「社労士試験 健康保険法 保険給付の受給権にまつわるエトセトラ」健保−49

保険給付のの受給権について社労士試験ではいろいろな論点で出題されています。

たとえば受給権の譲渡や課税、労災保険との関連などバラエティに富んでいますね。

今回は、そんな受給権についての過去問を集めてみましたので一つ一つ見ていきましょう。

最初の問題は保険給付の権利を譲渡できるかどうかが問われています。

 

保険給付の権利を譲渡することができる?

(平成24年問7D)

保険給付を受ける権利は、健康保険法上、必要と認める場合には、譲渡や担保に供したり又は差し押さえることができる。

 

解説

解答:誤

保険給付を受ける権利について、「譲渡・担保・差し押さえ」をすることはできません

他の科目の保険給付についてもほとんどそうですが、保険給付はその人に必要だから給付しているわけで、

給付を受ける権利を譲渡したり、担保に入れたり、ましては差し押さえをすることはできないと規定されています。

では譲渡などができないのであれば、課税の対象にはなるのでしょうか。

たとえば傷病手当金であれば、申請すれば毎月収入を得ることもできるわけですが、、、

 

傷病手当金は課税対象になる?

(平成24年問8E)

租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできないが、傷病手当金は、療養中の期間の所得保障を目的に支給されるため、所得税の課税対象になる。

 

解説

解答:誤

傷病手当金について課税することはできません。

規定では、

「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない

となっています。

文中に「金品」となっていますが、健康保険の場合、治療のための薬剤なども保険給付の対象になっていますから、そういった物品も課税の対象にならない、ということですね。

では、次は傷病手当金を受けていたなか、不幸にも被保険者が亡くなられた場合どうなるのかを次の過去問で見てみましょう。

 

もし被保険者が亡くなった場合、傷病手当金の請求権はどこへ、、、

(平成25年問10ウ)

被保険者が死亡した場合、その被保険者の傷病手当金の請求権については、相続権者は請求権をもたない。

 

解説

解答:誤

問題文の場合、相続権者が傷病手当金の請求権を持つことになります。

健康保険法の場合、労災保険法や厚生年金法などのように「配偶者が自己の名で、、、」みたいな未支給の給付の規定がないので、相続権者が請求権を持っているということになるんですね。

さて、先ほど労災保険の名前が出てきましたので、労災保険と健康保険の関係を見ていきましょう。

どちらの法律も、治療に対する給付がありますが、給付の順序について問われているのが次の問題になります。

 

労災保険と健康保険の関係

(令和元年問5A)

労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険により給付する。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

任意適用事業所に使用されている労働者が通勤災害にあった場合、労災保険の保険関係が成立していないのであれば、健康保険が適用されます。

もし、事業主が労災保険に加入して適用事業所になった場合は、労災保険の通勤災害が適用されることになります。

これは余談ですが、健康保険の被保険者が傷病手当金の申請をしてきたときに、

通勤災害に該当する可能性がある場合は、まず労災保険の支給申請をするように促す旨の通達がなされています。

さて、たとえば健康保険の被保険者が罪を犯して刑務所などの施設に入ってしまった場合は、被保険者に対して基本的には保険給付が行われません。

でもその被保険者に被扶養者がいた場合はどうなるのでしょう。

被扶養者に対する保険給付も止めれられてしまうのでしょうか、、、?

 

被保険者が拘禁されてしまったらその被扶養者はどうなる、、、

(平成26年問8C)

保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)を行わないが、被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者が少年院や刑務所などの施設に収容されて保険給付を止められても、被扶養者に対する保険給付まで止められるわけではありません

 

今回のポイント

  • 保険給付を受ける権利について、「譲渡・担保・差し押さえ」をすることはできません
  • 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することができません。
  • 被保険者が死亡した場合、被保険者の傷病手当金の請求権は相続権者が持っています。
  • 任意適用事業所に使用されている労働者が通勤災害にあった場合、労災保険の保険関係が成立していないのであれば、健康保険が適用され、事業主が労災保険に加入して適用事業所になった場合は、労災保険の通勤災害が適用されることになります。
  • 被保険者が少年院や刑務所などの施設に収容されたとしても、被扶養者に対する保険給付は行われます。

 

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