このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、徴収法から「概算保険料の申告と納付」について見てみたいと思います。
労働保険料は、普通の会社の場合は、保険年度ごとに納付するのですが、どのような制度になっているのか見てみましょう。
継続事業の概算保険料の申告と納付
(平成30年雇用問9ウ)
継続事業(一括有期事業を含む。)について、前保険年度から保険関係が引き続く事業に係る労働保険料は保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日までに納付しなければならないが、保険年度の中途で保険関係が成立した事業に係る労働保険料は保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内に納付しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続事業がスタートして保険関係が成立した場合、成立してから50日以内に労働保険料(概算保険料)を納付することになっています。
次の保険年度からは6月1日から7月10までの40日のうちに納付します。
ちなみに、一括有期事業というのは、たとえば建設業をしている会社で、建設現場の有期事業が切れ目なく続いている場合で、一括有期事業は、継続事業と同じ扱いになるということです。
では、単発の有期事業の場合、労働保険料の納付がどうなるのか見てみましょう。
有期の建設業が概算保険料を納付するには
(平成27年労災問9B)
建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が成立した場合には、その成立した日の翌日から起算して20日以内に、概算保険料を概算保険料申告書に添えて、申告・納付しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
有期事業は、保険関係が成立した翌日から20日以内に概算保険料を納付することになっています。
継続事業よりも納付期限が短いですが、単発の有期事業の場合、事業の期間が短い可能性もあるので、納期限も短めに設定されているのですね。
では、概算保険料の金額について見てみましょう。
基本的には、その保険年度に使用する労働者の賃金総額ということになるのですが、
正確な金額なんて分からないですよね。
なので、下の問題のような方法で概算保険料を算定します。
継続事業の概算保険料の額
(令和元年労災問8D)
継続事業で特別加入者がいない場合の概算保険料は、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下本肢において同じ。)の見込額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料に係る保険料率を乗じて算定する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
前の保険年度の賃金総額と、今年度の賃金総額を比較して100分の50以上100分の200以下である場合は、前の保険年度の賃金総額をベースに今年度の保険料を算定します。
このように、おおよその金額で労働保険料を納付するので概算保険料というんですね。
なので、概算で保険料を一旦納めるということは、きちんと精算をする必要があります。
これは、確定保険料と呼ばれています。
翌年度の概算保険料を納めるときに前年度の労働保険料の精算をして確定保険料として納付します。
では、この概算保険料の精算方法について下の問題で確認しましょう。
概算保険料の精算方法(確定保険料)
(平成26年雇用問9エ)
継続事業(一括有期事業を含む。)の労働保険料(印紙保険料を除く。)は、当該保険料の算定の対象となる期間が終わってから確定額で申告し、当該確定額と申告・納付済みの概算保険料額との差額(納付した概算保険料がないときは当該確定額)を納付する仕組みをとっており、この確定額で申告する労働保険料を確定保険料という。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続事業の場合は、保険年度ごとに労働保険料を精算して、次の労働保険料を概算保険料として納付します。
前の年度の労働保険料を精算して、もし確定保険料が概算保険料よりも少なかった場合は、次の年度の保険料に充当するか、還付してもらうこともできます。
今回のポイント
- 継続事業がスタートして保険関係が成立した場合、成立してから50日以内に労働保険料(概算保険料)を納付することになっていて、次の保険年度からは6月1日から7月10までの40日のうちに納付します。
- 有期事業は、保険関係が成立した翌日から20日以内に概算保険料を納付することになっています。
- 前の保険年度の賃金総額と、今年度の賃金総額を比較して100分の50以上100分の200以下である場合は、前の保険年度の賃金総額をベースに今年度の保険料を算定します。
- 前の年度の労働保険料を精算して、確定保険料が概算保険料よりも少なかった場合は、次の年度の保険料に充当するか、還付してもらうこともできます。
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