正直に告白しますが、メリット制は、はっきり言って生理的に受けつけません!
これは今でもそうです。笑
なぜメリット制がここまで嫌いなのかは分かりません。。。
制度がややこしいという意味では、年金科目の方がよっぽど分かりにくいと思うのですが、なぜかメリット制と聞くだけで敬遠してしまうのです。。。
あなたはいかがですか?笑
とは言っても、社労士試験に出る可能性がある以上、ある程度押さえておく必要はありますので、この記事を読んで少しでもメリット制を身近なものにしてもらえたら嬉しいです。
まず、克服するための第一歩としては、
メリット制は、数字の要素が多いので、過去問演習を繰り返しながら知識を取り入れて、本試験の直前まで覚えられなかったものを最後の最後に暗記することをオススメします。
では、最初の過去問は一括有期事業を含めた継続事業がメリット制を受けるための要件についての問題です。
こちらは「数字」が論点になってきます。
継続事業がメリット制を受けるための要件は?
(平成24年労災問9イ)
継続事業(一括有期事業を含む。)に係るいわゆるメリット制の適用を受けることができる事業は、連続する3保険年度中の各保険年度において、少なくとも次のいずれかに該当する事業であることが必要である。
①100人以上の労働者を使用する事業
②20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすもの
③規模が、建設の事業及び立木の伐採の事業について当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続事業(一括有期事業含)がメリット制の適用を受けるためには、
- 100人以上の労働者を使用する事業
- 20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって災害度係数が0.4以上の事業
- 建設の事業及び立木の伐採の事業であって当該年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの
である必要があります。
で、災害度係数というのは、労働者数に、労災保険率から通勤災害などの非業務災害率を引いた数を乗じて得た数字になるのですが、
数式にすると、
災害度係数=『労働者数 ×(労災保険率−非業務災害に係る率)』
となり、上記の計算式で出た数字(災害度係数)が0.4以上ならOKということです。
ん〜、これだけでお腹いっぱいになりそうですが、そういうときは、一気に理解しようとせずに、少しずつでもいいので何回も触れておくことが大切です。
これは、年金科目などの苦手科目に言えることですが、苦手なものほど目にする機会を増やしておくと、ある時フッと知識がつながる瞬間があるのです。
なので、あきらめずに繰り返すことを実践していきましょう。
つぎは、先ほどの人数要件に、第1種特別加入者が含まれるのか、という論点の問題ですので確認しておきましょう。
メリット制には第1種特別加入者も含む?
(平成28年労災問10ア)
メリット制が適用される事業の要件である(1)100人以上の労働者を使用する事業及び(2)20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすものの労働者には、第1種特別加入者も含まれる。
解説
解答:正
問題文のとおり、メリット制が適用されるための要件である労働者数には、第1種特別加入者も含まれます。
ちなみに、第1種特別加入者というのは、中小事業主のことですが、事業主も労働者と一緒に仕事をしていてケガなどをする可能性があるから保険に入りたい、というのが第1種特別加入の労災保険なので、事業主も労働者数に入れるのは自然の流れですよね。
さて、次はメリット収支率と特例支給金についての問題です。
メリット収支率というのは、一口にいうと、
連続する3保険年度中の保険料に対する保険給付の割合で、もっと簡単にすると、
「保険給付」÷「保険料」
ということですね。
この保険給付に特例支給金を入れるのかどうか、が論点になっています。
特別支給金はメリット収支率の計算に入れないの?
(平成25年労災問10A)
特別支給金規則に定める特別支給金は、業務災害に係るものであっても全て、メリット収支率の算出においてその計算に含めない。
解説
解答:誤
特別支給金は、メリット収支率の算出をするときに計算に含みます。
ただ、すべての特例支給金を含むのか、というとそうではなくて、
- 遺族補償一時金
- 障害補償年金差額一時金
- 特定疾病に係る保険給付の額
- 第三種特別加入者に係る保険給付
は計算に入れません。
ではいよいよ、どういうときにメリット制が適用されて労働保険料が増えたり減ったりするのか、というお話に入っていくのですが、
労働保険料の増減には、先ほどのメリット収支率の割合の数字が要件になってくるので見てみましょう。
労働保険料が増減するメリット収支率の割合は?
(平成25年労災問10E)
継続事業に対する労働保険徴収法第12条による労災保険率は、メリット制適用要件に該当する事業のいわゆるメリット収支率が100%を超え、又は75%以下である場合に、厚生労働大臣は一定の範囲内で、当該事業のメリット制適用年度における労災保険率を引き上げ又は引き下げることができる。
解説
解答:誤
「100%を超え」ではなく、メリット収支率が「85%を超え」、又は「75%以下」である場合に、継続事業の労災保険率を引き上げ又は引き下げることができます。
その、引き上げたり引き下げられたりする労災保険率は、どちらも40%がマックスなのですが、中小企業で一定の要件を満たすと、その増減幅が拡大されるのです。
これが、「特例メリット制」と言われるものですが、最後にこちらをチェックしておきましょう。
特例メリット制の増減幅は◯パーセント!
(平成28年労災問10エ)
継続事業(建設の事業及び立木の伐採の事業以外の事業に限る。)に係るメリット制においては、所定の要件を満たす中小企業事業主については、その申告により、メリット制が適用される際のメリット増減幅が、最大40%から45%に拡大される。
解説
解答;正
問題文のとおりで、特別メリット制が適用されると、メリット増減幅が、最大40%から「45%」に拡大されます。
ちなみに、この特例メリット制は、中小企業の継続事業が対象ですが、建設の事業や立木の伐採の事業は対象になっていません。
今回のポイント
- 継続事業(一括有期事業含)がメリット制の適用を受けるためには、
- 100人以上の労働者を使用する事業
- 20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって災害度係数が0.4以上の事業
- 建設の事業及び立木の伐採の事業であって当該年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの
である必要があります。
- メリット制が適用されるための要件である労働者数には、第1種特別加入者も含まれます。
- 特別支給金は、メリット収支率の算出をするときに計算に含みます。
- メリット収支率が「85%を超え」、又は「75%以下」である場合に、継続事業の労災保険率を引き上げ又は引き下げることができます。
- 特別メリット制が適用されると、メリット増減幅が最大45%に拡大されます。
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