増加概算保険料は、事業の拡大などにより、
①賃金総額の見込額が当初の申告より100分の200(2倍)を超えて増加し、
②概算保険料の増加額が、申告済の概算保険料よりも13万円以上増加する場合は、
その増加額を納付する種類のものです。
では、増加概算保険料を納付する際の要件について、社労士試験ではどのように問われているのか見ていきましょう。
継続事業と有期事業で要件違う?
(平成23年労災問8A)
継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行なわなければならないが、有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続事業、有期事業ともに、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に申告書に添えて納付しなければなりません。
でも、納付しなさいと言われても、そのような大金を一度に納めるのは大変です。
そう、延納はできないものなのでしょうか?
増加概算保険料の延納したいんですけど?
(平成22年労災問8E)
継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納することができる。
解説
解答:誤
残念ながら、増加概算保険料は、増加前に概算保険料の延納をしていないと延納することができません。
ん〜、では概算保険料は有無を言わさず延納にしておいた方が無難、ということになるのでしょうか。
では、おさらいの問題です。
雇用保険も適用になりました
(平成23年労災問8B)
労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
賃金総額の増加だけでなく、労災保険と雇用保険の両方が適用されることになって保険料率が変更された場合でも、増加概算保険料が適用されます。
今回のポイント
- 増加概算保険料は、事業の拡大などにより、①賃金総額の見込額が当初の申告より100分の200(2倍)を超えて増加し、②概算保険料の増加額が、申告済の概算保険料よりも13万円以上増加する場合に納付します。
- 継続事業、有期事業ともに、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に申告書に添えて納付しなければなりません。
- 増加概算保険料は、増加前に概算保険料の延納をしていないと延納することができません。
- 賃金総額の増加だけでなく、労災保険と雇用保険の両方が適用されることになって保険料率が変更された場合でも、増加概算保険料が適用されます。
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