「社労士試験 健康保険法 出産育児一時金・出産手当金をこの機会に攻略しましょう」過去問・健保-73

今回は、出産育児一時金出産手当金に関する過去問を集めてみました。

論点はそれほど深くはないのですが、整理して理解しないと初見の問題に対応できない可能性がありますので、

この記事を機会に復習いただければ嬉しく思います。

それでは過去問を見ていきたいと思います。

最初の問題は、出産育児一時金の支給要件です。

業務災害とも絡んでいますので、ややこしいかもしれませんが一つ一つ確認しましょう。

 

出産育児一時金はどのタイミングから支給される?

(平成26年問2D)

妊娠4か月を過ぎてから業務上の事故により流産し、労災保険法の療養補償給付を受けた場合、健康保険から出産育児一時金の支給は行われない。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、出産育児一時金の支給が行われますので誤りです。

まず、出産育児一時金は、「 妊娠4月以上の出産」の場合に支給されますので、

問題文のケースではOKですね。

次に、業務災害を受けてたら健康保険の適用を受けないんじゃないの?と思ってしまいますが、

通達によると、分娩による事故が業務上のもので療養補償給付や休業補償給付などが支給されていても、健康保険法に規定される保険事故として出産育児一時金を支給するとのことです。

こちらの通達については、リンクを貼っておきますので、ご自由にご参考になさってくださいね。

 

参考記事:分娩費等の支給に関する件 昭和二四年三月二六日 保文発第五二三号

 

それでは、出産育児一時金の額について見てみましょう。

出産育児一時金の額は一律ではなく、いくつか条件がありますのでどういったものだったか確認しますね。

 

出産育児一時金の額

(平成27年問6A)

出産育児一時金の額は、公益財団法人日本医療機能評価機構が運営する産科医療補償制度に加入する医療機関等の医学的管理下における在胎週数22週に達した日以後の出産(死産を含む。)であると保険者が認めたときには42万円、それ以外のときには40万4千円である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

出産育児一時金支給額40万4千円がベースで、

在胎週数22週に達した日以後に、産科医療補償制度加入医療機関等で出産した場合には、1万6千円が加算されて42万円となります。

規定上の加算額は、「3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額」ということになっています。

さて、次は出産手当金について見ていきましょう。

まず、出産手当金の額がどのように規定されているのかが、次の問題で問われていますので見てみますね。

 

出産手当金の額は?

(平成28年問9イ)

出産手当金の額は、1日につき、出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とする。ただし、その期間が12か月に満たない場合は、出産手当金の支給を始める日の属する月の標準報酬月額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とする。

 

解説

解答:誤り

出産手当金は、原則として、

「出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額」

ですが、

同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が12月に満たない場合は、

  • 「出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2」

か、

  • 「出産手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1に相当する額の3分の2」

を比べて少ない方の額が採用されますので問題文は誤りです。

支給額の計算方法は、傷病手当金と同じですね。

では、出産手当金がもらえる場合に、報酬も受け取る場合の取り扱いについて見てみましょう。

 

出産手当金と賃金の関係

(平成23年問3C)

出産手当金について、出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

出産した時に、報酬を受け取ることができる場合は、原則として出産手当金は支給されませんが、

報酬の額が出産手当金より少ない場合は、差額の出産手当金が支給されます。

では出産手当金と賃金(報酬)の関係についてもう1問見てみましょう。

 

出産手当金と賃金の関係 その2

(令和2年問10E)

被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において、通常の労務に服している期間があった場合は、その間に支給される賃金額が出産手当金の額に満たない場合に限り、その差額が出産手当金として支給される。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、「通常の労務に服している期間」があるので出産手当金は支給されないため、問題文は誤りです。

出産手当金の支給要件を確認してみましょう。

「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する」

となっています。

出産手当金は「労務に服さなかった期間」について支給されるので、逆にいうと、労務に服している期間は出産手当金の対象外となるわけです。

ちなみに、前問では、労務に服したとは記載しておらず、単に報酬を受け取ったとありますから、労務に服した報酬ではなく、就業規則等で規定されている何らかの報酬である可能性があります。

ですので、労務に服したのかどうかを判別し、労務に服した場合は出産手当金の支給はなく、

労務に服さないで報酬があった場合は差額支給がなされる可能性があるということですね。

 

今回のポイント

  • 出産育児一時金は、「 妊娠4月以上の出産」の場合に支給され、分娩による事故が業務上のもので療養補償給付や休業補償給付などが支給されていても、健康保険法に規定される保険事故として出産育児一時金を支給されます。
  • 出産育児一時金支給額40万4千円がベースにあり、在胎週数22週に達した日以後に、産科医療補償制度加入医療機関等で出産した場合には、1万6千円が加算されて42万円となります。
  • 出産手当金は、原則として、「出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額」です。
  • 出産した時に、報酬を受け取ることができる場合は、原則として出産手当金は支給されませんが、報酬の額が出産手当金より少ない場合は、差額の出産手当金が支給されます。
  • 出産手当金は「労務に服さなかった期間」について支給されます。

 

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