「社労士試験 労基法 変形労働時間制で気をつけておきたいこととは」過去問・労基-64

労働基準法で定められている変形労働時間制には、いろいろな種類があり要件も様々です。

それぞれを混同することなく、本試験上でもきっちりと対応できる必要がありますので、知識を確実に押さえておくようにしましょう。

それでは最初の問題に入りたいと思います。

この問題は、1ヵ月単位の変形労働時間制がテーマになっていますが、

この変形労働時間制を採用するために必要な条件が何なのかが問われていますので見ていきましょう。

 

1ヶ月単位の変形労働時間制を採用するために必要なこと

(令和元年問2D)

1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものによる定めだけでは足りず、例えば当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合と書面により協定し、かつ、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる。

 

解説

解答:誤り

1ヶ月単位の変形労働時間制は、労使協定または就業規則その他これに準ずるものによって採用することができます。

したがって、問題文にある「かつ」の部分が誤りです。

ここは、うっかり読み飛ばしてしまわないように注意しておきたいところです。

本試験では緊張状態の中で問題文を読んでいきますので、「又は」と「かつ」のたった2文字で正誤が分かれますから

一文字一文字を意識して読んでいくようにしましょう。

では、一年単位の変形労働時間制に移りますね。

次の問題では、対象期間の範囲が論点になっています。

対象期間を定めるのにルールはあるのでしょうか。

 

一年単位の変形労働時間制の対象期間の範囲は?

(平成28年問4C)

労働基準法第32条の4に定めるいわゆる一年単位の変形労働時間制の対象期間は、1か月を超え1年以内であれば、3か月や6か月でもよい。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

1ヶ月単位の変形労働時間制における対象期間について、規定では

「その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1か月を超え1年以内の期間に限るものとする」

となっています。

名称が「1年単位」となっていますので、1年しかダメかと思いきや、1年以内なら大丈夫ということですね。

ただ、実際には対象期間を1年にしている事業場が圧倒的に多いように思います。

期間が長い方が、労働時間の調整がしやすいですからね。

さて、次は一週間単位の変形労働時間制です。

この変形労働時間制は、他と違って業種など色々と制約があるようですが、

どのような要件になっているのか見てみましょう。

 

一週間単位の変形労働時間制の採用条件とは

(平成28年問4D)

労働基準法第32条の5に定めるいわゆる一週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業、旅館、料理店若しくは飲食店の事業の事業場、又は、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場、のいずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。

 

解説

解答:誤り

一週間単位の変形労働時間制を採用するには、

  • 小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業の事業場

かつ

  • 常時使用する労働者の数が30人未満の事業場

であることが条件になっています。

先ほどの1ヶ月単位と同じく、「又は」と「かつ」の要件が入れ替わっていますね。

一週間単位の変形労働時間制では、「かつ」なんですね。

それでは、フレックスタイム制を見ていくことにしましょう。

フレックスタイム制は、近年の法改正で精算期間の設定が3ヶ月までできるようになりましたね。

時間外労働の計算の仕方も他の変形労働時間制と違いますので意識しておきましょう。

で、次の問題ではフレックスタイム制を導入するときの手続きが論点になっていますので確認していきますね。

 

フレックスタイム制を実施するとき、届出が必要?

(令和2年問6B)

労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制を実施する際には、清算期間の長さにかかわらず、同条に掲げる事項を定めた労使協定を行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない。

 

解説

解答:誤り

フレックスタイム制を実施する場合、精算期間が1ヶ月以内の場合は、労基署庁への届出は不要です。

なので、精算期間が1ヶ月を超える場合は、届け出ることになっています。

ただ、フレックスタイム制を導入するには、

  • 就業規則などで労働者にかかる始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることを規定する
  • 労使協定では、フレックスタイム制の対象となる労働者の範囲、精算期間とその総労働時間を定める

ことが必要です。

では最後に、フレックスタイム制における時間外労働についての考え方を確認しますね。

次の問題では、精算期間が1ヶ月を超える場合の時間外労働について問われていますので見てみましょう。

 

フレックス制の場合の時間外割増賃金はどうなる?

(令和元年問6B)

労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制について、清算期間が1か月を超える場合において、清算期間を1か月ごとに区分した各期間を平均して1週間当たり50時間を超えて労働させた場合は時間外労働に該当するため、労働基準法第36条第1項の協定の締結及び届出が必要となり、清算期間の途中であっても、当該各期間に対応した賃金支払日に割増賃金を支払わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

精算期間が1ヶ月を超える場合の時間外労働は、

① 清算期間を1か月ごとに区分した各期間を平均して1週間当たり50時間を超えた時間

②精算期間の総労働時間法定時間を超えた部分(①の時間があるときはその時間を除きます)

となります。

ちなみに、中途入社などで、その労働者の労働時間が精算期間よりも短い場合は、原則に戻って、一週間あたりの労働時間が40時間を超えた部分が時間外労働となります。

 

今回のポイント

  • 1ヶ月単位の変形労働時間制は、労使協定または就業規則その他これに準ずるものによって採用することができます。
  • 1ヶ月単位の変形労働時間制における対象期間について、規定では「その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1か月を超え1年以内の期間に限るものとする」となっています。
  • 一週間単位の変形労働時間制を採用するには、
    • 小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業の事業場

    かつ

    • 常時使用する労働者の数が30人未満の事業場

    であることが条件になっています。

  • フレックスタイム制を実施する場合、精算期間が1ヶ月以内の場合は、労基署庁への届出は不要で、精算期間が1ヶ月を超える場合は、届け出ることになっています。
  • 精算期間が1ヶ月を超える場合の時間外労働は、① 清算期間を1か月ごとに区分した各期間を平均して1週間当たり50時間を超えた時間②精算期間の総労働時間法定時間を超えた部分(①の時間があるときはその時間を除きます)

    となります。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

今日の予定を決めるときに、「やること」と「やめてみること」を書いてみましょう。

「◯時は動画を見るのをやめる」などです。

空いた時間に何をするかは、、、あなた次第です笑

 

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