「社労士試験 厚生年金法 雑則・罰則について総復習しましょう」過去問・厚-71

今回は雑則罰則について見てみたいと思います。

書類の保存期間などの項目は、他の科目にも出てくるので横断整理できるところは比較しながら押さえていくと混同しにくくなりますのでオススメです。

あとは、法改正されているところもあるので、お手持ちのテキストで確認していただけると幸いです。

それでは過去問を見ていくことにしましょう。

最初の問題は、障害の状態にある人に対しての措置です。

実施機関が医師の診断を受けることを命じることができるのかが論点になっていますので見てみましょう。

 

実施機関が医師の診断を受けることを命令することができる?

(平成30年問9D)

実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これは、障害の状態をきっちりと把握して適正な保険給付を行うための措置ですね。

実施機関は、たとえば障害厚生年金の受給権者や、加給年金額の対象になっている障害のあるについて、

障害の状態について診断書などの書類の提出を命じることができますが、

場合によっては、実施機関が指定する医師の診断を受けることを命じたり、職員に障害の状態を診断させることができます。

では次に、被保険者の資格や標準報酬などについて、文書などを調べたいときの措置について見てみましょう。

次の過去問では、「誰に」「何をできるのか」がポイントになっています。

 

厚生労働大臣が文書の差し押さえを??

(平成24年問8A)

厚生労働大臣は、第1号厚生年金被保険者に係る被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、適用事業所等の事業主及び被保険者に対して、文書その他の物件を差し押え、又は提出させることができる。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:誤り

厚生労働大臣は、被保険者にかかる資格や標準報酬などに関する決定について必要があるときは、

適用事業所等の事業主及び被保険者に対してではなく適用事業所の「事業主」に対して、

文書などを提出させることができます。(差し押さえはできません)

ちなみに、以前は適用事業所の事業主に対して文書の提出させる規定でしたが、

法改正により、「適用事業所等」とあらためられました。

どういうことかというと、適用事業所の事業主だけでなく、適用事業所と認められる事業主などにも範囲を広げたのです。

つまり、適用事業所の届出をしていない事業所についても文書の提出を求めることができるようになったということですね。

では次に、立入検査について見ていきたいと思います。

厚生労働大臣は、職員に事業所への立ち入り検査をさせることができますが、

その「範囲」について問われている過去問がありますので見てみましょう。

 

立ち入り調査ができる範囲

(平成29年問9ウ)

厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるが、この規定は第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者及びこれらの者に係る適用事業所等の事業主については適用されない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

立入検査は、第2号〜第4号厚生年金被保険者とこれらの者にかかる事業主には適用されません。

つまり、公務員共済と私立学校職員共済には厚生労働大臣はノータッチということですね。

ちなみに、立入検査についても、先ほどの文書の提出と同様、適用事業所の事業主だけでなく、適用事業所と認められる事業主などにも適用されます。

さて、次は書類の保存期間について確認しましょう。

厚生年金法で覚えるべき数字は「一つ」です。

 

書類の保存期間

(平成29年問4E)

第1号厚生年金被保険者に係る適用事業所の事業主は、厚生年金保険に関する書類を原則として、その完結の日から2年間、保存しなければならないが、被保険者の資格の取得及び喪失に関するものについては、保険給付の時効に関わるため、その完結の日から5年間、保存しなければならない。

 

解説

解答:誤り

厚生年金にかかる書類の保存期間は「2年」で例外はありません。

2年の期間のスタートとなるのは、「完結の日」からということになります。

では最後に罰則について確認しましょう。

下の過去問では、報酬月額などの届出をしなかった場合の罰則になっていますので読んでみてくださいね。

 

報酬月額や賞与額の届出をしなかったら、、、

(平成29年問2A)

第1号厚生年金被保険者を使用する事業主が、正当な理由がなく厚生年金保険法第27条の規定に違反して、厚生労働大臣に対し、当該被保険者に係る報酬月額及び賞与額に関する事項を届け出なければならないにもかかわらず、これを届け出なかったときは、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨の罰則が定められている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

報酬月額賞与額資格取得届喪失届について届出をしなかった場合は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

ちなみに、立入検査で職員の質問に対して答弁しなかったり、虚偽の陳述をしたり検査を拒んだりした時も同様の罰則があります。

 

今回のポイント

  • 実施機関は、たとえば障害厚生年金の受給権者や、加給年金額の対象になっている障害のあるについて、障害の状態について診断書などの書類の提出を命じることができますが、場合によっては、実施機関が指定する医師の診断を受けることを命じたり、職員に障害の状態を診断させることができます。
  • 厚生労働大臣は、被保険者にかかる資格や標準報酬などに関する決定について必要があるときは、適用事業所の「事業主」に対して、文書などを提出させることができます。
  • 立入検査は、第2号や第3号、第4号厚生年金被保険者とこれらの者にかかる事業主には適用されません。
  • 厚生年金にかかる書類の保存期間は「2年」です。
  • 報酬月額賞与額資格取得届喪失届について届出をしなかった場合は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

 

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