「社労士試験 労災保険法 特別加入に関する取扱説明書」過去問・労災-63

今回は、特別加入について取り扱った過去問を集めてみました。

特別加入には、第1種から第3種まで3種類ありますが、それぞれ要件が全く違うので、確認をしていきたいところです。

その中でも、特別給与を算定基礎とする特別支給金は原則として支給されないなど共通点もあったりしますので、

その辺りもチェックしておきましょう。

それでは最初の問題を見てみましょう。

この問題は、第1種特別加入についての趣旨について問われています。

どのような目的で第1種特別加入者の制度があるのかを確認していくことにしましょう。

 

第1種特別加入(中小事業主)の趣旨

(平成26年問2オ)

労災保険は、労働者の業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害に対して保険給付を行う制度であるが、業務の実態、災害の発生状況等に照らし、実質的に労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し、労災保険の適用を及ぼそうとする趣旨から、中小事業主等に特別加入の制度を設けている。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労災保険は、本来、労働者の業務災害などに対して補償を行うのが目的なのですが、

中小企業の場合、社長も他の労働者と一緒に作業を行うことも珍しくありません。

しかし、もし社長が作業中にケガをしてしまった場合に、何の補償もないのは気の毒な感じがしますね。

なので、業務の実情や災害が発生した状況によっては労災保険を適用するよ、というのが第1種特別加入の制度です。

とは言っても、仕事中の災害だからといって無条件に労働保険が適用されるわけではなさそうです。

次の問題を見てみましょう。

 

保険関係と保険給付の関わりとは

(平成25年問2C)

土木工事及び重機の賃貸のそれぞれを業として行っていた事業主の、労働者を使用することなく行っていた重機の賃貸業務に起因する死亡につき、同事業主が労働者を使用して行っていた土木工事業について労災保険法第33条第1項に基づく加入申請の承認を受けていれば、同法に基づく保険給付の対象になる。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、残念ながら労災保険の保険給付の対象になりません。

事業主が特別加入していたのは土木工事業についての保険関係になります。

災害があったのは、土木事業の方ではなく、重機の賃貸業務です。

重機の賃貸業務の方は労働者を使用しておらず、保険関係が成立していないので、気の毒なお話ですが労災保険の保険給付は行われないということになります。

次は、第2種特別加入者の方を見ていきましょう。

第2種特別加入は、一人親方や特定作業従事者が対象になります。

一人親方は、個人タクシーや大工さんなどが対象で、基本的に1人で仕事をしている人になります。

一方、特定作業従事者というのは、農業や家内労働、介護作業の業種で、一定の要件を満たした特定作業に従事している必要があります。

次の問題は農業にかかる特定作業従事者の要件が論点になっていますので見てみましょう。

 

農業にかかる特定作業従事者の要件(第2種特別加入者)

(平成24年問5B)

年間農業生産物総販売額200万円であって経営耕地面積1へクタールの畜産の事業場における家畜の飼育の作業で、牛・馬・豚に接触し又はそのおそれのあるものに従事する者は、労災保険の特別加入の対象となる。

 

解説

解答:誤り

農業にかかる特定作業従事者は、

  • 年間農業生産物総販売額 → 「300万円以上」 または
  • 経営耕地面積 → 2へクタール以上

が要件になっていますので、問題文の場合は該当しません。

ある程度の事業規模がないと、特定作業従事者とは認めてもらえないということのようですね。

で、第2種特別加入者には一人親方も対象になっているのは先ほどお話したとおりですが、

適用される保険給付については条件があるようです。

下の問題では通勤災害が論点になっていますので見てみましょう。

 

第2種特別加入者と通勤災害の関係は?

(平成26年問7A)

特別加入制度において、個人貨物運送業者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

第2種特別加入者の中で、個人貨物運送業者や個人タクシー業者、家内労働者などについては、住居と仕事場所の移動が不明確なので通勤災害は適用されません

たとえば、個人タクシー業者の場合、自宅のガレージに商売道具であるタクシーを置いてたりするわけで、通勤という概念が乏しいイメージですね。

なので、通勤災害が適用されないわけです。

最後に、第3種特別加入者について問われている過去問を見てみましょう。

第3種特別加入者は海外で仕事をする人を対象にした特別加入ですが、海外で仕事をするというだけでは加入できないようです。

特別加入するための要件を確認していきますね。

 

第3種特別加入者(海外派遣者)になるための条件

(平成26年問2ウ)

日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、特別加入はできず、労災保険が適用されません。

どういうことかというと、第3種特別加入者は、文字どおり、海外派遣者が対象になるので、国内から海外へ派遣されていることが前提になります。

なので、海外で直接採用された人については、特別加入の対象外となります。

 

今回のポイント

  • 中小事業主に対しても業務の実情や災害が発生した状況によっては労災保険を適用するというのが第1種特別加入の制度です。
  • 農業にかかる特定作業従事者は、
    • 年間農業生産物総販売額 → 「300万円以上」 または
    • 経営耕地面積 → 2へクタール以上

    が要件になっています。

  • 第2種特別加入者の中で、個人貨物運送業者や個人タクシー業者、家内労働者などについては、住居と仕事場所の移動が不明確なので通勤災害は適用されません
  • 第3種特別加入者は、海外派遣者が対象になり、国内から海外へ派遣されていることが前提になりますので、海外で直接採用された人については、特別加入の対象外となります。

 

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