「社労士試験 労基法 賃金の定義について再度チェックしましょう」過去問・労基-75

賃金とはなにか?」を押さえておくことは、平均賃金や割増賃金などの算定に影響しますので重要なことですね。

これは労基法だけではなく、徴収法や健康保険法などでも同じことなので、きちんと整理しておくようにしたいですね。

それでは過去問に入っていきたいと思います。

最初の問題は、労基法において賃金に含まれないものはどれか判別する問題になっています。

色々な項目が並んでいますが、賃金に該当しないものはどれでしょうか?

 

労基法における賃金に含まれないものは?

(平成26年問3ア)

賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。

 

解説

解答:誤り

賞与、家族手当、住宅手当は労基法第11条で定義する賃金になりますが、解雇予告手当は賃金にはなりません

労基法第11条には、

「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」

と規定されています。

なので、賃金は労働の対償なわけですが、解雇予告手当は、使用者が労働者を解雇するときに一方的に渡すもので、労働した分の対償とは言いにくいですよね。

ちなみに、解雇予告手当は賃金ではありませんが、直接払、通貨払の原則は適用されるとされています。

で、次の過去問も賃金に該当するのかどうかが論点になっていますが、

ストックオプション制度で得られる利益が賃金に当たるかどうかが問われています。

ストックオプション制度というのは、株式会社の従業員が自社の株を購入できる仕組みのことです。

株を売ればお金に変わるわけですが、そこで得られた利益が賃金に該当するのかどうか見てみましょう。

 

ストックオプション制度で得られる利益は賃金になる?

(平成30年問4オ)

いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ストックオプション制度で、いつ利益を得るのかは労働者が決めることであり、利益の額も不確定なので、労働の対償にはあたらず賃金には含まれません。

では、お金ではなく、現物給付の面から賃金を見てみましょう。

たとえば、まかないのようなものが賃金として含まれるのかどうか次の問題で確認しましょう。

 

食事の供与は賃金に含まれるのか

(令和2年問4E)

食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く。)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ただ、食事の供与が福利厚生として認められるには、

  • 食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと(給食費などの名目で賃金から控除しない)
  • 食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと(規定として定められているなら賃金になる)
  • 食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること(一般的な食事の内容になっていること)

である必要があります。

もし上記の条件を満たしていなければ、福利厚生とはならず、賃金として含まれることになります。

さて、次は平均賃金について見てみましょう。

平均賃金を計算するときは過去3ヶ月間に支払われた賃金をベースにしますが、

賞与が賃金に入るかどうかが下の問題で問われていますので確認しましょう。

 

平均賃金を算定するときの賃金の範囲

(平成24年問4E)

労働基準法に定める「平均賃金」とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいい、年に2回6か月ごとに支給される賞与が当該3か月の期間内に支給されていた場合には、それも算入して計算される。

 

解説

解答;誤り

問題文の場合の賞与は、平均賃金を算定する場合の賃金に含まれませんので誤りです。

平均賃金の総額には、

  • 臨時に支払われた賃金
  • 3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
  • 通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの

は算入しないことになっています。

また、

  • 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
  • 産前産後休業期間
  • 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
  • 育児休業、介護休業期間
  • 試みの使用期間

については平均賃金を算定する期間から除外されますので、こちらにも注意ですね。

では最後に、通勤費が平均賃金の賃金に入るかどうかを確認しますね。

通勤費は、会社によっては6ヶ月に1回支給されるケースがありますが、

3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金として平均賃金の算定から外れるのでしょうか。

 

通勤費は平均賃金の算定に含まれる?

(平成24年問1D)

ある会社で、労働協約により通勤費として6か月ごとに定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している場合、この定期乗車券は、労働基準法第11条に規定する賃金とは認められず、平均賃金算定の基礎に加える必要はない。

 

解説

解答:誤り

問題文の定期乗車券は賃金となるので平均賃金の算定に加える必要があります。

通勤は労働者にとって毎日発生するもので、通勤費用もかかっているので、

会社の都合で6ヶ月ごとに定期乗車券を支給していても、賃金の前払となるため、平均賃金の算定に加えなければなりません。

 

今回のポイント

  • 労基法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいますが、解雇予告手当は該当しません
  • ストックオプション制度で、いつ利益を得るのかは労働者が決めることであり、利益の額も不確定なので、労働の対償にはあたらず賃金には含まれません。
  • 食事の供与が福利厚生として認められるには、
    • 食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと
    • 食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと
    • 食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること

    である必要があります。

  • 平均賃金の総額には、
    • 臨時に支払われた賃金
    • 3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
    • 通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの

    は算入しないことになっています。

  • 会社の都合で6ヶ月ごとに定期乗車券を支給していても、賃金の前払となるため、通勤費として平均賃金の算定に加える必要があります。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

勉強以上に大切なこと、それは体調管理です。

体調が良くないと勉強効率が下がりかねないですからね。

睡眠の確保、空調対策、あと冷たいものは少し控えめに。

これは、「七つの習慣」にある「刃を研ぐ」にも通じるかと勝手に思っております♫

 

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