「社労士試験 労基法 お金に関する就業規則のルールをマルっと説明します」過去問・労基-52

社労士試験で労基法を勉強するとき、「就業規則」は欠かせない項目になっています。

就業規則に関しては、頻繁に出題されていますし、かつ幅広い論点が問われています。

なので、受験勉強を進める上では、重点的に押さえておくべき項目と言っていいでしょう。

今回は、就業規則の論点の中から「お金」に関するものを中心に集めてみましたので、一つ一つ見ていきましょう。

最初の問題は、お金に関することではありませんが、就業規則の作成義務をどのように考えればいいのか、ということが論点になっていますので取り上げてみました。

ちょっと確認してみましょう。

 

就業規則の作成義務の考え方

(令和2年問7D)

1つの企業が2つの工場をもっており、いずれの工場も、使用している労働者は10人未満であるが、2つの工場を合わせて1つの企業としてみたときは10人以上となる場合、2つの工場がそれぞれ独立した事業場と考えられる場合でも、使用者は就業規則の作成義務を負う。

 

解説

解答:誤

問題文の場合は、就業規則の作成義務はありません。

就業規則の作成義務については労基法89条に、

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」

とあります。

この「常時10人以上」というのは、問題文にあるような企業単位ではなく、「事業場単位」で数えていきます。

なので、一つの事業場で常時使用している労働者の数が10人未満の場合は、就業規則の作成義務はありません。

で、就業規則には、絶対に載せなければならない「絶対的必要記載事項」というものがあります。

たとえば、仕事の始業時刻終業時刻休憩時間休日に関することがあります。

では、絶対的必要記載事項には他にどんなものがあるのか次の問題を見てみましょう。

 

絶対的必要事項にはどんなものがある?

(平成25年問1B)

臨時の賃金等を除く賃金の決定、計算及び支払いの方法に関する事項は、労働基準法第89条において、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項となっている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

就業規則の絶対的必要記載事項には、「賃金の決定」や、「計算及び支払いの方法」に関する事項が含まれています。

ちなみに、「賃金」には臨時の賃金は含まれません。

臨時の賃金は、文字どおり突発的に支払われる賃金のことで、たとえば結婚手当などで支給の基準が決まっておらず、支給するタイミングが不確定なものを指します。

賃金に関しては、「計算及び支払いの方法」の他に、「賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給」も絶対的必要記載事項になっています。

また、就業規則の絶対的必要記載事項についてはもう一つ要件があります。

それがなんなのか下の過去問で確認しましょう。

 

絶対的必要記載事項にはどんなものがある? その2

(平成23年問5A)

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職に関する事項(解雇の事由を含む。)を、就業規則に必ず記載しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、「退職に関する事項」は絶対的必要記載事項です。

ただ、一口に退職に関する事項といっても、問題文にあるように「解雇の事由」も含まれるわけですが、退職についてどこまでの範囲を書けばいいのかちょっと分かりにくいですね。

なので、退職についてどこまでのことを指しているのか次の問題でチェックしましょう。

 

退職に関する事項とは

(平成24年問3オ)

労働基準法第89条では、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項として「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」が規定されているが、ここでいう「退職に関する事項」とは、任意退職、解雇、定年制、契約期間の満了による退職等労働者がその身分を失うすべての場合に関する事項をいう。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

就業規則に載せる「退職に関する事項」というのは、「退職の手続き」、「定年を何歳にするのか」、「どういったことをすれば解雇になるのか」など、労働者がその会社の労働者でなくなるすべての場合に関する事項を指しています。

たとえば、「労働者の定年は、満○歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。」といった具合にその会社のルールを定めるんですね。

ただ、退職について絶対的必要記載事項にならないものが一つあります。

それは一体、、、?

 

「退職◯◯」になると、、、絶対的必要記載事項ではなくなる。

(平成24年問7A)

労働基準法によれば、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職手当に関する事項を就業規則に必ず記載しなければならないとされており、また、期間の定めのない労働契約によって雇用される、勤続期間が3年以上の労働者に対して退職手当を支払わなければならない。

 

解説

解答:誤

退職に関する事項でも、「退職手当」に関するものは「相対的必要記載事項」となり、退職金の制度を敷く場合は記載する必要はありますが、退職金制度がない場合は記載する必要はありません。

ちなみに、退職手当の定めをするときは、

  • 適用される労働者の範囲
  • 退職手当の決定
  • 計算及び支払の方法
  • 支払の時期

に関する事項を記載する必要があります。

 

今回のポイント

  • 就業規則の作成義務となる「常時10人以上」は「事業場単位」で数えます。
  • 就業規則の絶対的必要記載事項には、「賃金の決定」や「計算及び支払いの方法」、「賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給」に関する事項が含まれています。
  • 退職に関する事項」も絶対的必要記載事項となっており、労働者がその会社の労働者でなくなるすべての場合に関する事項を指しています。
  • 退職手当」に関するものは「相対的必要記載事項」となり、退職金の制度を敷く場合は記載する必要はありますが、退職金制度がない場合は記載する必要はありません。

 

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