今回は、定期自主検査についてみてみたいと思います。
平成30年の問9で大問で出されていますが、機械の種類や数字などすべてを丸暗記するのは大変かと思います。
まずは、定期自主検査にはどんなものがあるのか見たうえで、制度の概要から押さえていくようにしましょう。
そこから少しずつ細かいところをチェックされると良いと思います。
それでは最初の問題を見ていきましょう。
この問題は機械の検査時期が論点になっています。
機械によっては、1ヶ月に1回、1年に1回など色々とありますが、ざっくりと見てみましょう。
局所排気装置の検査スパンは?
(平成30年問9D)
屋内作業場において、有機溶剤中毒予防規則に定める第1種有機溶剤等又は第2種有機溶剤等を用いて行う印刷の業務に労働者を従事させている事業者は、当該有機溶剤作業を行っている場所で稼働させている局所排気装置について、1年以内ごとに1回、定期に、定められた事項について自主検査を行わなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
所定の有機溶剤などを使う業務をする作業所に設置する局所排気装置は、定期自主検査の対象になっていて、1年に1回検査することになっています。
検査スパンは機械ごとに異なっていて、特定機械に該当するボイラーは1ヶ月に1回、一定の小型ボイラーなどは1年に1回となっています。
で、定期自主検査には通常の自主検査と特定自主検査があります。
特定自主検査は、検査自体が技術的に難しいもので、万が一の時には大事故になるおそれのある機械などが対象になっているので、
検査ができる人が決まっているのです。
では誰が特定自主検査の対象になっている機械を検査するのでしょう。
次の問題で確認しましょう。
高所作業車は誰が検査する?
(平成30年問9C)
作業床の高さが2メートル以上の高所作業車は、労働安全衛生法第45条第2項に定める特定自主検査の対象になるので、事業者は、その使用する労働者には当該検査を実施させることが認められておらず、検査業者に実施させなければならない。
解説
解答:誤り
作業床の高さが2メートル以上の高所作業車が特定自主検査の対象になっているのは正しいですが、
特定自主検査は、
- その使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの または
- 所定の検査業者
が実施することになっていますので、問題文は誤りです。
では他に、この特定自主検査の対象になっているものにはどんなものがあるのか見てみましょう。
動力プレスの検査についての規定
(平成30年問9A)
事業者は、現に使用している動力プレスについては、1年以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則で定める自主検査を行わなければならないとされているが、加工材料に加える圧力が3トン未満の動力プレスは除かれている。
解説
解答:誤り
動力プレスは特定自主検査の対象になっていますが、問題文後半のような除外規定はありません。
ちなみに、検査時期が1年以内ごとに1回というのは正しいです。
特定自主検査の場合、検査時期は1年に1回というものが多く、不整地運搬車が2年に1回となっています。
次は、同じく特定自主検査の対象であるフォークリフトを見てみましょう。
フォークリフトの自主検査に最大荷重は関係ある?
(平成30年問9B)
事業者は、現に使用しているフォークリフトについては、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則で定める自主検査を行わなければならないとされているが、最大荷重が1トン未満のフォークリフトは除かれている。
解説
解答:誤り
特定自主検査の対象である、フォークリフトの検査時期が1年に1回というのは正しいですが、最大荷重についての区別はありません。
この、フォークリフトと1トンという数字は別のところで出てきましたね。
最大荷重1トン未満のフォークリフトが特別教育で、1トン以上になると就業制限がかかり、運転技能講習の修了などが条件になっていましたね。
社労士試験では、このようにさりげなく他の論点を持ってきたりしますので、きっちりと区別しておきたいですね。
では最後に定期自主検査の記録の保存期間について確認しておきましょう。
定期自主検査の結果の保存期間は?
(平成30年問9E)
事業者は、定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを5年間保存しなければならない。
解説
解答:誤り
定期自主検査の結果の記録は、5年ではなく、「3年間」保存しなければなりません。
記録の保存といえば、もう一つ思いつくのが健康診断ですね。
こちらの方は5年になっていましたから、この機にお手持ちのテキストなどでご確認なさってみてくださいね。
今回のポイント
- 所定の有機溶剤などを使う業務をする作業所に設置する局所排気装置は、定期自主検査の対象になっていて、1年に1回検査することになっています。
- 特定自主検査は、
- その使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの または
- 所定の検査業者
が実施することになっています。
- 動力プレスは特定自主検査の対象になっており、検査時期は1年以内ごとに1回です。
- 特定自主検査の対象である、フォークリフトの検査時期は1年に1回で、最大荷重についての区別はありません。
- 定期自主検査の結果の記録は、「3年間」保存しなければなりません。
毎日の勉強のヒントにどうぞ♫
勉強を終わるときは、区切りの良いところではなく、中途半端なところで終わらせましょう。
たとえば、問題を解いている途中で勉強をやめると、次に勉強するときにその問題文の記憶がよみがえりやすく、
スムーズに再開できますよ♫
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