「社労士試験 徴収法 概算保険料や確定保険料の申告と納付を思い出してみましょう」過去問・徴-54

今回は、概算保険料・確定保険料の申告と納付について見ていきたいと思います。

継続事業有期事業有期事業の一括といった事業ごとに要件を見ていくことで、きちんと整理しておきたいですね。

それでは早速最初の問題を見てみましょう。

下の問題は、継続事業から見た概算保険料が論点になっています。

継続事業の概算保険料はいつまでに納付することになっているのでしょうか?

 

継続事業の概算保険料はいつまでに納付する?

(平成30年雇用問9ウ)

継続事業(一括有期事業を含む。)について、前保険年度から保険関係が引き続く事業に係る労働保険料は保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日までに納付しなければならないが、保険年度の中途で保険関係が成立した事業に係る労働保険料は保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内に納付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

継続事業の概算保険料は、

  • 前保険年度から保険関係が引き続いている場合 → 保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日まで
  • 保険年度の中途で保険関係が成立した場合 → 保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内

に納付する必要があります。

継続事業の場合は、事業が終わらない限り半永久的に続きますので、労働保険料は年度ごとに区切られる形になります。

継続事業を立ち上げたときは、保険関係が成立した翌日から50日以内に概算保険料を納付し、それ以後は年1回、6月1日から7月10日の間に納付します。

では、確定保険料はどのように納付するのかを次の問題で見ておきましょう。

 

継続事業での確定保険料の納付方法

(平成26年雇用問9エ)

継続事業(一括有期事業を含む。)の労働保険料(印紙保険料を除く。)は、当該保険料の算定の対象となる期間が終わってから確定額で申告し、当該確定額と申告・納付済みの概算保険料額との差額(納付した概算保険料がないときは当該確定額)を納付する仕組みをとっており、この確定額で申告する労働保険料を確定保険料という。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

継続事業の場合、概算保険料でその年の労働保険料の概算額を納付しておいて、確定保険料を申告するときに、労働保険料を精算して確定させます。

そのときに、もし概算保険料が確定保険料よりも少なかった場合は、その差額を確定保険料として納付することになります。

逆に、概算保険料が確定保険料よりも多かった場合は、次の年度の労働保険料や未納の一般拠出金に充当するか、還付請求を行うこともできます。

で、確定保険料の申告と納付のタイミングは、6月1日から40日以内(7月10日)となっています。

もし、年度の途中で事業が終わる場合は、保険関係が消滅した日から50日以内に行う必要があります

さて、次は有期事業に目を向けてみましょう。

下の問題では、有期事業の場合の概算保険料の取り扱いについて問われていますので見ていきますね。

 

有期事業の概算保険料の申告はいつまで?

(平成27年労災問9B)

建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が成立した場合には、その成立した日の翌日から起算して20日以内に、概算保険料を概算保険料申告書に添えて、申告・納付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

有期事業の場合、概算保険料の申告と納付は、保険関係が成立した日から20日以内にする必要があります。

ちなみに、確定保険料の申告と納付は、保険関係が消滅した日から50日以内です。

とは言うものの、たとえば建設工事が1ヶ月くらいで終わるような短期間のものもあれば、ダムの建設のように何年もかかる事業もあります。

そこで気になるのは、概算保険料の納付方法ですが、何年もかかる事業の場合、どのように納付するのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

有期事業における概算保険料の納付方法

(平成29年雇用問8オ)

平成29年4月1日から2年間の有期事業(一括有期事業を除く。)の場合、概算保険料として納付すべき一般保険料の額は、各保険年度ごとに算定し、当該各保険年度に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額の合計額に当該事業の一般保険料率を乗じて得た額となる。この場合、平成30年度の賃金総額の見込額については、平成29年度の賃金総額を使用することができる。

 

解説

解答:誤り

原則として、有期事業の概算保険料の額は、

「その事業の全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額にその事業についての一般保険料率を乗じて算定した額

となりますので、継続事業のように、保険年度ごとに算定するわけではありません

そうなると、先ほどのダムの建設工事のような大規模な事業になると労働保険料も相当な金額になっていることでしょう。

そんな場合のために「延納」の制度がありましたね。

有期事業で概算保険料が75万円以上、または労働保険事務組合に事務の処理を委託していれば、有期事業も延納が使えます。

それに、建設の事業であれば、概算保険料が160万円以上、もしくは請負金額が1億8千万円以上であれば、

元請負人と下請負人の事業を分離することもできますね。

さて、最後に有期事業が一括された場合の概算保険料の申告と納付がどうなるのか見ておきましょう。

最初の問題にヒントが出ていますが(苦笑)、有期事業が一括されると、あることが起こるのです。

 

有期事業が一括された時の取り扱い

(平成23年労災問10B)

有期事業の一括とされた事業においては、概算保険料の申告・納付の期限は、継続事業(保険年度の中途に保険関係が成立した事業及び特別加入の承認があった事業を除く。)と同様に、保険年度の6月1日を起算日として40日以内とされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

有期事業が一括されると、その全部の事業が一つの事業とみなされて、継続事業と同じ扱いになるので、労働保険料は年度ごとの算定になり、

概算保険料の申告と納付は6月1日から40日以内(7月10日)に行うことになります。

念のため、有期事業の一括の要件をまとめておきますね。

  • 建設の事業もしくは立木の伐採の事業であること
  • 事業主が同一人であること
  • それぞれの事業が有期事業であること。
  • それぞれの事業の規模が所定の規模以下であること
  • それぞれの事業が他のいずれかの事業の全部または一部と同時に行なわれること

所定の規模とは、概算保険料が160万円以下、建設の事業なら請負金額が1億8千万円以下、立木の伐採の事業は素材の見込み生産量が1000m3未満

 

今回のポイント

  • 継続事業の概算保険料は、
    • 前保険年度から保険関係が引き続いている場合 → 保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日まで
    • 保険年度の中途で保険関係が成立した場合 → 保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内

    に納付する必要があります

  • 継続事業の確定保険料は、概算保険料でその年の労働保険料の概算額を納付しておいて、確定保険料を申告するときに、労働保険料を精算して確定させますが、確定保険料の申告と納付のタイミングは、6月1日から40日以内(7月10日)となっています。(年度の途中で事業が終わる場合は、保険関係が消滅した日から50日以内に行う必要があります)
  • 有期事業の場合、概算保険料の申告と納付は、保険関係が成立した日から20日以内にする必要があり、確定保険料の申告と納付は、保険関係が消滅した日から50日以内です。
  • 有期事業の概算保険料の額は、「その事業の全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額にその事業についての一般保険料率を乗じて算定した額」となりますので、継続事業のように、保険年度ごとに算定するわけではありません
  • 有期事業が一括されると、その全部の事業が一つの事業とみなされて、継続事業と同じ扱いになるので、労働保険料は年度ごとの算定になり、概算保険料の申告と納付は6月1日から40日以内(7月10日)に行うことになります。

 

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