このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働基準法から「平均賃金」について見ていきたいと思います。
平均賃金が使われるのは、解雇予告手当や休業手当などがありますが、
どうやって計算するのか、平均賃金の算出から外されるものはどのような事由があるのか、などテーマがいろいろありますので過去問を読んでいきましょう。
平均賃金の計算方法
(平成24年問4E)
労働基準法に定める「平均賃金」とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいい、年に2回6か月ごとに支給される賞与が当該3か月の期間内に支給されていた場合には、それも算入して計算される。
解説
解答:誤り
平均賃金を算定する際の賃金には、「臨時に支払われた賃金」と、「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」は含まれませんので、問題文は誤りとなります。
あと、実物で支払われた給与で、法令や労働協約の別段の定めがなくて支払われたものも対象外となります。
逆にいうと、時間外割増賃金や通勤手当などは平均賃金を算定する場合の賃金に算入されるということですね。
で、上記を踏まえた上で下の問題を見てみましょう。
こちらでは、定期券がテーマになっていますが、こちらは平均賃金の算定に入るのでしょうか。
定期乗車券は平均賃金の計算に入る?
(平成24年問1D)
ある会社で、労働協約により通勤費として6か月ごとに定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している場合、この定期乗車券は、労働基準法第11条に規定する賃金とは認められず、平均賃金算定の基礎に加える必要はない。
解説
解答:誤り
問題文の場合、6か月ごとの定期券ということで、一見、3か月を越える期間ごとに支払われる賃金となりそうですが、
各月の通勤費をまとめて支払っているだけなので、3か月を越える期間ごとの賃金にはならず、平均賃金の算定に入ることになります。
さて、次は「平均賃金の算定すべき事由の発生した日」について見てみましょう。
平均賃金が使われるのは、解雇予告手当や、休業手当、年次有給休暇を与えたときの賃金などがありますが、
- 解雇予告手当・・・労働者に解雇の通告をした日
- 休業手当・・・休業日(休業が2日以上の場合は最初の日)
- 年次有給休暇を与えた時・・・休暇を与えた日(2日以上の場合は最初の日)
が、「平均賃金の算定すべき事由の発生した日」となります。
あと、減給の制裁をする場合も平均賃金を出すのですが、
この場合の「平均賃金の算定すべき事由の発生した日」がいつになるのか、次の問題で確認しましょう。
平均賃金の算定すべき事由の発生した日、、、?
(平成30年問7D)
労働基準法第91条による減給の制裁に関し平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、制裁事由発生日(行為時)とされている。
解説
解答:誤り
減給の制裁の場合の「平均賃金の算定すべき事由の発生した日」は、「減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日」となります。
つまり、減給の原因となった行為をした日ではなく、減給をする旨を労働者に伝えた日ということになります。
行為日と到達日ではタイムラグがあるでしょうから、後者にタイミングを合わせるということですね。
さて、平均賃金を算定する場合は、業務災害で休業した期間や産休、育休中などの賃金は外すことになっています。
では、次の問題の場合はどうなるのでしょうか、、、
公民権の行使によって休業した期間も平均賃金の算入の対象外?
(平成27年問2B)
平均賃金の計算において、労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間は、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から除外する。
解説
解答:誤り
公民権の行使は、平均賃金を算出する際の控除事由になっていません。
平均賃金の算出から控除されるのは、
- 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
- 産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間
- 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
- 育児介護休業法による育児休業もしくは介護休業をした期間
- 試みの使用期間
となっています。
今回のポイント
- 平均賃金を算定する際の賃金には、「臨時に支払われた賃金」と、「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」は含まれません。
- 減給の制裁の場合の「平均賃金の算定すべき事由の発生した日」は、「減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日」となります。
- 平均賃金の算出から控除されるのは、
- 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
- 産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間
- 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
- 育児介護休業法による育児休業もしくは介護休業をした期間
- 試みの使用期間
となっています。
各科目の勉強法の記事をまとめました
労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください
リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」
科目ごとにまとめて記事を見ることができます!
スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。
もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。
ぜひご活用ください!
この記事へのコメントはありません。