このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、雇用保険法から給付に関する「通則」について見てみたいと思います。
これは個々の給付全体に通じる規定となっているのですが、中には適用されないものもあるようです。
通則がどのような内容になっているのか、過去問を通して見てみましょう。
基本手当を受ける権利を誰かにあげることができる?
(平成29年問1B)
基本手当の受給資格者は、基本手当を受ける権利を契約により譲り渡すことができる。
解説
解答:誤り
基本手当を受ける権利は、譲り渡すことはできません。
雇用保険法では、失業等給付を受ける権利は、譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえることができないと定められています。
基本手当は、失業等給付の中の求職者給付に属しているので、上記の規定が適用されます。
では、失業等給付の支給を受けた場合、税金はかかるのでしょうか。
下の過去問で確認しましょう。
失業等給付に税金が??
(平成28年問7ア)
租税その他の公課は、常用就職支度手当として支給された金銭を標準として課することができる。
解説
解答:誤り
常用就職支度手当として支給された金銭に対して税金を課することはできません。
こちらも雇用保険法では、
「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない」
と規定しています。
常用就職支度手当は、失業等給付の就職促進給付に属しているので、税金を課することができません。
ちなみに、雇用保険二事業である助成金などに対しては、失業等給付ではないので、税金がかかることになります。
また、譲渡や担保、差し押さえについても規定が適用されません。
では最後に、「未支給の失業等給付の支給」を受けるときの手続きについて見ておきましょう。
未支給の失業等給付とは、本来、失業等給付を受けることができる人が不幸にも亡くなった場合に、所定の遺族が請求して受け取ることができる制度です。
その手続きがどのようになっているのか、下の過去問を読んでみましょう。
未支給の支給を受ける場合の手続き
(令和3年問2B)
失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、未支給の失業等給付の支給を受けるべき順位にあるその者の遺族は、死亡した者の名でその未支給の失業等給付の支給を請求することができる。
解説
解答:誤り
未支給の失業等給付の請求は、死亡した者の名ではなく、「自己の名」で行います。
未支給の失業等給付の支給を請求できるのは、亡くなった方の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものです。
配偶者には、婚姻の届出をしていないけど、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も含まれます。
ちなみに、未支給の失業等給付の支給を請求できる同じ順位の人が複数人いる場合(たとえば配偶者がいなくて子が2人以上いるケース)、
1人がした請求は、全員のためにその全額についてしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされます。
別々での請求や支給は受け付けませんよ、ということですね。
今回のポイント
- 雇用保険法では、失業等給付を受ける権利は、譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえることができないと定められています。
- 租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない、と規定されています。
- 未支給の失業等給付の請求は、「自己の名」で行い、請求できるのは、亡くなった方の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの、となっています。
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