過去問

社労士試験勉強法 過去問攻略!「健康保険法 全国健康保険協会と厚生労働大臣との関係は?」 健保-24

日本の健康保険は、以前、社会保険庁という国の機関が管理していましたが、ご存知のように年金記録問題などで廃止になってしまいました。

その社会保険庁を引き継いで、平成20年10月1日全国健康保険協会設立したわけですが、この全国健康保険協会は社会保険庁と違って国の機関ではなく、公法人です。

健康保険は、国にとって大切な事業ですから、運営は全国健康保険協会がしていても、厚生労働大臣がキッチリ手綱を握っている、というイメージですね。

今回は全国健康保険協会と厚生労働大臣との関係を扱った過去問を集めてみました。

 

定款の変更をするときは、、、

(平成24年問4ア)

全国健康保険協会は、事務所の所在地の変更に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。

 

解説

解答:正

全国健康保険協会の定款の変更は、原則として、厚生労働大臣の認可を受けなければならないのですが、事務所の所在地の変更については、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出ことで大丈夫です。

定款といった重要なルールを変更するときは、厚生労働大臣にお伺いを立てる必要があるのでしょうが、

事務所の引っ越しまで厚生労働大臣の認可を取っていては大臣も大変ですよね。

さて、定款とともに事業の運営で大切なことに「決算」がありますが、こちらについても厚生労働大臣が関係しているようです。

次の過去問で確認しましょう。

 

厚生労働大臣にはいつまでに決算の報告をする?

(平成22年問1B)

全国健康保険協会は、毎事業年度、財務諸表、事業報告書及び決算報告書を作成し、それらについて、監事の監査のほか、厚生労働大臣の選任する会計監査人の監査を受け、それらの意見を付けて、決算完結後1か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を得なければならない。

 

解説

解答:誤

「決算完結後1か月以内」ではなく、「決算完結後2か月以内」が正解です。

規定を見てみましょう。

法7条の28
1 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。
2 協会は毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下この条及び第217条の2第4号において「事業報告書等」という。)を添え、監事及び次条第2項の規定により選任された会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

ごちゃごちゃと書いてありますが、赤字の部分だけを読めば何となく意味が通じますでしょうか。

協会は厚生労働大臣に財務諸表などを提出したうえ、承認まで受けなければならないのですね。

協会と厚生労働大臣との関係性がうかがえます。

なら、厚生労働大臣がそこまで面倒を見るのであれば、最後までちゃんと責任を持たないといけませんよね。

協会の年度ごとの業績について厚生労働大臣はどうするのでしょうか。

 

厚生労働大臣は全国健康保険協会の業績について何をする?

(平成30年問1オ)

厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

 

解説

解答:正

厚生労働大臣は、協会の業績について評価を行い、協会に通知するとともに公表しなければなりません

この、「公表しなければなりません」というのが、「社会保険庁のときの二の舞はごめんだ」みたいな決意を感じるのは私だけでしょうか。。。

では最後に協会の財産を譲渡したりするときの規定を確認しておきましょう。

 

全国健康保険協会が財産を譲渡するときは?

(平成24年問4ウ)

全国健康保険協会は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供したときは、厚生労働大臣に報告しなければならない。

 

解説

解答:誤

「厚生労働大臣に報告しなければならない。」ではなく、協会は、厚生労働省令で定める重要な財産譲渡し、又は担保供しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。

つまり、行動を起こす前に厚生労働大臣の認可をもらいなさいね、ということですね。

 

今回のポイント

  • 全国健康保険協会の定款の変更は、原則として、厚生労働大臣の認可を受けなければならないのですが、事務所の所在地の変更については、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出ことで大丈夫です。
  • 全国健康保険協会は、毎事業年度、財務諸表、事業報告書及び決算報告書を作成し、それらについて、決算完結後2か月以内厚生労働大臣に提出し、その承認を得なければならない
  • 厚生労働大臣は、協会の業績について評価を行い、協会に通知するとともに公表しなければなりません
  • 協会は、厚生労働省令で定める重要な財産譲渡し、又は担保供しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。

 

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