「社労士試験 徴収法 今さら聞けない継続事業の一括の要件とは」過去問・徴-51

今回は「継続事業の一括」について取り上げたいと思います。

継続事業の一括が成立するための要件であったり、一括で出来ること出来ないことなどを取り扱った過去問をご紹介しますので一つ一つ見ていきましょう。

早速1問目の過去問ですが、継続事業の一括の認可は誰が行うのでしょうか。

取り上げている過去問では、何かの要件と入れ替えて出題されています。。。

 

継続事業の一括の認可は誰がする?

(平成28年雇用問8E)

一元適用事業であって労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託するものに関する継続事業の一括の認可に関する事務は、所轄公共職業安定所長が行う。

 

解説

解答:誤

継続事業の一括の認可は、公共職業安定所長ではなく厚生労働大臣が行い、都道府県労働局長に委任されています。

これはひっかけ問題ですね。

「一元適用事業」・「労働保険事務組合に委託」とくれば「公共職業安定所長」ですが、これは「保険関係成立届」の提出先のお話です。

継続事業の一括については事務組合に事務の処理を委託しててもしてなくても関係ありませんね。

ちなみに、有期事業の一括、請負事業の一括法律上当然に一括されるので認可は必要ありません。

では、継続事業の一括についての要件について見ていきましょう。

継続事業なら何でも一括できるわけではなく、所定の条件があるのですが、それは一体何なのでしょうか。

 

継続事業の一括についての要件とは

(平成26年雇用問8D)

継続事業の一括に関する厚生労働大臣の認可の要件の一つとして、「それぞれの事業が、事業の種類を同じくすること。」が挙げられているが、雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業については、この要件を必要としない。

 

解説

解答:誤

継続事業の一括が成立するためには、たとえ二元適用事業であったとしても、労災保険率表による「事業の種類が同じ」であることが条件になります。

もし労災保険率が違う事業を一括したら、労災保険料の計算がややこしくなってしまい、一括する意味が薄れてしまいそうな気がしますね。

ちなみに、継続事業を一括するには、「事業の種類」だけでなく、「事業主も同一人」である必要があります。

で、継続事業を一括するということは、一括する側の事業と一括される側の事業があるわけですが、一括の効果として、一括された側の事業はどうなるのでしょうか。

次の過去問で確認しましょう。

 

継続事業の一括の効果

(平成30年労災問8A)

継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、都道府県労働局長が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

一括する側の事業を「指定事業」と呼び、一括される側の事業は「被一括事業」となりますが、被一括事業は保険関係が消滅し、指定事業側の労働者となります。

なので、継続事業の一括が行われると、被一括事業については、保険関係がなくなってしまうので、保険料の精算を行うことになります。

一方、指定事業側が所定の要件を満たしたときは、労働者の数が増えるので「増加概算保険料」の手続きが発生することが考えられますね。

さて、被一括事業の保険関係を消滅させて継続事業を一括するということは、それなりのメリットがあるのでしょう。

一括したことで「できること」と、一括しても「できないこと」にはどんなことがあるのか下の過去問で確認しましょう。

 

一括して「できること」・「できないこと」

(平成30年労災問8B)

継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、被一括事業の労働者に係る労災保険給付(二次健康診断等給付を除く。)の事務や雇用保険の被保険者資格の確認の事務等は、その労働者の所属する被一括事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長がそれぞれの事務所掌に応じて行う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

継続事業を一括した効果として、被一括事業の労働者は指定事業の労働者になるので、

徴収法の規定の適用、たとえば労働保険料の納付などを指定事業所轄の行政機関(労基署やハローワーク)でまとめて行うことができるようになりますが、

問題文にあるように、被一括事業労災保険の給付や、雇用保険の給付・被保険者資格の確認については一括できないので、被一括事業を管轄する行政機関で行うことになります。

ちなみに、二次健康診断等給付の請求は、所轄都道府県労働局長に行います。

では最後に、被一括事業の事業の形態が変更になった場合に、徴収法上、行わなければならないことについて確認しましょう。

たとえば、被一括事業の種類が変更になった時の手続きをどうするのかが、次の問題の論点になっています。

 

もし事業の種類が変わったら?その時の取り扱い

(平成30年労災問8E)

一括されている継続事業のうち指定事業以外の事業の全部又は一部の事業の種類が変更されたときは、事業の種類が変更された事業について保険関係成立の手続をとらせ、指定事業を含む残りの事業については、指定事業の労働者数又は賃金総額の減少とみなして確定保険料報告の際に精算することとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被一括事業の中で指定事業以外の事業の種類が変更になったとなると、先ほど出た、「労災保険率表による事業の種類が変更」ということになるので、

変更された事業については、新たに保険関係が成立するということになるので、保険関係成立届の提出が必要になります。

で、指定事業を含んだ残りの事業については、労働者の数が減るということになるので、確定保険料の申告時に精算することになります。

 

今回のポイント

  • 継続事業の一括の認可は、厚生労働大臣が行い、都道府県労働局長に委任されています。
  • 継続事業の一括が成立するためには、労災保険率表による「事業の種類が同じ」、「事業主が同一人」であることが条件になります。
  • 継続事業の一括が行われると、被一括事業については、保険関係がなくなってしまうので、保険料の精算を行うことになります。
  • 一括事業労災保険の給付や、雇用保険の給付・被保険者資格の確認については一括できないので、被一括事業を管轄する行政機関で行うことになります。
  • 被一括事業の中で指定事業以外の事業の種類が変更になったとなると、変更された事業については、新たに保険関係が成立するということになるので、保険関係成立届の提出が必要になります。

 

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