年金を支給したり停止する時は、それを開始するタイミングと停止するタイミングが当然生じますね。
それは、どう規定されていて、どのように社労士試験に出題されているのかを今回は確認していきたいと思います。
では最初に、規定そのままの内容を聞いてきている過去問を見ていくことにしましょう。
年金の支給を停止するタイミングは?
(平成22年問8D)
年金給付の支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
まず、条文ではどのようになっているのかを見てみましょう。
法18条
1 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。
2 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
となっています。
支給するタイミングも、停止するタイミングもどちらも、「翌月から」、「その月まで」というニュアンスになっていますね。
どちらも「翌月から」となっているのは、「お役所が手続きする時間が必要だから」、と私はイメージしています。
それをふまえて次の過去問で確認しましょう。
老齢期年金の支給を停止する理由はなくなったけど、、、??
(令和元年問2D)
老齢基礎年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月にその事由が消滅した場合は、当該老齢基礎年金の支給を停止しない。
解説
解答:誤
「支給を停止しない」ではなく、問題文の場合は、老齢基礎年金の支給は「停止」されます。
もう一度、先述の条文を見てみましょう。
「年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない」
となっていますので、
事由が消滅した月までは年金が止まってしまいます。
なので、問題文の場合は、老齢基礎年金が停止になるんですね。
ちなみに、条文にもあるように、停止する事由が生じた日と事由が消滅した日が同じ月の場合は、支給停止にはなりません。
では最後におさらいをしておきましょう。
次は遺族基礎年金についての出題ですが、考え方は一緒です。
遺族基礎年金はいつまで支給される?
(平成27年問5D)
遺族基礎年金を受給している子が、婚姻したときは遺族基礎年金は失権し、婚姻した日の属する月の前月分までの遺族基礎年金が支給される。
解説
解答:誤
婚姻した日の属する「月の前月分まで」ではなく、「月分まで」支給されます。
規定は、「年金給付の支給は、権利が消滅した日の属する月で終るものとする」
でしたね。
ですから、婚姻した月まで遺族基礎年金が支給されるわけですね。
今回のポイント
- 支給するタイミング→年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。
- 停止するタイミング→年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
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