受給期間は、原則として離職日(基準日)の翌日から起算して1年とされています。
基本手当は、その受給期間内の失業している日について支給されます(所定給付日数に相当する日数が限度ですが)。
でも、色々な事情で1年という受給期間では再就職が厳しいこともあります。
そこで、以下のような規定があります。
①基準日において45歳以上65歳未満で算定基礎期間が1年以上の就職困難者(所定給付日数が360日)は、基準日の翌日から起算して「1年に60日」を加えた期間が受給期間になります。
②基準日において45歳以上60歳未満で算定基礎期間が20年以上の特定受給資格者(所定給付日数が330日)は基準日の翌日から起算して「1年に30日」を加えた期間が受給期間になります。
まずは上記を踏まえた上で過去問を見てみましょう。
50歳の就職困難者です
(平成24年問3A)
基準日において50歳であり、算定基礎期間が1年の就職困難者である受給資格者については、受給期間は、原則として、基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間である。
(基準日」とは「基本手当の受給資格に係る離職の日」のことで、「就職困難者」とは「雇用保険法第22条第2項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者」のことです。また、雇用保険法に定める延長給付は考慮しないものとします)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
おおざっぱな覚え方ですが、私は、就職困難者は1年+60日、特定受給資格者が1年+30日で、就職困難者の方が就職するのが大変そうなイメージですので、特定受給資格者よりも長い日数になっている、と覚えました。
年齢も「45歳から65歳未満」ですので、就職困難者の方が特定受給資格者よりも長く設定されていますね。
では、もう1問いってみましょう。
55歳の特定受給資格者です
(平成26年問2エ)
基本手当の受給資格に係る離職の日において55歳であって算定基礎期間が25年である者が特定受給資格者である場合、基本手当の受給期間は基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
特定受給資格者の場合は、算定基礎期間が20年以上という要件もありますので、ここで押さえておきましょう。
では次は、定年退職をした方に対する受給期間の延長です。
定年退職をして、「ちょっとのんびりしたいよ」という方のための要件です。
定年退職したけど、しばらくのんびりしてもいい?
(平成24年問3D)
60歳以上で定年退職した者に対する雇用保険法第20条第2項に基づく受給期間の延長は、1年を限度とする。
解説
解答:正
問題文のとおりで、60歳以上の定年退職者等に係る受給期間の延長は、1年を限度となります。
それでは最後です。
妊娠や出産、育児などで再就職したくてもできない方のための要件になります。
育児があるので時間をもらえませんか?
(平成23年問2D)
所定給付日数が270日である受給資格者が、基準日の翌日から起算して1年以内に出産及び育児のため引き続き180日間職業に就くことができなかった場合、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は1年に180日を加算したものとなる。
(基準日とは、当該受給資格に係る離職の日とし、また訓練延長給付、広域延長給付、全国延長給付及び個別延長給付は考慮しないものとします)
解説
解答:正
問題文のとおりで、受給期間内に妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない者が、公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算され、限度は4年とされます。
やはり育児もとなると、定年退職の時よりも長く設定されていますね。
今回のポイント
- 受給期間は、原則として離職日(基準日)の翌日から起算して1年とされています。
- 基準日において45歳以上65歳未満で算定基礎期間が1年以上の就職困難者(所定給付日数が360日)は、基準日の翌日から起算して「1年に60日」を加えた期間が受給期間になります。
- 基準日において45歳以上60歳未満で算定基礎期間が20年以上の特定受給資格者(所定給付日数が330日)は基準日の翌日から起算して「1年に30日」を加えた期間が受給期間になります。
- 60歳以上の定年退職者等に係る受給期間の延長は、1年を限度となります。
- 妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない者が、公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算され、限度は4年とされます。
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