過去問

「社労士試験 今のうちにサクッと見ておこう!国民健康保険法の概要」過去問・社一-13

国民健康保険法は、普通の健康保険と似ているところがあるので、ある程度馴染みがあるとは思いますが、

独自の制度があったりしますので、健康保険との違いをピックアップしていくと覚えやすいかもしれません。

社労士試験での出題頻度もそこそこあるので、早めにサクッと触れておくと後でラクになって来ますよ。

それでは最初の問題を見てみましょう。

国民健康保険団体連合会を設立するときに求められることが論点になっています。

 

国民健康保険団体連合会を設立するときに必要なもの

(令和元年問6D)

国民健康保険団体連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

国民健康保険団体連合会というのは、都道府県市町村組合が共同して目的を達成するために設立するものです。

で、その国民健康保険団体連合会は都道府県単位で設立することになっているのですが、設立するときは都道府県知事の認可を受ける必要があります。

国民健康保険団体連合会がなにをしているのかというと、国民健康保険にかかる診療報酬の審査支払に関する事務です。

ということは当然、診療している病院や薬局などは国民健康保険団体連合会と密接に関わっていそうですが、

下の問題を見てみましょう。

診療や調剤に関する指導は国民健康保険団体連合会から受けることになるのでしょうか、、、?

 

診療や調剤に関しての指導は誰から受ける?

(平成25年問7B)

保険医及び保険薬剤師は国民健康保険の診療又は調剤に関し、国民健康保険団体連合会の指導を受けなければならない。

 

解説

解答:誤

保険医保険薬剤師が、国民健康保険の診療や調剤に関して指導を受けるのは、「国民健康保険団体連合会」ではなく、「厚生労働大臣又は都道府県知事」です。

ただ、厚生労働大臣や都道府県知事が診療や調剤について専門的な知識を持っているわけではありませんので、

基本的に学識経験者や関係団体が必要に応じて指導に立ち会うことになっています。

さて次は給付面を見てみましょう。

健康保険法にもある傷病手当金ですが、国民健康保険法上の傷病手当金はどのような制度になっているのでしょうか。

正直、国民健康保険の傷病手当金てあまり聞いたことがないような気がするのは私だけでしょうか、、、

 

国民健康保険の傷病手当金、、、

 

(平成26年問7C)

市町村及び特別区並びに国民健康保険組合は、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給を行うことができる。(問題文を一部補正しています。)

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

つまり、国民健康保険では傷病手当金は「任意給付」になっていて、支給するかどうかは市町村や国民健康保険組合ごとに決めることができます。

この任意給付は、傷病手当金と出産手当金が該当します。

実は、国民健康保険では上記の「任意給付」のほかに「法定任意給付」というものもあります。

任意給付は、給付するかどうかは市町村などが自由に決めることができるのですが、

法定任意給付は、基本的には給付するけど特別な理由があるときはごめんね、という種類のもので、

出産育児一時金」や「葬祭費」などがそれにあたります。

では、次の問題では「移送費」について問われているのですが、移送費はどこのカテゴリーに入っているのでしょうか。

 

移送費はどの給付になっている?

(平成26年問7B)

市町村及び特別区並びに国民健康保険組合は、被保険者が療養の給付を受けるために病院又は診療所に移送されたときは、条例又は規約の定めるところにより移送費の支給を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。(問題文を一部補正しています。)

 

解説

解答:誤

移送費は任意給付でも法定任意給付でもなく、「法定必須給付」になっています。

なので、療養の給付のように市町村や国民健康保険組合が必ず行わなければならない給付です。

ただ、移送費については、厚生労働省令に定めるところにより、市町村や国民健康保険組合が必要であると認める場合に限って支給されます。

まあ、それはそうですよね。

電車で行けるのにハイヤーの料金を請求されても困りますもんね。苦笑

では最後に、国民健康保険料を滞納したときの取り扱いについての問題を見ておきましょう。

市町村がどのように滞納している保険料を回収しようとしているのかが次の問題の論点になっています。

 

国民健康保険料を滞納するとどうなる?

(令和2年問10B)

国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主であって、市町村から被保険者資格証明書の交付を受けている者が、国民健康保険料を滞納しており、当該保険料の納期限から1年6か月が経過するまでの間に当該保険料を納付しないことにより、当該保険給付の全部又は一部の支払いを一時差し止めされている。当該世帯主が、この場合においても、なお滞納している保険料を納付しないときは、市町村は、あらかじめ、当該世帯主に通知して、当該一時差し止めに係る保険給付の額から当該世帯主が滞納している保険料額を控除することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

国民健康保険料を滞納すると、保険証を返納する代わりに「被保険者資格証明書」が交付されるのですが、

この被保険者資格証明書を使って診療を受けると、保険給付分は差し止められるので診療費は全額自己負担します。

で、後で市町村へ行って保険給付分を請求して支給してもらうのですが、市町村は、支給する保険給付のお金から滞納している保険料を差し引くことができるのです。

そうやって国民健康保険料の滞納分を回収しているのですね。

 

今回のポイント

  • 国民健康保険団体連合会というのは、都道府県市町村組合が共同して目的を達成するために設立するもので、その国民健康保険団体連合会は都道府県単位で設立することになっていて、設立するときは都道府県知事の認可を受ける必要があります。
  • 保険医保険薬剤師が、国民健康保険の診療や調剤に関して指導を受けるのは、「厚生労働大臣又は都道府県知事」です。
  • 国民健康保険では傷病手当金出産手当金は「任意給付」になっていて、支給するかどうかは市町村や国民健康保険組合ごとに決めることができます。
  • 移送費は任意給付でも法定任意給付でもなく、「法定必須給付」になっていて、市町村や国民健康保険組合が必ず行わなければならない給付です。
  • 国民健康保険料を滞納すると、「被保険者資格証明書」が交付され、それを使って診療を受けると、保険給付分は差し止められるので診療費は全額自己負担するので、後で市町村へ行って保険給付分を請求して支給してもらうのですが、市町村は、支給する保険給付のお金から滞納している保険料を差し引くことができるのです。

 

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