労働基準法のいわゆる雑則といわれるものや、書類の保存期間、時効についての規定は、社労士試験でよく出題されています。
特に、書類の保存期間や時効については、他の法律とゴッチャになりやすいので横断的に整理しておくといいですね。
保存期間や時効などはそれぞれ意味があって長さを規定しているんでしょうけど、統一しておいてもらえると、勉強する側としては助かるんですけどねぇ。
それではまず、周知についての問題から確認していきましょう。
就業規則の周知の方法は?
(令和元年問7B)
使用者は、就業規則を、(1)常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、(2)書面を交付すること、(3)磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することのいずれかの方法により、労働者に周知させなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
箇条書きで整理しますね。
就業規則は、
- 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
- 書面を交付すること
- 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する
以上のいずれかの方法で労働者に周知させなければなりません。
ちなみにこれは、労働基準法やそれに基づく命令の要旨、労使協定、労使委員会の決議についても同様です。
では、次は書類の保存期間に関する規定です。
書類の保存期間は何年?
(平成22年問1E)
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法上の労働関係に関する書類の保存期間は3年です。
令和2年4月1日の法改正により、賃金台帳などの記録の保存期間を5年に延長しつつ、当分の間は その期間が3年になっています。
では時効についての過去問を見てみましょう。
賃金の請求に関する事項は何年?
(平成22年問3C)
労働基準法の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権は3年間、同法の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。(法改正により問題文を一部補正しています)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
令和2年4月1日の法改正により賃金請求権の消滅時効期間を5年(これまでは2年)に延長しつつ、 当分の間はその期間が3年となります。
ちなみに、付加金の請求権も法改正が行われ、請求できる期間を5年(これまでは2年)に延長しつつ、当分の間はその期間が3年となりました。
また、災害補償などの請求権は2年となっています。
退職手当のみ時効が5年というイメージですね。
時効については、徴収法の記事もありますので、一緒に確認してみてくださいね。
今回のポイント
- 就業規則、労働基準法やそれに基づく命令の要旨、労使協定、労使委員会の決議について
- 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
- 書面を交付すること
- 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する
以上のいずれかの方法で労働者に周知させなければなりません。
- 労働基準法上の労働関係に関する書類の保存期間は3年です。
- 時効について、賃金の請求権は2年間、退職手当の請求権は5年となっており、災害補償などの請求権は2年となっています。
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