の特別加入の対象となる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
農業にかかる特定作業従事者が特別加入するには、
- 年間農業生産物総販売額300万円以上 または
- 経営耕地面積2ヘクタール以上の規模
であることが要件になっています。
その上で、「動力により駆動される機械を使用する作業」や「高さが2メートル以上の箇所における作業」に従事している場合に特別加入をすることができます。
では最後に、海外派遣者の特別加入について見てみましょう。
文字どおり海外で働く人が労災保険に入れるようにするものですが、海外で働いていれば誰でもオーケーというわけではないようです。
どのような条件になっているのか、下の問題で確認しましょう。
海外派遣者の特別加入制度の対象者
(平成26年問2ウ)
日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。
解説
解答:誤り
海外派遣者の特別加入は、その名のとおり、日本から海外に派遣された労働者が対象となるので、海外で直接採用された人は特別加入の対象外となっています。
ちなみに、海外派遣者の特別加入は労働者だけでなく、中小事業主の要件をクリアしていて特定事業に該当していれば、派遣先の代表者として派遣する場合でも特別加入が可能です。
今回のポイント
- 中小事業主の特別加入を行う場合は、労災保険の保険関係が成立していて、労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託しており、中小事業主と労働者が包括して労災保険に加入することが条件になっています。
- 農業にかかる特定作業従事者が特別加入するには、
- 年間農業生産物総販売額300万円以上 または
- 経営耕地面積2ヘクタール以上の規模
であることが要件になっています。
- 海外派遣者の特別加入は、日本から海外に派遣された労働者が対象となるので、海外で直接採用された人は特別加入の対象外となっています。
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