このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労災保険法における「労働保険料の算定」について見てみたいと思います。
労働保険料がどのように算定されるのか、過去問で確認しましょう。
一般保険料率はどのように構成されているか
(令和元年労災問8B)
一般保険料の額は、原則として、賃金総額に一般保険料率を乗じて算出されるが、労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労災保険率、雇用保険率及び事務経費率を加えた率がこの一般保険料率になる。
解説
解答:誤り
一般保険料の額は、事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額に一般保険料率を乗じて得た額となりますが、
一般保険料率は、労災保険・雇用保険にかかる保険関係が成立している事業については、
労災保険率と雇用保険率を加えた率となります。
ただし、問題文のような事務経費率は規定にありません。
さて、次は労働者を海外に転勤させた場合の労働保険料の取り扱いがテーマになっています。
この場合、労災保険と雇用保険では違いがあるようです、、、
国外に転勤した労働者にかかる賃金の取り扱い
(令和4年雇用問8D)
適用事業に雇用される労働者が事業主の命により日本国の領域外にある適用事業主の支店、出張所等に転勤した場合において当該労働者に支払われる賃金は、労働保険料の算定における賃金総額に含めない。
解説
解答:誤り
海外へ転勤した労働者について、
労災保険においては原則として適用除外になり、
労災保険に加入するには特別加入をする必要がありますが、
雇用保険については、海外に転勤した労働者も被保険者となりますので、
労働保険料の算定に加える必要があります。
では最後に、傷病手当金に付加される手当が
労働保険料の算定の基礎となる賃金総額に含めるのかどうかについて確認しましょう。
傷病手当金に事業主が付加する手当は賃金総額に含める?
(令和4年労災問10D)
健康保険法第99条の規定に基づく傷病手当金について、標準報酬の6割に相当する傷病手当金が支給された場合において、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、恩恵的給付と認められる場合には、一般保険料の額の算定の基礎となる賃金総額に含めない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
傷病手当金本体は、賃金ではないので労働保険料の算定に含まれません。
また、傷病手当金に付加して事業主が支給する見舞金等については、
恩恵的給付と認められる場合、賃金総額に含めません。
ちなみに、労働協約などで事業主にその支給が義務づけられている種類のものでも賃金総額に含めません。
これは労基法などと違う取り扱いとなりますね。
今回のポイント
- 一般保険料の額は、事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額に一般保険料率を乗じて得た額となりますが、一般保険料率は、労災保険・雇用保険にかかる保険関係が成立している事業については、労災保険率と雇用保険率を加えた率となります。
- 海外へ転勤した労働者については、労災保険においては原則として適用除外になり、雇用保険については労働保険料の算定に加える必要があります。
- 個人的な慶弔に対して支給される見舞金などについては、賃金総額に含めません。
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