このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労災保険法から「業務災害」について見ていきたいと思います。
業務災害として認められるには、業務起因性と業務遂行性を満たすことが必要ですが、
具体的な事例で判断してみることにしましょう。
食事に行こうとした時に遭った災害は業務災害?
(平成26年問1A)
自動車運転手が、長距離定期貨物便の運送業務の途上、会社が利用を認めている食堂前に至ったので、食事のために停車し食堂へ向かおうとして道路を横断中に、折から進行してきた自動車にはねられて死亡した災害は業務上とされている。
解説
解答:正
問題文の場合は業務災害と認められます。
食事は、生理的に必要な行為であり、仕事はしていませんが、業務行為に付随する行為となり、
また、会社が利用を認めている食堂である点でも、事業主の支配下に置かれているということで業務遂行性が認められます。
一方、業務起因性についても、自動車運転手が車を降りて食事に向かってケガなどをするのは、運送業務を遂行していればその業務に通常伴う危険性が現実化したといえます。
なので、業務遂行性・業務起因性の両方を満たしていると解されます。
さて、次は休憩時間中での災害がテーマになっています。
業務災害に当たるのか判定して見ましょう。
休憩時間中のケガが業務災害になるかどうかの判断
(平成28年問2B)
炭鉱で採掘の仕事に従事している労働者が、作業中泥に混じっているのを見つけて拾った不発雷管を、休憩時間中に針金でつついて遊んでいるうちに爆発し、手の指を負傷した場合、業務上の負傷と認められる。
解説
解答:誤り
問題文の場合は、業務災害となりません。
休憩時間中であっても、事業主の支配下(業務遂行性)にあって、業務に付随する行為に伴う危険性が現実化した場合(業務起因性)は業務災害となりますが、
問題文の場合は、不発雷管を「針金でつついて遊んでいて」負傷したので、私的行為となり業務災害とはなりません。
不発雷管を撤去しようとした時に爆発してケガをしたのなら業務災害になったかもしれませんね。
では最後に、「出張中」の災害について見ておきましょう。
自宅を出て移動している途中に事故に遭った場合は、業務災害、通勤災害のどちらに該当するのでしょうか。
出張中の災害は業務災害?通勤災害?
(平成26年問1E)
明日午前8時から午後1時までの間に、下請業者の実施する隣町での作業を指導監督するよう出張命令を受け、翌日、午前7時すぎ、自転車で自宅を出発し、列車に乗車すべく進行中、踏切で列車に衝突し死亡したが、同人が乗車しようとしていた列車が通常の通勤の場合にも利用していたものである場合は、通勤災害とされている。
解説
解答:誤り
問題文の場合は、通勤災害ではなく、業務災害となります。
出張は、その場所まで赴いて業務を遂行するよう、会社の命令を受けるので、移動も含めて事業主の支配下にあるものとされます。
つまり、出張の場合は、移動も業務の性質を有することになるので、通勤とはならず、移動中に遭った災害は業務災害となります。
今回のポイント
- 業務災害かどうかは、「業務起因性」・「業務遂行性」の両方を満たしているかどうかで判断します。
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