このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労災保険法の「雑則」を見てみようと思います。
今回は、雑則の中の「命令」にターゲットを当ててみようと思いますので過去問を読んでいきましょう。
行政庁が派遣先に対して命令をすることができる?
(平成30年問3C)
行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣先の事業主に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働者を使用しているのは派遣元の方なのですが、
行政官庁は、労働者の働き先である派遣先の事業主に対しても
労災保険法の施行に関し必要な報告や文書の提出または出頭を命ずることができます。
さて、次は労働者の方に目を向けてみましょう。
下の問題では、保険給付を受ける者に対して医師の診断を受けることができるかどうかがテーマになっていますので確認しましょう。
保険給付を受ける者に医師への受診を命令できる?
(令和元年問1D)
行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。(問題文を一部補正しています)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
行政庁は、
- 保険給付を受ける者
- 遺族補償年金などの保険給付を受けようとする者
に対して指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができます。
たとえば、障害を負っている者が、遺族補償年金を受けようとする場合に、障害等級が所定を満たしているかどうかを確認するために医師の診断を命じて確認をするのでしょうね。
では、行政庁は診療をした医師に対して報告を求めることはできるのでしょうか。
下の問題で確認しましょう。
医師に対して報告を命令することはできるのか
(平成30年問3E)
行政庁は、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告を命ずることはできない。
解説
解答:誤り
行政庁は、保険給付を受け、または受けようとする者の診療を担当した医師などに対して、
報告もしくは診療録などの提示を命じ、または職員にこれらの物件を検査させることができます。
今回のポイント
- 行政官庁は、労働者の働き先である派遣先の事業主に対しても労災保険法の施行に関し必要な報告や文書の提出または出頭を命ずることができます。
- 行政庁は、
- 保険給付を受ける者
- 遺族補償年金などの保険給付を受けようとする者
に対して指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができます。
- 行政庁は、保険給付を受け、または受けようとする者の診療を担当した医師などに対して、報告もしくは診療録などの提示を命じ、または職員にこれらの物件を検査させることができます。
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