過去問

「社一 社労士法 これだけは押さえておきたい社労士の業務とは」過去問・社一-8

今回は社労士法の中から、社労士の業務を取り扱った過去問を集めてみました。

取り上げた過去問を見ていると、社労士の仕事は幅が広いんだなあ、とつくづく感じます。

なので、あなたが社労士になって自分がどういったところで活躍しているのかをイメージしながら楽しく勉強ができると思いますよ。

それでは最初の問題を見てみましょう。

社労士が「補佐人」として裁判所に出頭する場合の役割についての過去問になっています。

 

社労士の補佐人としての役割

(平成27年問3イ)

社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

社労士は補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭して、裁判所において陳述することができます。

で、社労士がした陳述は、当事者や訴訟代理人がしたものとみなされます。

ん〜、法廷でしゃべるのってすごく緊張しそうですよね。

もし、しどろもどろになって言い間違えた時に取り返しがつかない気がして怖いんですけど、訂正はできるんですかね。

規定によると、当事者や訴訟代理人が、社労士のした陳述をただちに取り消したり更生することができるようです。

その規定も合わせて記載しておきますので、お時間のある時に読んでみてくださいね。

 

社会保険労務士法2条の2(社会保険労務士の業務)
1 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。
2 前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない

 

さて、この補佐人ですが、社労士であれば誰でもできるのでしょうか。

社労士には特定社労士という個別労働紛争のスペシャリストがいますので、補佐人の仕事ができるのも特定社労士になるのでしょうか?

 

補佐人は特定社労士の仕事?

(平成28年問3A)

特定社会保険労務士に限り、補佐人として、労働社会保険に関する行政訴訟の場面や、個別労働関係紛争に関する民事訴訟の場面で、弁護士とともに裁判所に出頭し、陳述することができる。

 

解説

解答:誤

補佐人は、特定社労士でないとダメという規定がないので、社労士であればなれます。

いまのところ、裁判で補佐人になる予定はありませんが、法廷でしゃべってる自分を想像するだけで緊張してしまいますね。笑

では今度は社労士の一般的な業務に目を向けてみましょう。

社労士が行う業務で一番メジャーなのは申請書などの書類作成ですね。

で、書類を作成したらお役所に提出するわけですが、その時に「提出代行」という形で書類提出業務を行なったりすることがあります。

では、その「提出代行」の定義とはどうなっているのでしょうか。

次の過去問で確認してみましょう。

 

提出代行の定義

(平成23年問10B)

社会保険労務士業務のひとつである労働社会保険諸法令に基づく申請書等の提出代行事務とは、提出義務者本人が行うべき申請書等の提出手続に必要な一切の事務処理を提出義務者本人に代わって社会保険労務士が行うことを意味し、この中には、委任の範囲内で内容の変更等を行い得るのみならず、申請等について責任をもって処理できるよう当該申請等に係る行政機関等の調査又は処分に関する主張又は陳述を行い得るものは含まれない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

提出代行」は、提出義務者であるお客さんの代わりに申請書などの書類を作成したり、書類提出時にお役所からの質問に答えたり、書類の必要な補正をしたりすることを言います。

社労士は、この提出代行の他に、「事務代理」と呼ばれるものもあります。

事務代理」は、問題文の後半に書かれている内容になるのですが、単に書類を提出したり、変更したりするだけでなく、お役所から調査があったりした時にも、社労士が主張や陳述ができます

どちらの形で社労士が関わるのかは、お客さんとの契約内容次第ですけどね。

で、事務代理について過去問を見ておきましょう。

書類に関することではなく、審査請求との関係が問題になっています。

 

審査請求で事務代理する場合の委任状

(平成23年問10C)

社会保険労務士が、社会保険審査官及び社会保険審査会法に基づく審査請求又は再審査請求に係る事務代理を行う場合、社会保険労務士に対して代理権限を与えた本人が記名押印又は署名をした申請書等に事務代理者と表示し、かつ、当該事務代理に係る社会保険労務士の名称を冠して記名押印しておけば、社会保険労務士に対して代理権限を与えた本人が作成した委任状の添付を省略することができる。

 

解説

解答:誤

審査請求(再審査請求を含む)で事務代理を社労士が行う時は、申請書に事務代理者と表示していても「委任状」の添附は必要ですので省略することはできません。

これは下記のように規定されているのでどうしようもありませんね。

(審査請求又は再審査請求の方式)
社会保険審査官及び社会保険審査会法令2条
3 前2項の審査請求書又は再審査請求書には、審査請求人又は再審査請求人が法人であるときは代表者の資格を証する書面を、代理人によつて審査請求又は再審査請求をするときは委任状を、それぞれ添附しなければならない

さて、最後に個別労働関係紛争についての問題をチェックしましょう。

個別労働関係紛争というのは、従業員さん個人と会社との間で、労働条件などで折り合いが合わなくてモメゴトになっている状態のことです。

そんな時に紛争を解決するために活躍するのが特定社労士なのですが、その業務の内容によっては特定社労士ではない社労士でもできるんですかね?

というのが下の問題になっています。

 

「相談」は社労士ならオーケー?

(平成23年問10A)

具体的な個別労働関係紛争について依頼者があっせん等によって解決する方針を固めた以降に行われる紛争解決手続代理業務受任前の当該紛争に係る相談は、紛争解決手続代理業務に含まれないため、特定社会保険労務士でない社会保険労務士も行うことができる。

 

解説

解答:誤

依頼者があっせんなどによって解決する方針を固めた「以降」に行われる「相談」は、紛争解決手続代理業務に「含まれる」ので、特定社会保険労務士しか行うことができません。

ただ、あっせんで解決する方針を固める「以前」の段階であっせんの制度などを説明する段階の「相談」は、特定社労士ではない社労士でも可能です。

 

今回のポイント

  • 社労士は補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭して、裁判所において陳述することができ、社労士がした陳述は、当事者や訴訟代理人がしたものとみなされます。
  • 補佐人は、特定社労士でないとダメという規定がないので社労士であればできます。
  • 提出代行は、提出義務者であるお客さんの代わりに申請書などの書類を作成したり、書類提出時にお役所からの質問に答えたり、書類の必要な補正をしたりすることを言います。
  • 事務代理」は、単に書類を提出したり、変更したりするだけでなく、お役所から調査があったりした時にも、社労士が主張や陳述ができるのです。
  • 審査請求(再審査請求を含む)で事務代理を社労士が行う時は、申請書に事務代理者と表示していても「委任状」の添附は必要ですので省略することはできません。
  • 依頼者があっせんなどによって解決する方針を固めた「以降」に行われる「相談」は、紛争解決手続代理業務に「含まれる」ので、特定社会保険労務士しか行うことができません。

 

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