健康保険法では、被保険者自身だけでなく、被扶養者に対しても保険給付を行います。
その被扶養者の範囲や要件についての過去問が数多く出されていますので、重要事項と言えるでしょう。
また、被扶養者については法改正もされているので注意が必要です。
それでは、どのような論点を問われているのか見ていきましょう。
内縁の妻の父、、、ですが被扶養者になれますか?
(令和元年問5B)
健康保険法の被扶養者には、被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するものを含む。(対象者の国内居住等の要件はみたしているものとします)
解説
解答:正
問題文のとおりです。
いわゆる内縁の配偶者の親族の場合は、
- 被保険者の配偶者であって届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情になるものの父母及び子
- 生計維持+同一世帯+国内居住等
が対象となります。
法改正で国内居住等の要件が追加されました。
これは、
- 日本国内に住所を有する
- 留学などで外国にはいるけど、日本国内に生活の基礎があると認められるもの
ということになります。
逆に、日本にはいるけど、外国人の方で医療目的などで滞在されている方などは対象外となります。
では、被扶養者になるための他の要件を見てみましょう。
義理の母ですが、別居してるんですけど、、、
(平成30年問10B)
被保険者の配偶者の63歳の母が、遺族厚生年金を150万円受給しており、それ以外の収入が一切ない場合、被保険者がその額を超える仕送りをしていれば、被保険者と別居していたとしても被保険者の被扶養者に該当する。(国内居住等の要件は満たしているものとします。)
解説
解答:誤
問題文の場合は被扶養者に該当しません。
配偶者の母は3親等内の親族にあたります。
この場合、
・生計維持+同一世帯+国内居住等
が要件になりますが、問題文の場合は別居しているので被扶養者にはなれません。
ちなみに、収入の要件ですが、仮に問題文が実の母だった場合、
認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。
今回のポイント
いわゆる内縁の配偶者の親族の場合は、
『被扶養者の配偶者であって届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情になるものの父母及び子』
が対象となり、3親等内の親族も含めて、
『生計維持+同一世帯+国内居住等』
が要件になります。
次に収入の要件ですが、別居の場合、
『認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合』には、被扶養者となります。
ちなみに、同居の場合は、被保険者の年間収入の2分の1未満であることが必要です。
最後に、法改正で国内居住等の要件が追加されました。
これは、
- 日本国内に住所を有する
- 留学などで外国にはいるけど、日本国内に生活の基礎があると認められるもの
となります。
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