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【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労災保険法 遺族(補償)年金」過去問・労災-86

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今日は、労災保険法の「遺族(補償)年金」について見てみようと思います。

遺族(補償)年金で少しややこしいのは、受給権者の範囲ですね。

生計維持要件の定義の仕方などいろいろな形で社労士試験では出題されていますので、まずは気軽に読んでみましょう。

 

障害補償年金を受給していて亡くなっても遺族補償年金はもらえる?

(平成28年問6ア)

傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合には、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた妻は、遺族補償年金を受けることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

傷病補償年金を受けている傷病が原因で労働者が不幸にも亡くなった場合、遺族補償年金も支給されます。

受給権者は違いますが、傷病補償年金から遺族補償年金へ移行するイメージです。

で、遺族(補償)年金の受給権者になるための要件として、「生計維持要件」がありますが、

この要件について問われている過去問がありますので読んでみましょう。

 

生計維持要件の定義

 

(平成28年問6イ)

労働者が業務災害により死亡した場合、当該労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻は、一般に「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた」ものにあたらないので、遺族補償年金を受けることはできない。

 

解説

解答:誤り

遺族補償年金を受給するために必要な生計維持要件は、

「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していたもの」

ですが、労働者だけの収入で生計を維持している必要はなく、共働きの状態で生活費を分担していても大丈夫です。

なので、問題文のケースでは、妻は生計維持要件を満たしていると考えられるので、遺族補償年金を受けることができます。

では次に、遺族(補償)年金の受給権が失権してしまう事由を見てみましょう。

遺族(補償)年金の受給権をなくしてしまうケースとしては、受給権者が死亡してしまったり、婚姻したりした場合がありますが、

他にも遺族(補償)年金の受給権が失権する事由がありますので見てみましょう。

 

遺族補償年金を受給権が消滅するケース

(平成28年問6ウ)

遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

遺族補償年金の受給権は、「直系血族または直系姻族以外の者の養子」になった場合も消滅します。

直系血族というのは父母や祖父母など、家系図の縦のラインにいる親族を指し、直系姻族は、配偶者の直系血族などのことを指します。

なので、問題文のように、伯父は直系血族でも直系姻族でもないので、伯父の養子になった場合は遺族補償年金の受給権が消滅します。

さて、もし遺族(補償)年金を受け取れる遺族がいなかった場合はどうなるのでしょう。

その場合は、遺族(補償)一時金の支給が検討されることになるのですが、

遺族(補償)一時金の場合は、生計維持関係のない遺族も受給権者になる可能性があります。

そのことを頭の隅に置いておいて次の問題を読んでみましょう。

 

遺族補償一時金を受け取れるのはだれ?

(平成25年問1イ)

労働者が業務災害により死亡した場合、その祖父母は、当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

遺族(補償)一時金の受給権者は、

  • 配偶者(生計維持要件なくても可)
  • 労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
  • 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹

となっています。

なので、問題文のように、生計維持要件のない祖父母も遺族補償一時金の受給権者になる可能性があるということですね。

 

今回のポイント

  • 傷病補償年金を受けている傷病が原因で労働者が亡くなってしまった場合、遺族補償年金も支給されます。
  • 遺族補償年金を受給するために必要な生計維持要件は、「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していたもの」ですが、労働者だけの収入で生計を維持している必要はなく、共働きの状態で生活費を分担していても大丈夫です。
  • 遺族補償年金の受給権は、死亡したり、婚姻した場合や直系血族または直系姻族以外の者の養子になったときも消滅します。
  • 遺族(補償)一時金の受給権者は、
    • 配偶者(生計維持要件なくても可)
    • 労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
    • 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹

    となっています。

 

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