専門実践教育訓練の場合、一般の教育訓練給付金と比べると、色々と要件がゴテゴテ付いていて難しいですね。
それに、数字の要件も多かったりするので、勉強するのが思わず億劫になりそうです。
こんな時の勉強法は、年金科目などにも言えることですが、
言葉の一語一語にとらわれずに、大枠からイメージを作っていく感じで勉強を進めるといいです。
つまり、「訓練受講前」、「訓練受講中」、「訓練受講後」の3つに分けて、次にそれぞれどんな要件が入ってくるのかを確認します。
「訓練受講前」であれば、支給要件期間や受講前の手続き、「訓練受講中」なら給付金の支給額や教育訓練支援給付金、「訓練終了後」は給付金の支給額の増額、といったところでしょう。
そこから少しずつ各要件の中身を押さえていくようにすると理解が早くなります。
つまり、カテゴリーで分けて階層を作っていくように学習した方が、人の脳への負担が軽いようです。
一度お試しいただければと思います。
それでは最初の問題を見てみましょう。
支給要件期間についての問題ですが、教育訓練は所定の被保険者期間がないと給付金を受け取ることができません。
専門実践教育訓練の場合はどのように規定されているのでしょうか。
専門実践教育訓練の場合の支給要件期間は?
(平成28年問6B)改正
専門実践教育訓練の受講開始日前までに、前回の教育訓練給付金の受給から3年以上経過していない場合、教育訓練給付金は支給しない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
専門実践教育訓練にかかる教育訓練給付金の支給を受けるためには、前回の教育訓練給付金の受給から「3年以上」の支給要件期間があることが必要です。
「支給要件期間」というのは、受講開始日までの間に、同じ事業主に引き続いて被保険者として雇用された期間のことをいいます。
被保険者は一般被保険者だけでなく、高年齢被保険者や短期雇用被保険者でもオーケーです。
教育訓練給付金の支給を受けたことがない場合の支給要件期間は、2年以上で大丈夫です。
では、専門実践教育訓練を受けようと思ったとき、訓練の受講前にやっておかなければならないことがあるようです。
いったい、どのような手続きが必要なのでしょうか。
専門実践教育訓練の受講をするときまでにやらなければならないこと
(平成28年問6A)
教育訓練給付対象者であって専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、当該専門実践教育訓練を開始する日の1か月前までに、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票その他必要な書類を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
専門実践教育訓練にかかる教育訓練給付金を受けようとするときは、訓練を開始する「1か月前まで」に、
教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票など必要な書類を、
公共職業安定所長に提出する必要があります。
公共職業安定所は、原則として、給付金を受けようとする人の住所を管轄する公共職業安定所になります。
必要書類も、たとえば本人確認用の運転免許証やジョブカード、写真などがあるようですね。
次に、「教育訓練支援給付金」についての問題を見ておきましょう。
教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練の給付金の受給資格者のうち、所定の要件を満たした人が「失業状態」である場合に支給されます。
教育訓練支援給付金の額は基本手当の日額に相当する額の80%ということですから、生活費の支援と言えそうですね。
では、教育訓練支援給付金は待期期間中でも支給してもらえるのでしょうか??
教育訓練支援給付金は待期期間中でももらえる?
(平成28年問6E)
受給資格者が基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間であっても、他の要件を満たす限り、専門実践教育に係る教育訓練支援給付金が支給される。
解説
解答:誤
問題文の場合、教育訓練支援給付金は支給されません。
教育訓練支援給付金は、基本手当が支給される期間や待期期間、給付制限で基本手当が支給されない期間には支給されません。
基本手当が支給される期間というのは、所定給付日数があれば、その期間は基本手当が支給される期間ということになります。
これは業務取扱要領に詳細が記載されていますのでリンクを貼っておきますね。
参考記事:58615(5) 基本手当の受給資格を有する者に対する教育訓練支援給付金の支給
さて、教育訓練支援給付金がどのラインまで支給されるのかを確認しましょう。
教育訓練を修了していても要件を満たしていれば支給されるのでしょうか???
教育訓練支援給付金の受給は訓練を修了しても失業してたらOK?
(平成27年問4イ)
教育訓練支援給付金は、教育訓練給付の支給に係る教育訓練を修了してもなお失業している日について支給する。
解説
解答:誤
教育訓練支援給付金が支給されるのは、「教育訓練を修了してもなお失業している日」ではなく、「専門実践教育訓練を受けている日のうち失業している日」ということになります。
つまり、
「専門実践教育訓練を受けている」+「失業している」
ことが要件になっているのですね。
では最後に専門実践教育訓練の給付金の額について見ておきましょう。
専門実践教育訓練の教育訓練給付金のマックス額
(平成28年問6D)改正
雇用保険法第60条の2第1項に規定する支給要件期間が3年以上である者であって、専門実践教育訓練を受け、修了し、当該専門実践教育訓練に係る資格の取得等をし、かつ当該専門実践教育を修了した日の翌日から起算して1年以内に一般被保険者として雇用された者に支給される教育訓練給付金の額は、当該教育訓練の受講のために支払った費用の額の100分の70を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額。)である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
専門実践教育訓練の給付金の額は、原則として受講者が支払った教育訓練経費の「100分の50」です。
しかし、問題文にあるように、教育訓練を「修了」して「資格取得」などをした上に、訓練修了後1年以内に「被保険者として雇用」された場合は「100分の70」にアップします。
この、「修了」、「資格取得」、「被保険者として雇用」を押さえておくようにしましょう。
今回のポイント
- 専門実践教育訓練にかかる教育訓練給付金の支給を受けるためには、前回の教育訓練給付金の受給から「3年以上」の支給要件期間があることが必要です。
- 専門実践教育訓練にかかる教育訓練給付金を受けようとするときは、訓練を開始する「1か月前まで」に、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票など必要な書類を、公共職業安定所長に提出する必要があります。
- 教育訓練支援給付金は、基本手当が支給される期間や待期期間、給付制限で基本手当が支給されない期間には支給されません。
- 教育訓練支援給付金が支給されるのは、「教育訓練を修了してもなお失業している日」ではなく、「専門実践教育訓練を受けている日のうち失業している日」ということになります。
- 専門実践教育訓練の給付金の額は、原則として受講者が支払った教育訓練経費の「100分の50」ですが、教育訓練を「修了」して「資格取得」などをした上に、訓練修了後1年以内に「被保険者として雇用」された場合は「100分の70」にアップします。
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