『社労士試験 雇用保険法 基本手当のキモ!「失業の認定」にまつわるエトセトラ』過去問・雇-57

雇用保険法の基本手当は、失業等給付のキモといえる項目で、

今回はその基本手当を受給するための「失業の認定」を取り扱った過去問にスポットを当てて行きたいと思います。

この失業の認定を受けないと基本手当を受けることができませんので、

社労士試験でもこの辺りの論点がよく出題されています。

失業の認定に関して、どのようなことが問われているのか見ていきましょう。

最初の問題は、失業の認定に必要なモノについて確認していきますね。

 

受給資格者が失業の認定を受けるためには

(平成25年問2ア)

受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し、正当な理由がある場合を除き離職票に所定の書類を添えて提出した上、職業の紹介を求めなければならない。

 

解説

解答:誤り

失業の認定を受けるときは、離職票に所定の書類ではなく、「失業認定申告書受給資格者証」を添えて提出します。

離職票を提出するのは、離職した後にハローワークへ行って求職の申込みをする段階なので整理しておかなければなりません。

つまり、

  1. 離職したら、離職票を持ってハローワークへ行き求職の申込
  2. 受給資格者証を発行してもらう
  3. 失業の認定日に、失業認定申告書に受給資格者証を提出して失業の認定を受け、職業の紹介を求める
  4. 失業の認定を受けた日について基本手当が支給される

という順序になっていますので、流れをイメージできるようにしておくといいですね。

で、基本手当が支給されるためには、「この日は失業している」という認定が必要なわけですが、

判断をする間隔はどのように区切られているのか、下の問題で確認しましょう。

 

失業の認定の判断はどのように行われる?

(平成27年問7A)

失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、原則として受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

失業の認定は、離職してから最初にハローワークへ出頭した日をスタート地点にして、そこから4週間に1回ずつ行われ、

直前の28日(7日×4週間)について、1日ずつ失業の認定をされることになります。

で、失業の認定をされた日について基本手当が支給されることになるのですが、

もしアルバイトなどをして一定の収入があると判断された時は、その日については失業していた日とは認められず、基本手当は支給されません。

ちなみに、失業の認定は、受給資格者が「新しい職場で仕事をしたい」(求職の申込み)という意思のもとで行われるので、

原則として受給資格者以外の代理人が失業の認定を受けることはできません

さて、失業の認定を受けて基本手当だけもらっていてはいけません。

なんのために基本手当を受給しているのかというと、次の仕事を探すためです。

基本手当は、就職活動をしている間の生活費ですから、

失業の認定を受けて基本手当をもらうためには、就職活動の実績を報告する必要があるのです。

これを「求職活動の確認」と言いますが、失業の認定を受けるためには、認定日と認定日の間、

つまり4週間で2回以上の求職活動をしている必要があります。

たとえば、企業の面接を受けたり職業指導を受けたりすることが求職活動になるのですが、「1回の求職活動」と認められる基準はどなっているのでしょうか。

下の問題で確認しましょう。

 

求人への応募と認められるための基準

(令和2年問2E)

認定対象期間において一の求人に係る筆記試験と採用面接が別日程で行われた場合、求人への応募が2回あったものと認められる。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、求職活動として認められる求人への応募は1回分となります。

企業の採用活動には、書類選考や筆記試験、1次面接から最終面接へと多くの段階があることが珍しくありません。

ただ、求職活動として認められるのは、一つの求人について「1回」となります。

これは、問題文のように筆記試験と面接が別々の日に行われたとしても別々にカウントしてくれるわけではありません。

ということで、基本手当を受けるためには、「労働する意思」が必要なわけですが、

この「労働」について考えて見たいと思いますので、まずは次の問題を読んでみてくださいね。

 

もし自営業の準備を着々と進めていたら、、、

(令和2年問2C)

自営の開業に先行する準備行為に専念する者については、労働の意思を有するものとして取り扱われる。

 

解説

解答:誤り

問題文のように自営業の開業準備に専念している人については、「労働の意思を有しているもの」として「取り扱われません」。

自営業の開業準備も立派な「労働の意思」だと思うのですが、

雇用保険法上でいうところの「労働の意思」とは、「就職しようとする積極的な意思」のことを指し、

ハローワークで求職の申込みを行うだけでなく、積極的に求職活動を行っている場合に、「労働の意思」があるものとして認められるわけです。

なので、基本手当をもらいながら、求職活動をせずにせっせと開業準備をするというのはNGなわけですね。

ただ、開業準備に専念しているとまでは言えず、ハローワークの職業紹介に対応できる場合は大丈夫です。

それでは最後に、失業の認定日にもし、ハローワークに行くことができなかった場合、失業の認定はどうなるのか確認しましょう。

原則としては、失業の認定日に出頭できないとアウトなのですが、、、

 

もし失業の認定日にハローワークへ出頭できなかったら?

(平成27年問7E)

受給資格者が配偶者の死亡のためやむを得ず失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができなかったことを失業の認定日後に管轄公共職業安定所長に申し出たとき、当該失業の認定日から当該申出をした日の前日までの各日について失業の認定が行われることはない。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、失業の認定が行われることがあります。

失業の認定日にやむを得ない事情があって出頭できないときは、原則としては事前に申し出る必要があります。

その場合、申し出た日の前日までの日について失業の認定をしてくれます。

もし、やむを得ない事情が突発的に起きて、事前に申し出ることができなかった場合は、

次回の失業認定日の前日までにハローワークへ出頭し、認定日の変更の申し出をすることができます。

ただ、この「やむを得ない理由」もちゃんと規定があって、

  • 就職する場合
  • 証明書による認定に該当する場合
  • ハローワークの紹介によらないで求人者に面接する場合
  • 各種国家試験、検定などの資格試験を受験する場合
  • 親族の危篤または死亡、葬儀

などがあります。

2番目の「証明書による認定」についても、継続15日未満の病気や、ハローワークの紹介による面接など要件がありますので、

お手持ちのテキストでご確認されてみてくださいね。

 

今回のポイント

  • 失業の認定を受けるときは、離職票に所定の書類ではなく、「失業認定申告書受給資格者証」を添えて提出します。
  • 失業の認定は、離職してから最初にハローワークへ出頭した日をスタート地点にして、そこから4週間に1回ずつ行われ、直前の28日(7日×4週間)について、1日ずつ失業の認定をされることになります。
  • 企業の採用活動には、書類選考や筆記試験、1次面接から最終面接へと多くの段階があることが珍しくありませんが、求職活動として認められるのは、一つの求人について「1回」となります。
  • 自営業の開業準備に専念している人については、労働の意思を有しているものとして取り扱われません。
  • 失業の認定日にやむを得ない事情があって出頭できないときは、原則としては事前に申し出る必要がありますが、申し出た日の前日までの日について失業の認定をしてくれます。もし、やむを得ない事情が突発的に起きて、事前に申し出ることができなかった場合は、次回の失業認定日の前日までにハローワークへ出頭し、認定日の変更の申し出をすることができます。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

「過去問は読みもの」

ということを聞いたことがあるかも知れません。

新しい分野の勉強をするときは過去問を解くのではなく「読む」のです。

試験にどんな知識が問われるのかを知ることがスタートです。ここが学校の勉強と大きく異なります。

 

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